マガジンのカバー画像

Leica M10-D

31
Leica M10-Dを中心にM型ライカの使い方や特徴を解説し、作例写真と共に紹介します。プロのフォトグラファーから見た印象と、撮影や設定のちょっとした小技も解説しています。
Leica M10に関するムックマガジンです。使い方や設定だけでなく、撮影された写真やライカにまつ… もっと詳しく
¥2,000
運営しているクリエイター

#フォトグラファー

ズミクロン愛、SLとM型ボディの比較において

単焦点レンズはできるだけ小さくて、地味なものがいい。 日々持ち歩いても、見た目にも写りにも飽きがこないようなもの。いや、地味なものは飽きやすい。実際自分は50mmで撮ることに、同じレンズで日常をひたすら記録することに本当は飽きているのではないか。 ライトルームに「ズミクロン」というキーワードを入れてみる。 何万枚もの写真がフィルタリングされて表示される。 50mmに飽きながら、ズミクロンに飽きながら、なぜこの同じレンズを人生で3回も買っているのだろうか。 たぶんその

有料
300

ISO オートで撮影する際のメリットとデメリット

LeicaM10-Dはフルマニュアルのレンジファインダー式デジタルカメラです。 フィルムのM型と異なる点といえば、ISOオートと、シャッタースピードオートが選択できることでしょう。 他のデジタルカメラではおなじみの「絞りオート」が使えないため、絞りシャッタースピード共にオートの「フルオート」は使えません。(Leica Qでは使える) あくまでフィルム設計に基づいた、光学レンズを主体においたカメラだと言えます。 よって多くの人が、フィルム機と同様にフルマニュアルのスナッ

有料
300

スタジオ撮影でM10Dを使ってみた

スタジオ撮影に適したカメラは、一眼レフか今ではミラーレスだと思う。 それも、ストロボ接点がついており、PCと接続できるようなUSB等の端子がついているハイエンドなカメラ。 なぜか? まずスタジオを使うということは、クライアントに納品する写真を撮るという明確な目的があるからである。多くのスタジオが時間によって料金が加算されるシステムだから、経費を削減するためには撮影時間は短ければ短いほうがいい。 短い時間で、クライアントの満足する写真を撮ることができれば、費用対効果も上

有料
500

35mmレンズしばり

50mmレンズに負けじと劣らず、35mmレンズは凡庸だ。 いや、凡庸さで言えば35mmのほうが勝っているかもしれない。 また焦点距離の話かよと思われるかもしれませんが、35mmと50mmが好き過ぎるので許してください。コンパクトなシステムを目指している人や、人物撮影が好きな人、旅が好きな人、日常を撮りたい人、人間を撮りたい人、写真を勉強したい人、めんどくさがりな人、歪みが嫌いな人、軽いのが好きな人、写真が好きな人は、みんな好きだと思います。語りたがりな人は「焦点距離で哲学

有料
500

人を撮るということ

写真を撮り始めてまもない頃は、人を撮りがちだ。 恋人や友人に家族にクラスメイト。身近にいる愛する人たちを撮るために誰もがカメラを持つ。 もちろんカメラという機器そのものへの興味から写真に入る人々もいる。 だけど何かを撮らなければ機器への興味も追求することはできないだろう。 そういうわけで、カメラそのものが好きな人たちも、人を撮ることが結構好きだったりする。 ヨドバシカメラみたいなカメラ店が「モデル撮影会」を行っているのも、そのような需要があるからである。 先にあげ

有料
500

山旅とライカの相性

山にライカを持ち込む人はそんなに多くないと思う。 山の中を歩いていて、多くが首からカメラをぶら下げているがライカをぶら下げている人とはあまり出会ったことがない。 これまでに1度だけ、M6をぶらさげている人と遭遇した。 年に20本ほど山行していて、記憶にあるのはその一回だけだ。 ライカ使いの写真家先輩にそんな話をしたら 「えー山に持って行ってるの?俺は無理だわ。。」 と嘲笑された。 高額な機材を汗と泥で汚していて、雨に降られて一回でダメにする可能性も十分にある。 お

有料
500

LeicaM10-Dのシャッター音

M10Dのシャッター音は、ライカ社が発表してきたデジタルのM型において最も静音仕様だとされている。 確かに、静かだ。 実際の音はユーチューブ等に上がっているものを聞いていただくとして、今回はその音と、シャッターフィーリングがどのようなものか。そして撮影と写真にどのような影響を及ぼすのかを文章化してみようと思う。

有料
300

現行ズミクロンのフレアの出方

前回の続きです。 ズミクロン35mmというレンズのフードありなし問題について書きました。 フードをつけないと、光の進入角度が浅くなるため、フレアやハレーションが出やすくなります。 オールドのズミクロンは、このフレアやハレーションが盛大に出ることで有名。フレアを意図的に”味”として使うのは、シリアスな写真家からすると結構「ダサい」んだけど、場合によっては効果的なことも確かです。趣味写真の場合は好きならがんがん入れたって問題はないと思います。 今回は現行ズミクロン35mm

ズミクロン35mmのレンズフード、つけるかつけないか問題

ズミクロン35ミリのレンズフードをつけるかつけないか問題というのが存在するらしい。 今までは、レンズのフードはつけて使用してきた。 アシスタント時代に「プロは有害光をカットするために、フードをきちんと装着する」と師匠や先輩方に教わってきたし、そのようにするのが当たり前だと思ってきた。 しかし最近、ズミクロン35mmに関しては、つけなくても良いのではないかと思うようになった。 いや、正しくは、このレンズはつけない方向性もあるのだと。 フードの役割は主に2つある。

有料
300

ライカで撮るポートレート

ライカM型でポートレートは撮れるのだろうか? 普段、一眼レフやミラーレスでポートレートを撮っていて、少しでもライカやレンジファインダーに興味のある人は一度は思ったことがあるだろう。 それに対する巷の多くの回答は 「撮れるけど、撮りにくい」 である。 しかしポートレートには様々なベクトルがある。そして日本で進化しているポートレート、ポートレイト、あるいはポトレ、などと呼ばれるポートレートは少し特殊だ。カメラメーカーや、機材ファン、レースクイーンや、撮影会、地下アイドル

有料
500

背面液晶の無いカメラの本当の利点

背面液晶の無いカメラを使うメリットは、撮ってすぐに確認できないことである。 先に結論を述べましたが、これだけでは?だと思います。確認できないことは不便じゃないかと。ただし、ある側面では確認できないということが重要になってくる場合があります。そして、背面液晶を廃したデジタルカメラは、まさにそのような意図を盛り込まれて作られています。 今回は、液晶の無いカメラを使うことはどのようなメリットがあるのかについて考えてみます。 まずあなたは、デジタルカメラから写真を始めたデジタル

有料
500

ライカをカスタマイズする、無駄な装飾はせずにエイジングを促進するかたちで。

ライカ使いの数だけ、個体が存在すると思う。それは使ううちに使用者の癖や、環境が染み込むからだろう。大量生産された工業製品が主流の中で、そのようなカメラも珍しい。 ここまでくれば立派な信者だが、中古カメラ屋で、レンズなしのM型がずらりと並んでいる姿に萌える。あの景色はなんとも言えない気持ちになる。おそらく多くのユーザーに言えることだが、普段レンズを外すことはほとんどない。だからボディキャップを付けたボディというのは、買った時にしか(あるいは売るために手放す時にしか)見れない姿

M10-Dの弱点

この世に完璧な人間が存在しないように、完璧なカメラというものも存在しない。 カメラが完璧であるという状態は、カメラらしさを失うことであり、そうなるとそれはもうカメラでは無くなってしまう。(「ポメラ」と一文字変えるだけで、映像ではなく文章の入力機器になってしまうように。) 物体という形を維持している以上、それはモノとしてのデザインや素材や構成に、いつでも縛られている。それがアナログであるということであり、プロダクトとして私達が日々使うものなのだ。 ひとつの前提として、強み

有料
190

Summicron 35mm ASPH. レビュー

はじめに今年に入ってズミクロン35mmを使うようになったので、このnoteでレビューめいたものを書いてみる。noktonの40mmを買おうか迷った末、ファインダーが合わないのが気になり、気がつけばsummicron 35mmをポチっていた。 ライカで使うレンズはどういうわけか今までずっと50mmだった。レンタルして一時的なテストのために、28mm、35mmはズミルックス含めて試してはきた。しかしフィルム時代のMPでも、デジタルになってのM10-Dでも組み合わせるレンズは50

有料
300