キャノンEOSR5とR6の印象

時代はミラーレスへ、ということで最近キャノンから発売されたR5とR6という新機種について、リサーチした上での私感を書いてみたいと思います。

現場から見るとミラーレスカメラへの移行はどんどん進んでいて、スタジオ写真をメインとするフォトグラファーはキャノンやニコンの一眼レフからソニーαへの乗り換えが激しいです。

画素数やフォーカス性能、サイズ感、動画性能が功を奏している印象。

ただし、ロケ系フォトグラファー(ウェディングフォトや学校写真系の営業写真分野含む)にとってはまだまだ移行が鈍い印象でした。

その最も大きな理由は耐久性です。触ってみてわかるけれど、ソニーはどうしてもビデオカメラ感が拭えません。防塵防滴性能や、シャッター耐久や堅牢性において、キャノン・ニコンの一眼レフがとても信頼されているのは、オリンピックを元に開発されてスポーツ・ネイチャー系での長年の需要を見ても明らかです。(その分ソニーは動画分野において抜群に良いわけですが)

2018年、ミラーレス分野で出遅れたキャノンが投入したのがRでした。これには多くの人ががっかりして、売れ行きも芳しくなかったようです。その理由はおいておきますが、あれから2年。リベンジという感じで、ひとつの完成形が提示されました。それが今回の R5だと思います。

初見で良いと思ったところは

・4500万画素
・8段の手ブレ補正
・4kを120pで撮れる
・5Dに近い操作性とグリップ
・Logで撮れる
・50万回のシャッター耐久
・デュアルスロット

このあたりです。個人的には8Kは不要ですが、動画分野の人からは魅力的なスペックだと思います。

一眼レフの5Dに近い操作系にしたのは正解だったと思います。これだけでも、今まで一眼レフから移行をためらっていた層が動くはずです。(僕も揺れ動いています)

ソニーαに完全にタメを張るラインに持ってきていて、8段の手ブレ補正や120フレーム、Logは動画を専門としない中間層も嬉しいはず。

50万回のシャッター耐久は、ミラーレスだからこそ実現できた数値だと思います。一眼レフはミラーを内蔵する機構であるため、どうしても鏡の上げ下げのショックと衝撃が大きいです。なのでシャッターユニットも摩耗して、耐久性にもクリアできない上限ラインが定められています。

50万という数字は、毎日500枚撮影しても3年は持つということ。いくら数を撮る系の撮影でも、一台のカメラでそこまで回すことはないので必要十分です。あとは、ボディの堅牢性や、防塵防滴性能をロケやハードな環境でどれだけ発揮できるか。それさえクリアできれば、一眼レフよりコンパクトはR系への移行は一気に進む気配です。

8月にEOSR6が連投されます。

これは一眼レフでいうところの5Dと6Dの棲み分けのようなもの。

個人的にはこのようなスペック低下の廉価版戦略は、今のカメラ業界を考えるとよろしくないと考えています。詳しくはまた別の機会に書きたいところです。

ですが、R6を買うまでもなく、ちょっとミラーレスいってみたい方には嬉しいのも事実です。

両者を比較して異なる点は以下のとおり。

・価格 45万/30万
・画素数 4500/2010
・EVFファインダー性能
・背面液晶性能
・8k撮影の有無
・シャッター耐久
・重さ 60gほどR5が重い

デザインはほぼ同じでしょうか。まだR6の方は触っていないので、不明ですが、若干重さが軽いので、小ぶりになってる可能性はあります。ほんとに若干ですが。

大きなところだと、画素数と、8Kが撮れるか撮れないか。ここはプロでも不要な人は多いと思うので、仕事カメラにするならR6の2台持ちという方向性でしょうか。お財布にも優しいし。あと、ウェブ媒体メインの人はR6でも全く問題ないかもしれませんね。

コロナ期になり、ますます行く先が怪しいカメラ市場ですが、写真ファンにとっては新製品というのはいつの時も嬉しいものです。

スペック上の比較や検討はある程度の参考にはなるかもしれませんが、やはり使ってみないとわからないのがカメラです。買うかはわかりませんが、またその時は使用感を共有したいと思います。


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