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こっくり味ってなんだろう?

“こっくり”した味付け、という表現をきいたことがありませんか。

ピリっとした味といえば辛い。しゅわっとしたら炭酸の刺激。さくっとしたらクリスピーな食感で、じゅわっときたら染みだしてくる煮汁。

それと比べて“こっくり”ってなんだか漠然としているというか、ちょっともやもやした感じがしませんか。

なんとなくニュアンスは解るんだけど、じゃあどんな、と訊かれるとぱっと答えられない。でも理解はしていて、自分の中にはこれが“こっくり”という何かがある。でも人に説明はできない。

❔“こっくり”ってなんだろう

今まで特に気にせずにいたのですが、ある日ふと気になってしまったのです。そしてさっそく調べてみました。

あら。

わりとあっさりと答えが出てしまいました。

色や味などが濃く深い様子。

たしかにこの言葉、味付けの表現として使うとき、煮物によく使いますね。自分の持っていたイメージも、甘辛いけっこうしっかりめの味付けの煮物でした。醤油は関西風の薄口ではなく濃口、お砂糖たっぷりで冷めても美味しい、幕の内弁当に入ってるような煮物です。

🥕煮しめの材料(作りやすい分量)

というわけで解決したら、そういう煮物を食べたくなりました。

・たけのこ水煮…1パック(500グラム)
・にんじん…1本
・干しシイタケ…6個
(※1カップの水で戻しておく)
・こんにゃく…1枚
・昆布…1枚
・水…3カップ
・醤油…1/2カップ
・みりん…1/2カップ
・砂糖…1/4カップ
・酒…大匙2

今回の分量ですが、たけのこは水煮を1パック使い切り、にんじんも1本使い切りで、材料が残らないことを優先したので、作りやすいかわりに量はかなりたっぷりできます。だいたい5~6人分はあると思います。

🔪こんにゃくをちょっとオシャレに

まずはこんにゃくを飾り切りにします。

両端を切り落とさないように真ん中に切り込みを入れます。

こんにゃくの片方の端を真ん中の切り込みにくぐらせると、写真のようなひねった飾りこんにゃくになります。

さっと下茹でしてよく水気を切っておきます。

🔪たけのこの切り方ポイント

たけのこは煮物のメインといってもいい素材です。サイズが大きいので量がたっぷりあることもありますが、食感が部位によって違うこと、にんじんや干しシイタケと比べて煮ても食感が残るので存在感があるんですよね。

まず先と太い部分に切り分けて、先は長めにカットして、太い部分は乱切りといちょうぎりの2パターン。これで食感に変化がつきます。

昆布と干しシイタケは水で戻して、にんじんは皮を剥いて乱切りにしておきます。

🍲煮ていきます

さあ、あとは煮るだけ。調味料と昆布、干しシイタケの戻し汁を具材と一緒に鍋に入れます。

強火にかけて煮汁を沸かします。

ぐつぐつとしてきたら吹きこぼれない程度の火加減にします。

そのままゆっくり煮ていきます。

にんじんに竹串がすっと通れば煮あがりです。

一度火からおろして冷まします。煮物は冷める間に味を吸ってなじむので、煮あがったらいったん冷まして、また食べるときに温めるようにしています。

🍲濃くてしっかり、こっくり煮上がり

子供の頃、野菜だけの煮物ってあまりお箸の進まない料理でしたが、大人になるとなんだか懐かしいような気がして、たまに無性に食べたくなります。

“濃”くて、し“っかり”。“濃っくり”な煮物。醤油、みりん、砂糖、出汁。この味が懐かしさのポイントなんでしょうね。

具材の種類が多いので、一度作ると量もたっぷりでしばらくは温めなおしながら食べてます。

あ、そういえば、お節料理の“煮しめ”も“こっくり煮物”のイメージですね。なんだか懐かしさの秘密を見つけたような気がします。


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