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小学校での人間関係

私は2015年から今の小学校で日本語を教え始めました。実は私の前の日本語の先生はオーストラリア人の先生で、実際日本語がきちんと話せるほどの日本語の知識をお持ちではありませんでした。(つまり、カタコトの日本語しかわからないということです。)彼女はかなり長く日本語の先生をしていたようです。しかし、その先生がクラスの担任に戻ることになり、新しい日本語の先生の募集が出て、私の採用が決まったわけです。

ですから、私が教え始めた時にはほとんどの先生が私が先生としてどれくらいの裁量を持っているか、多分みんな興味津々だったと思います。この新しい日本語の先生はどのぐらい英語が分かって、どのぐらいきちんと仕事ができるのか、多分疑心暗鬼だったと思います。私がこの小学校に勤める前に、私は3箇所の小学校で日本語を教えた経験があります。それも買われたのかもしれません。しかし、そんな情報は採用担当のパネルの先生しか知り得ないことです。

小学校では実際のところ日本語の先生が日本人でなくてもいいわけです。何が大切かと言うときちんと Classroom のコントロールができる、つまり Classroom Management ができるかということが一番重要なのです。また、他の先生 たちとコミュニケーションが取れるか、学校の行事などに積極的に取り組み活動できるか、生徒とのコミュニケーションはうまくとれるかなど、そういったことが重要であって日本語が分かってるか分かってないかということにはあまり重きを置いていないわけです。それについては私も重々承知をしており、例えば提出物とか(ワークプログラム、生徒の成績表など)そういったものをきちんと提出したり、何か手伝ってもらったことにはお礼を必ず言うなど、当たり前のことですがそういったことについてきちんとする、礼儀を守るということには気をつけています。

私の英語がもっとレベルが高ければ、先生方ともっと深いコミュニケーションができるし、仕事でも、もう少し任されることも多くなるのかと思います。けれども、やはりそこはネイティブスピーカーではありませんので深いところまでなかなか話をするっていうことができません。でも、その方が実は人間関係がスムーズに行くと言うか逆に分からないからこそ、その小学校でのスクール・ポリティックスに頭を突っ込むことなく、ニュートラルな感じでいろいろな先生方と仕事上でのお付き合いができていると思います。

だから五、六年生の担任の先生から「一緒にコーヒー飲みに行かない?」と誘われた時、とても嬉しかったのを覚えています。やはり一対一であれば深くお互いのことを話すまでになると思いますけれども、1対3とか4のグループになるとなかなか難しいところがあります。まず、どこまで話していいのか、どこまで向こうの方の言ってることを私がきちんと理解できてるか、など。そういったことに関してもやっぱりグループになると難しいのです。

ある日、音楽の先生のコピーが終わらなくてそれに付き合ってあげたことがありました。もうあたりは真っ暗。夜の学校ってあんまり一人でいたいと思うところではないですよね。私も以前同じようにコピーをしなくちゃいけなくて一人で残っていた時があったんです。とても心細くて。だから、その音楽の先生と一緒にいてあげました。そして、コピーができるまで色々な話をすることができました。彼女から、私が計り知れない先生方の人間関係について彼女の意見を聴くことができました。たとえば、誰と誰か気があって誰と誰が合わなくて、誰がこの学校を今年で辞めるかもしれない、などなど。私の学校は割と男性の先生が多いので助かる点も多いです。(もちろん、男の先生の中でも色々あるかもしれませんが)でも、女性の先生ほど確執を持ったり、いがみ合ったりしないように思います。特に小学校の先生は女性の先生が多いので、マウントを取りたいと思う先生もいるし、基本的に先生はコントローラーなので自分の思う通りにしたいと思う人が多い傾向にあると思います。私はスペシャリストのチームになるわけですが、その少ない人数の中でも色々ありますけれども、ラッキーにも、この仕事辞めたいとかのレベルにはいっていないので有り難いです。(もちろん小さいことでカチンときたりとか、そんなの聞いてないよ~!と言いたくなることもありますよ。)基本的には一匹狼でする仕事です。スペシャリストの先生はそれぞれがそれぞれのワークプログラムを作るので他の先生からプランニングの口出しをされることがなく、自分のやりたいことができるのでその点は他の学年チームの先生達とは違って気分的には楽なところがあります。

私が心がけていることはやはりいろいろな先生方とお付き合いをしなくちゃいけないのでまず「ありがとう」の気持ちを表すことと、それから E メールなどのレスポンスもなるべく早くすることです。自分の英語力のなさでの誤解が生じないように確認することに気をつけています。やはり先生も人間だしどんなに忍耐強くて寛大でいなければいけない職業とはいえ、 どんなに経験が長い先生でも涙することもありますし、怒りが収まらない時もあると思います。だからそういう時はなるべく相手に気持ちを寄せるようにしたいと思っています。

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