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パイオニア環境分析のつもり(9/27~10/5)アグロVSランプをアグロが制す

■はじめに

 まず、前回の記事(↓)については、非常に多くの方にご覧いただき、ご購入やサポートをいただきましたこと、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 本業が多忙な中、別記事の編集を行っていた関係で、いつもの分析記事が遅れてしまいました。申し訳ございません。ようやくお届けできました。

 というわけで、「ゼンディカーの夜明け」後初の環境分析記事をお届けします。スタンダードは早速《ウーロ》が禁止の憂き目に遭いましたが、パイオニア環境においても「ゼンディカーの夜明け」が与えたインパクトは大きく、既存デッキの強化や新デッキの登場など様々な影響がみられます。

 早速結果を見ていきましょう。なお、環境初期という点、そしてアウトプット速度の関係から、該当機関のChallengeイベントの結果のみを集計し、Preliminaryは集計対象から除いています。ご了承ください。

▼Pioneer Challenge 9/26

6-X
Orzhov Aura
 
5-X
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Orzhov Aura
Rakdos Arcanist
Esper Yorion
 
4-X
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Orzhov Aura
Izzet Phoenix
Izzet Phoenix
Rakdos Arcanist(TOP8)
Gruul Aggro(TOP8)
Gruul Aggro
Jeskai Fires
Jeskai Fires
4C Omnath
4C Omnath
4C Omnath
The Spy

▼Pioneer Challenge 9/27

6-X
Orzhov Aura
 
5-X
Mono-B Aggro
Dimir Control
Esper Yorion
4C Omnath
The Spy
The Spy
 
4-X
Mono-W Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Orzhov Aura
Orzhov Aura
Boros Aggro
Spirit
Izzet Phoenix
Gruul Aggro
Naya Winota(TOP8)
Naya Winota
Niv-to-Light
Niv-to-Light
Lotus Combo

▼Pioneer Challenge 10/3

7-X
Jund Sacrifice
 
6-X
Mono-B Aggro
Orzhov Aura
Jeskai Fires
4C Omnath
 
5-X
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Orzhov Human
Gruul Aggro
Esper Yorion
4C Omnath
4C Omnath
Niv-to-Light
Lotus Combo
Lotus Combo
The Spy
 
4-X上位
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Orzhov Aura
Orzhov Aura
Orzhov Aura
Seleznya Aura
Izzet Phoenix
4C Omnath
4C Omnath
4C Omnath
4C Omnath
Lotus Combo
The Spy


▼Pioneer Showcase Challenge 10/4

6-X
Mono-B Aggro
Orzhov Aura(TOP4)
Orzhov Aura
Temur Reclamation(準優勝)
Niv-to-Light(TOP4)
Lotus Combo(優勝)
Lotus Combo
 
5-X
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Orzhov Human(TOP8)
Orzhov Aura
Orzhov Aura
Rakdos Arcanist
Rakdos Arcanist
Gruul Aggro
Esper Yorion
Jeskai Fires
Jeskai Fires
Naya Winota
Temur Reclamation
4C Omnath
4C Omnath
Niv-to-Light
Lotus Combo
The Spy
 
4-X上位
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Mono-B Aggro
Naya Winota
4C Omnath
Lotus Combo

■メタゲームブレイクダウン

画像1

 最大勢力は安定の黒単アグロとなりました。他、2色土地の追加でマナベースの安定したオルゾフオーラが2番手につけています。環境初期ということで、こうしたプロアクティブな戦略が結果を残す形となっています。

 しかし3番手以降には、スタンダードで大暴れ中の《創造の座、オムナス》の姿が。早速主軸として組まれた新デッキ「4色オムナス」、そして《オムナス》をすんなりと採用できる5色二ヴミゼットが3、4番手につけており、上記4デッキでメタゲームの5割を占めています。

 他、この間一括で締め出しを食らったコンボデッキもやや復権。MDFC(裏面土地カード)の追加により微強化されたロータスコンボ、そしてMDFCの追加により成立した瞬殺コンボ・「The Spy」が登場しています。

 マナベース改善はオルゾフオーラだけでなく、2種の両面土地を使えるナヤウィノータ、2色土地を求めていたグルールアグロ等でも見られます。特にナヤウィノータは安定性が大きく改善しています。

■注目デッキ1:黒単アグロ

matheusponciano (5th place)
pioneer challenge 12211161 on 09/26/2020
 
creature (27)
4 《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》
4 《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
3 《戦慄の放浪者/Dread Wanderer》
2 《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
4 《スカイクレイブの影/Skyclave Shade》
4 《残忍な騎士/Murderous Rider》
3 《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks》
3 《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》
 
sorcery (6)
4 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《アガディームの覚醒/Agadeem's Awakening》
 
instant (5)
4 《致命的な一押し/Fatal Push》
1 《無情な行動/Heartless Act》
 
land (22)
4 《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
4 《変わり谷/Mutavault》
13 《沼/Swamp》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
 
sideboard (15)
2 《才気ある霊基体/Gifted Aetherborn》
1 《夜鷲のあさり屋/Nighthawk Scavenger》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
3 《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
2 《苦悶の悔恨/Agonizing Remorse》
2 《大群への給餌/Feed the Swarm》
2 《軍団の最期/Legion's End》
1 《害悪な掌握/Noxious Grasp》

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 環境初期はプロアクティブデッキが強いため、環境屈指のアグロである黒単が最大勢力となりました。引き続き《思考囲い》がコンボデッキやミッドレンジ全般に強く、特に《オムナス》に依存する4Cオムナスや、キーカードが手札に絶対必要なThe Spyに対しては劇的に刺さります。

 入賞した黒単は27デッキ、そのうち6デッキが《スカイクレイブの影》を採用していました。《屑鉄上のたかり屋》と違い、墓地リソースを使わずに復活できる点、ゲーム後半の打点が高くなる点で優れています。

 とはいえ従来型のほうが数はまだまだ多く、優劣ははっきりしていません。《たかり屋》はスイーパーの返しに即復活できる強みがあります。相手の動きが大振りなほど強く、タフネスも2あるので安心感があります。

 サイドボードには《大群の給餌》が。黒待望のエンチャント除去であり、ジェスカイファイアーズ、ティムール再生相手などに活躍しそうです。

■注目デッキ2:4色オムナス

VRHOSKA (5TH PLACE)
PIONEER CHALLENGE 12213717 ON 10/03/2020
 
planeswalker (4)
3 《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
 
creature (12)
4 《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4 《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》

4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》
 
sorcery (9)
3 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
4 《僻境への脱出/Escape to the Wilds》
2 《発生の根本原理/Genesis Ultimatum》
 
instant (4)
4 《成長のらせん/Growth Spiral》
 
enchantment (3)
3 《フェリダーの撤退/Felidar Retreat》
 
land (28)
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
3 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《硫黄の滝/Sulfur Falls》
3 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
1 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》
4 《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》
2 《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》
4 《寓話の小道/Fabled Passage》
1 《進化する未開地/Evolving Wilds》
1 《平地/Plains》
3 《島/Island》
1 《山/Mountain》
3 《森/Forest》
 
sideboard (15)
1 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
3 《霊気の疾風/Aether Gust》
2 《マグマのしぶき/Magma Spray》
4 《神秘の論争/Mystical Dispute》
3 《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
2 《萎れ/Wilt》

画像3

 スタンダードで《ウーロ》を禁止に追いやった張本人、《創造の座、オムナス》はパイオニアでも元気に暴れています。当然ながらパイオニアでは《ウーロ》はお咎めなしなので、《コブラ》と仲良く4積みされています。

 基本的な動きはスタンダードと変わりませんが、パイオニアでは《オムナス》までつなぐ選択肢が多く、リストはバラバラな状態です。《森の女人像》で序盤を安定させるタイプ、《創案の火》とのハイブリッド、などなど……。研究の余地は大きそうです。

 シミック系ランプデッキは大別してロータスコンボ、4色オムナス、ティムール再生という3つの選択肢があります。それぞれに一長一短、得手不得手があるので、メタゲームによって選択が分かれてくると思いますが、妨害への対応力と長期戦の強さは4色オムナスが優れている印象です。今後のメタゲームを見ながら、メタにあった選択ができる点は、シミック系のアドバンテージになりそうですね。

■注目デッキ3:ロータスコンボ

creature (14)
4 《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》
4 《願いのフェイ/Fae of Wishes》
2 《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
4 《砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands》
 
sorcery (20)
2 《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》
4 《見えざる糸/Hidden Strings》
2 《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss》
4 《熟読/Pore Over the Pages》
4 《巧みな軍略/Strategic Planning》
4 《森の占術/Sylvan Scrying》
 
instant (4)
4 《時を越えた探索/Dig Through Time》
 
land (22)
1 《爆発域/Blast Zone》
4 《植物の聖域/Botanical Sanctum》
1 《森/Forest》
4 《睡蓮の原野/Lotus Field》
4 《神秘の神殿/Temple of Mystery》
4 《演劇の舞台/Thespian's Stage》
4 《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
 
sideboard (15)
1 《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss》
1 《高山の月/Alpine Moon》
1 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
2 《一瞬/Blink of an Eye》
1 《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》
1 《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》
1 《全知/Omniscience》
1 《空の粉砕/Shatter the Sky》
2 《思考のひずみ/Thought Distortion》
1 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
2 《萎れ/Wilt》

画像4

 コンボ粛清の禁止改訂が行われた際、《死の国からの脱出》禁止によって死亡したと思われたロータスブリーチですが、元鞘のロータスコンボになって生き延びています。新環境でも元気にのびのびと入賞している様子が見られます。10/4のShowcase Challengeは優勝。コンボ使いの執念を感じます。

 M21後は《全知》+《深淵への覗き込み》を主な勝利手段とする形が主流となっています。《成就》で《全知》入手→設置→《深淵への覗き込み》で大量リソースゲット、あとは《思考のひずみ》で安全確保後、《ジェイス》まで繋いで勝利します。

 《死の国からの脱出》の時と違いそこまで安定感やリソース勝負に強いわけではありませんが、妨害がない場合のキルターンが早く、特にランプ系デッキが干渉してこない領域での勝負になるため、相性は非常に良い印象です。パイオニアのコントロールデッキにおいて、全体的に打ち消しの採用が少ないことも、活躍を後押ししています。

■終わりに

 環境変更初期ということで、様々なデッキのバリエーションが見られますが、今のところアグロ優勢の結果となっています。4色オムナスやThe Spyなどの新戦力がどこまで結果を残せるかに注目が集まります。
 なお、マナベース改善により既存デッキも見直されています。グルールやナヤウィノータだけでなく、お使いのデッキのマナベースについては一度アップデートを検討してみてはいかがでしょうか?

 今週末のChallenge結果を見ながら、また近いうちに更新をできればと考えています。ではまた次回。

■余談:記事ご購入に関して

 先日の記事のご購入・サポートありがとうございます。その際に奥さんへのデザートを計画しましたので、下記のように聞いてみました。

ワイ「ちょっと高めのデザート食べるなら何が食べたい?」
奥様「とんかつ」
ワイ「」
奥様「デザートよりとんかつが食べたい」
ワイ「おk」

 というわけで、とんかつに切り替えます。結果はおってご報告申し上げます。


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