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「かいちぐ」発行から一年が経ったよ


先日、11月30日で「解離性障害のちぐはぐな日々」が出てからちょうど一年になりました。
初めての単著、しかも自分の話、ということで、出版後に何がどう変わるのかなあと思っていたけど、やっぱりこの一年はそれまでとは全然違いました。どう違うのかははっきり言えないけど、確実なのは、ものを見る目線が変わったということです。
世界に対する私の目線も、私から私への目線も、私から他者への目線も変わったし、また、他者から私への目線も、おそらく変わったように思います。

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通過点としての「節目」

振り返ってみるとこれまで何度もいろんな節目で「もうだめだ」とか「これで一発逆転」みたいなことを思ってきました。
学校を辞めたから、就職したから、入院したから、テレビに出たから、本が出版されたから…などなど。その瞬間、瞬間は良くも悪くもクライマックスだし、その時の高揚感とか絶望感も手に取るように思い出せるけど、今いるこの場所から振り返ると、全部、なんということはない。ただの通過点なんですよね。
瞬間最大風速を叩き出したような出来事も、改めて振り返ると、ご飯がおいしいとか、良い買い物をしたとか、かわいい物を見つけたとか、そういうことと同じように並んでいる。時間がたてば、なおさら。
スマホの写真フォルダって、全部同じようにずらっと並んでますよね。あんな感じ。

記録と記憶

ただ、解離が強い時はこれが全然ありませんでした。毎日毎日、不慣れで、つながらなくて、世界中の他人事が自分ごとのようで、自分ごとは全部他人事のようにどうでもよかった。それは、混乱の旅に「これまではこれからとは違う」と自分も周りもリセットしようと(今思うと虚しい)努力をしてきたからだと思います。

リセットしながら生きていると、いつも気持ちは新鮮なのですが、結局自分に何も残っていきません。だから私はいつも、生き生きとした気持ちでありながら自分の中が空洞であることに不安や焦燥感を抱いていました。

でも、まんが「解離性障害のちぐはぐな日々」を描きあげ、読んでもらって、あちこちで展示やイベントをしてこの一年でやっと、自分に起きてきたことがようやく「記録」ではなく「記憶」として正しくセッティングされたような気がします。

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私と全てをつなげた「かいちぐ」

あの本に関わってくださった全ての方へ。
これまで見殺しにしてきた私の断片を拾わせてくれて、ありがとうございました。屍と思っていたそれらは、思いがけずまだちゃんと息をしていました。死んでなかったし消えてもいなかった。自分のことだけど、自分ひとりではきっと見つけられませんでした。

「自分のことが書いてあるようだった」という感想をくださったたくさんの方。
その言葉で、私は私の人生だけでなくあなたの人生とも繋がれたような気がします。

合同出版の方やイベント会場の方。
私の度重なる唐突な企画提案を「やってみましょう!」と言ってくださったこと、本当に感謝しています。おかげでたくさんの人と話すことが出来ました。イベント続きだった今年の前半は、自分とこれまでと今とこれからが全部ひとつながりになり、また、それらが他の人ともつながっていくようにも感じられ、忙しくもどこかフワフワとした安心感があり、夢を見ているようでした。

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で、続編を作りたいのです

まだ全然、空想してるだけになってますが次は(次を作りたいぞ)私だけではなくて、あなたが生きてきたこれまでのスキルやアイデアを、人につないでいく本を作りたいと思っています。
もし良ければ、ツイッターやインスタなどで「#かいちぐ」を付けて、あなたがこれまで生きてきたことに役立ってきたスキルや、これからを生きていくアイデアを聞かせてください。(もちろん、本の感想も超絶歓迎です!!!)
これまで頂いたツイートはこちらです↓

まだ全然、具体的なことが決まっているわけではありませんが、少なくとも、あなたのアイデアにヒントを得られる人がいると思います。
たくさんの方の意見があると、きっとたくさんの方のヒントになっていくと思うので、ぜひご参加ください!

「解離性障害のちぐはぐな日々」の旅は続く

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なんか別れの挨拶みたいになっていますが「解離性障害のちぐはぐな日々」はたぶん、そんな風にしてたくさんの人に出会い、その人のこれまでとこれからをつなげていく本になっていると思います。
ぜひ引き続き、応援していただけたら嬉しいです。

いろんなことがあるよ。あっちに行ったりこっちに行ったり、何か落としたりまた拾ったり。何かに出会ったり別れたり。
その試行錯誤は簡単じゃないから、せめてその時に、少しでも怖がらず、安心して歩ける手助けになるものを作りたい。

大変さから孤独な死を選ぶのではなく、大変だからこそ誰かと手を取れたらいいと思うのよ。夢みたいな話。でも悪い話じゃないでしょ?



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