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【拙訳】ヨーリオンの脅威に打ち勝つための6つのデッキ by DoggertQBones(MTG Arena Zone)

 みなさんこんばんは。禁止改訂後のスタンダードは、原根健太プロ、高橋優太プロも「日替わりでメタゲームが動きながらも、一強不在の非常にバランスの取れた環境」と総括しています。度重なる禁止改訂の果てにようやく手にした平和な世界、なのかもしれません。

 お二人とも結論として「メタゲームが一周した」という点で一緒ですね。

 さて、そんなメタ変遷の中で、存在感を増している《空を放浪するもの、ヨーリオン》。「白緑ヨーリオン→それをメタった青白ヨーリオン」という流れに象徴されるように、環境のベスト・ミッドレンジとして、《ヨーリオン》を使用したデッキがメタの一角を占めることは間違いなさそうです。

 MtG Arena Zoneのこの記事では、《ヨーリオン》に効果的なカードを具体的に挙げるとともに、それを使用したデッキを紹介、環境の(現状の)ベストデッキのひとつである青白ヨーリオンを仮想的とし、それに打ち勝つ戦略を紹介しています。

 興味がある内容なので、長い内容でしたがざっくりとした翻訳を試みてみました。メタゲーム理解の一助としても参考になる本文、興味のある方はぜひお目通しください。(読みやすさを意識し、一部筆者による強調を行っています。あらかじめご了承ください)

※前回同様、有料設定にはしてありますが全文無料で公開しています。門外漢ではありますが、スタンダードの記事の反響が大きければ、スタンダードの比率を増やしていきたいと思います。「スタン記事が足りないぞ!がんばれ!」と応援していただける方からの記事ご購入によるご支援、あるいはサポートが大変励みになります。よろしくお願いします!

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Top 6 Decks to Beat the Yorion Menace
BY DOGGERTQBONES · PUBLISHED OCTOBER 21, 2020 · UPDATED OCTOBER 21, 2020

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■はじめに

 皆さんこんにちは! 先日は、私自身が環境のベストデッキと信じて疑わない「青白ヨーリオン」のデッキガイド(https://mtgazone.com/azorius-yorion-blink-deck-guide/をお届けしましたが、私が関わった皆さんの中でも、青白ヨーリオンがベストデッキ、という点では同意見の方が大半のようです。
 しかし、過去のベストデッキとは異なり、明確な弱点も内包しています! たとえベストだと思われていないデッキをプレイすることになっても、勝つ見込みは十分にありますよ!

 端的にこの記事の目的を表すと「打倒・青白ヨーリオン」です。おそらく、今後もメタゲームの中で主要な位置を占める環境のベストデッキのひとつであり、対応力に優れています。
 (他のカラーリングと比較すると、)白緑ヨーリオンはクリーチャーデッキには強いものの、ミラーデッキに弱いという欠点が目立ちます(《夢さらい》がどうしようもありません)。エスパーヨーリオンも総じて青白より立ち位置がよくないと思います。《予言された壊滅》はミラーで弱く、エスパーの優秀なエンチャントも《スカイクレイブの亡霊》に弱く、《屋敷の踊り》を活かすことができません。

 そうした点を踏まえて、先日私が投稿した青白ヨーリオンのリストを見てみましょう。

UW Yorion
 
companion
1《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
 
creature (22)
4《魅力的な王子/Charming Prince》
4《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
3《トレイリアの大魔導師、バリン/Barrin, Tolarian Archmage》
1《深海住まいのタッサ/Thassa, Deep-Dwelling》
4《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
3《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
3《夢さらい/Dream Trawler》
 
sorcery (4)
4《エメリアの呼び声/Emeria's Call》
 
artifact (8)
4《ガラスの棺/Glass Casket》
4《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
 
enchantment (16)
4《メレティス誕生/The Birth of Meletis》
4《海の神のお告げ/Omen of the Sea》
4《太陽の神のお告げ/Omen of the Sun》
4《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》
 
land (30)
4《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》
4《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
2《ヴァントレス城/Castle Vantress》
11《島/Island》
9《平地/Plains》
 
sideboard (15)
1《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
1《巨人落とし/Giant Killer》
1《夢さらい/Dream Trawler》
1《本質の散乱/Essence Scatter》
3《神秘の論争/Mystical Dispute》
2《旋風のごとき否定/Whirlwind Denial》
2《中和/Neutralize》
4《空の粉砕/Shatter the Sky》

 このデッキが環境のベストデッキとなるには十分な理由があります。ゲーム後半になるにつれ、《魅惑的な王子》《スカイクレイブの亡霊》《トレイリアの魔術師、バリン》《ガラスの棺》そして《太陽の神のお告げ》が強力になっていきます。
 ここを念頭に置き、このデッキの理想的な展開をイメージしてみましょう。青白ヨーリオンは多くのEtB能力持ちクリーチャー(またはパーマネント)を展開しながら相手のデッキを妨害していき、《ヨーリオン》によってその能力を使いまわします。
 さて、そうしたEtB使いまわしのムーブに対抗するには、どのようなカード、そして戦略が、そうしたプランに有効なのでしょうか?

■アグロデッキの選択肢

 どんなアグロであろうと、アグロデッキがヨーリオンに対抗するには、かなりのチャレンジが必要です。ヨーリオンにはアグロ対抗策が過剰と思われるほど採用されていて、良い引きを連発しないと勝つのは難しいでしょう。
 しかし、希望を捨てることはありません。アグロデッキにもヨーリオンに対抗する良い方法があります。


・《静寂をもたらすもの/Hushbringer》

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 今のメタで《静寂をもたらすもの》を見ることはほとんどありませんが、青白ヨーリオンへ対抗する最もスマートな方法です。《静寂をもたらすもの》が戦場にいる限り、相手が取り得る対抗策は《空の粉砕》(メインに入っていれば、ですが)か《ガラスの靴》しかありません。戦場にいる限りは相手のクリーチャーをすべてシャットアウトできてしまいます! さらに、スタッツは貧弱なものの、青白ヨーリオンは飛行クリーチャーをブロックする方法が限られていて、その点も攻撃の際に役立ちます。本記事では、各カードを採用したリストをご覧いただけますが、このカードは次の2枚も同時に採用されます。

・《封じ込める僧侶/Containment Priest》

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 《静寂をもたらすもの》よりは効果が薄いものの、より爆発的な効果を期待することができます。サイドボードに収めておくのが合理的で、しかも瞬速持ちです。《封じ込める僧侶》はパーマネントへの妨害能力はないものの、《ヨーリオン》解決時に相手が多くのクリーチャーをブリンクさせようものなら、このカードを繰り出すことで、すべてのクリーチャーを追放したままにすることができるのです! 私は既に数ゲーム程、上記の動きで《疫病風》を繰り出し、対戦に勝利しています。

・《エンバレスの宝剣/Embercleave》

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 青白ヨーリオンは除去をクリーチャーに頼っている部分があり、インスタントスピードの妨害ができません。《エンバレスの宝剣》はその弱点を完璧に突くことができるカードです。最低1回は攻撃が保証されるため、これを繰り出す前に対戦相手のライフをできるだけ減らしておくことが重要です。そうしれば、《エンバレスの宝剣》を繰り出したときに対戦相手は為すすべもありません。
 さて、これらのカードを有効に使えるデッキは?

RW Knighty Knight
 
creature (29)
4《尊い騎士/Venerable Knight》
4《熱烈な勇者/Fervent Champion》
2《巨人落とし/Giant Killer》
4《立派な騎士/Worthy Knight》
3《リムロックの騎士/Rimrock Knight》
4《鼓舞する古参/Inspiring Veteran》
4《評判高い挑戦者/Acclaimed Contender》
4《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
 
sorcery (3)
3《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》
 
artifact (6)
2《スカイクレイブの大鎚/Maul of the Skyclaves》
4《エンバレスの宝剣/Embercleave》
 
land (22)
4《針縁の小道/Needleverge Pathway》
4《試合場/Tournament Grounds》
8《平地/Plains》
6《山/Mountain》
 
sideboard (15)
2《巨人落とし/Giant Killer》
4《静寂をもたらすもの/Hushbringer》
2《封じ込める僧侶/Containment Priest》

3《エンバレスの盾割り/Embereth Shieldbreaker》
4《ガラスの棺/Glass Casket》

 《立派な騎士》《評判高い挑戦者》による面展開でゴリゴリ削る騎士デッキは、青白ヨーリオンの除去に対抗できるアグロの最先鋒です。インスタントスピードの除去が飛んでこないことに加え、1ターンのうちに複数の脅威に対処するのも苦手です。
 《立派な騎士》は多くのクリーチャーを素早く展開でき、ヨーリオン側が大勢を立て直す隙を与えません。さらに、《砕骨の巨人》を有しているカラーリングのため、《魅力的な王子》と《スカイクレイブの亡霊》を効率よく対処できることも非常に重要になります。

・《山火事の精霊/Brushfire Elemental》

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 守勢に回ると貧弱なものの、パワー2以下にブロックされない能力は、能力を持たないトークンの群れを突破するのに非常に役立ちます。この能力はかなり有用ですが、彼の「兄貴分」もまた強力です。

・《探索する獣/Questing Beast》

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 《探索する獣》は、《砕骨の巨人》がよく使われる環境だった先週は立ち位置がよくありませんでしたが、最近のメタゲーム動向に合わせ有効なカードになりました。
 私のリストには《探索する獣》が1枚しか入っていないわけですが、グルールアドベンチャー以上にうまく使える方法があるはずです。数日以内に、緑が含まれるデッキリストに、もっと多くの《探索する獣》が入ってくるのが目にできるでしょう。

GR Adventures
 
creature (30)
4《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
4《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》
3《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4《山火事の精霊/Brushfire Elemental》
4《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》
4《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
4《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》 
3《水晶壊し/Gemrazer》
 
sorcery (6)
4《原初の力/Primal Might》
2《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》
 
artifact (4)
4《エンバレスの宝剣/Embercleave》
 
land (20)
4《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》
4《寓話の小道/Fabled Passage》
5《山/Mountain》
7《森/Forest》
 
sideboard (15)
3《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir》
1《探索する獣/Questing Beast》
3《レインジャーの悪知恵/Ranger's Guile》
4《轟く叱責/Thundering Rebuke》
2《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters' Advocate》
2《グレートヘンジ/The Great Henge》

 グルールはアグロデッキを探すグラインダーのあなたにフィットするデッキです。コストパフォーマンスの良いハードパンチャー、除去、そして《エンバレスの宝剣》の組み合わせは、ヨーリオンが機能する前にプレイヤーを倒す最高の組み合わせです。

■ミッドレンジの選択肢


 ヨーリオンを倒すためにプレイするという観点で、ミッドレンジは、一歩踏み込んで探してみても友好な対処手段を持ち得ません。それは(私が環境最初期に非常に評価した)ラクドスミッドレンジや、(わずか1日で天下を明け渡した)ゴルガリアドベンチャーがヨーリオンにことごとく敗れ去ったことからも明らかです。
 しかし、ヨーリオンを仮想的にすることで、その上、あるいはその下を行き対抗する方法は間違いなくあるでしょう。

・打ち消し呪文

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 ヨーリオンと戦う方法は数あれど、一番確実なのは打ち消しです。《ヨーリオン》は5マナの青い生物ということで、スタンダードにおける最高のサイドカードである《神秘の論争》の影響を受けやすくなります。さらには《本質の散乱》や《中和》も相手の戦略に対する素晴らしいカードであり、よりコストの高い脅威に対して安価に対抗することができます。
 古き良きコントロールデッキに対してはヨーリオンデッキの強力さが際立ちますが、メタゲーム上の他のデッキに対しては不利が目立ちます。そのため、より柔軟に対応でき、かつ打ち消しを採用したデッキを選択する必要があります。

UB Lurrus Mill
 
companion
1《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
 
creature (15)
3《マーフォークの風泥棒/Merfolk Windrobber》
4《遺跡ガニ/Ruin Crab》
4《盗賊ギルドの処罰者/Thieves' Guild Enforcer》
4《空飛ぶ思考盗み/Soaring Thought-Thief》

 
sorcery (7)
4《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
3《アガディームの覚醒/Agadeem's Awakening》
 
instant (15)
4《大慌ての棚卸し/Frantic Inventory》
4《湖での水難/Drown in the Loch》
4《物語への没入/Into the Story》
3《神秘の論争/Mystical Dispute》
 
land (23)
4《清水の小道/Clearwater Pathway》
4《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
4《ゼイゴスのトライオーム/Zagoth Triome》
4《寓話の小道/Fabled Passage》
5《島/Island》
2《沼/Swamp》
 
sideboard (15)
1《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
3《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
2《取り除き/Eliminate》
2《無情な行動/Heartless Act》
3《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
4《凪魔道士の威圧/Lullmage's Domination》 

 
 ライブラリーアウト戦略は、デッキの枚数が20枚多いヨーリオンには機能しませんが、打ち消しとドローでバックアップされた小型クリーチャーによるクロックパーミッション戦略は、ヨーリオンのような鈍重なデッキに対しては非常に効果的な戦略です。打ち消しのタイミングを上手く図ることができれば、間違いなく有利なマッチアップになるでしょう。

・《夢さらい/Dream Trawler》

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 《夢さらい》はヨーリオンに対して非常に効果的で、アゾリウスヨーリオンに4投もあり得ると思っています。メインボードからスイーパーや《サメ台風》をあまり見ない環境なので、青白相手に《夢さらい》はほぼ無敵です(おそらく白緑にも)強いてヨーリオン側が止める手段を探すならば《エルズペス、死に打ち勝つ》で《ヨーリオン》を釣りサイズアップすることですが、それでも、カードを引きながらサイズアップした《夢さらい》との相打ちに持ち込めます。今回は別バージョンのリストを投稿しましたが、ヨーリオンミラーを制したいなら、《ヨーリオン》にこれをそのまま投入することを薦めます。


■ランプデッキの選択肢

 通常はアグロ、ミッドレンジ、ときたら次はコントロールデッキですが、前述の通り、このメタゲームではコントロールが有効ではありません。それを念頭においた上で、青白ヨーリオンが干渉するのが難しいカードを探しましょう。

・《硬鎧の群れ/Scute Swarm》

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 この小さな虫の群れは、6枚目以上の土地を手に入れた瞬間に、すぐ対処不能となります。《ガラスの棺》、《スカイクレイブの亡霊》、《エルズペス、死に打ち勝つ》があれば除去されてしまいますが、2枚以上のコピーが生成されてしまえばもはや手がつけられません!
 対戦相手が対処する唯一の方法は《空の粉砕》ですが、青白はそれにアクセス可能なものの、1枚の《硬鎧の群れ》にスイーパーを打たざるを得ない、というのは、相手からすれば非常に苦しい状況でしょう。

Danytlaw UG Mutate
 
planeswalker (4)
2《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters' Advocate》
2《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
 
creature (33)
3《金のガチョウ/Gilded Goose》
4《両生共生体/Pollywog Symbiote》
3《絡みつく花面晶体/Tangled Florahedron》
2《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3《領獣/Parcelbeast》
4《硬鎧の大群/Scute Swarm》
4《渡る大角/Migratory Greathorn》
2《水晶壊し/Gemrazer》
3《夢尾の鷺/Dreamtail Heron》
1《飛びかかる岸鮫/Pouncing Shoreshark》
4《恵みのスターリックス/Auspicious Starrix》
 
land (23)
4《寓話の小道/Fabled Passage》
2《進化する未開地/Evolving Wilds》
9《森/Forest》
8《島/Island》
 
sideboard (15)
2《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3《ガラクの先触れ/Garruk's Harbinger》
2《飛びかかる岸鮫/Pouncing Shoreshark》
2《オークヘイムの敵対者/Oakhame Adversary》
1《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
1《英雄的介入/Heroic Intervention》
3《神秘の論争/Mystical Dispute》

 リストはちょっとおかしな風に見えなくもないですが、ヨーリオンには間違いなく有利です。変容クリーチャーからアドバンテージを得て、もし可能なら《硬鎧の大群》を変容先にしてコピーを生成することで、1ターンのうちに巨大な軍団を生み出すことが可能なのです!
 ロングゲームへの対応力という点では未知数ですが、強力であることに間違いはないでしょう。

・《世界を彫る者、ファイラス/Phylath, World Sculptor》

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 《硬鎧の大群》に非常に似通っている部分はあるものの、青白の使う除去に影響を受けづらいカードです。《エルズペス、死に打ち勝つ》が効いてしまう点は《硬鎧の大群》と同じですが、ランプ系スペルと組み合わせると、除去される前にゲームを決め得るサイズのクリーチャーを複数生み出すことが可能です。

・《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》

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 これがヨーリオンへの対抗手段の中で最も有効な方法です。-X能力は対戦相手の戦場にほぼ何も残さず(《真面目な身代わり》と《メレティス誕生》の壁トークンは除く)、ヨーリオンはデッキの中にマナコスト7以上のパーマネントを有さないため頭の痛い存在です。《ウギン》が登場したら、攻撃で退場させるか(非常に困難ですが)、あるいは《エルズペス、死に打ち勝つ》を使い、数ターン後に彼に焼き切られないようにする必要があります。
 次に挙げるリストは《ウギン》とそこまで相性がいいわけではなく、そこまで気に入っているわけではないのですが、ヨーリオンに対して有利と聞いているので、とりあえずリストをどうぞ。

Naya Ramp
 
planeswalker (3)
3《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
 
creature (22)
3《絡みつく花面晶体/Tangled Florahedron》
4《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4《ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary》
4《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
2《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》
4《世界を彫る者、ファイラス/Phylath, World Sculptor》

1《古の緑守り/Ancient Greenwarden》
 
sorcery (6)
3《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》
3《耕作/Cultivate》
 
enchantment (8)
4《フェリダーの撤退/Felidar Retreat》
4《狼柳の安息所/Wolfwillow Haven》
 
land (21)
2《進化する未開地/Evolving Wilds》
4《寓話の小道/Fabled Passage》
11《森/Forest》
2《山/Mountain》
2《平地/Plains》
 
sideboard (15)
3《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir》
2《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
3《オークヘイムの敵対者/Oakhame Adversary》
2《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》
3《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
2《切り裂かれた帆/Shredded Sails》

 このリストはヨーリオンに有効なカードを複数枚組み合わせていて、マナ加速からそれを早期に繰り出すことができます。色の組み合わせについては議論があるかと思いますが、《フェリダーの撤退》《ファイラス》《精霊龍、ウギン》がすべて同じデッキに入っていることで、ヨーリオンや他の低速デッキに対して非常に強く出られます。

・《発生の根本原理/Genesis Ultimatum》

画像12

 《精霊龍、ウギン》を活かしたデッキの派生ですが、《峰の恐怖》を絡めた1ターンキルが可能です。《峰の恐怖》はやはり《エルズペス、死に打ち勝つ》が唯一の回答であり、ヨーリオンに対してはかなり効果的ですが、少しでも放置してしまうと《発生の根本原理》からの突然死があり得ます。
 青白側が打ち消しを積み始めると、途端にマッチアップ相性が悪くなりますが、相手への脅威の枚数が多く、依然として1枚1枚への対処は非常に厳しいままです。


Temur Ramp
 
planeswalker (3)
3《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
 
creature (22)
2《絡みつく花面晶体/Tangled Florahedron》
4《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4《ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary》
4《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
4《峰の恐怖/Terror of the Peaks》
4《豆の木の巨人/Beanstalk Giant》
 
sorcery (12)
4《耕作/Cultivate》
4《発生の根本原理/Genesis Ultimatum》
4《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》
 
land (23)
3《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》
4《寓話の小道/Fabled Passage》
4《森/Forest》
3《島/Island》
4《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》
2《山/Mountain》
3《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》
 
sideboard (15)
2《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir》
4《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
2《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
1《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
1《巨大猿、コグラ/Kogla, the Titan Ape》
1《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
4《神秘の論争/Mystical Dispute》

 このリストは私の一番のお気に入りで何度もプレイしてるリストですが、MPLメンバーのBrad Nelsonも好んで使用しています。
 《ウギン》は対ヨーリオン戦を助けてくれる素晴らしい手段ですが、ヨーリオン側も《ウギン》を読んで《エルズペス、死に打ち勝つ》を手札に取っておきます。しかし、《発生の根本原理》はヨーリオン側が非常に対処しづらい素晴らしい手段です。ティムールはより早いデッキに苦戦しやすいものの、そうしたデッキで有利になるようなサイドボードも得意です。

■要約

 青白ヨーリオンは強力なデッキですが、どの観点から見ても決して「無敵」ではありません。そのデッキを狙い撃ちする方法は数多くあり、効果的なデッキはたくさんあります。

 さて、ヨーリオンに対抗するこれらのデッキの中から、他のデッキとも戦うことを考慮すると、私はディミーアローグ(ルールス)(https://mtgazone.com/ub-mill-deck-guide-standards-newest-tier-1-deck/)を選択すべきだと思います。このデッキのゲームプランはメタゲームの大部分に効果的で、(ディミーアローグが)苦手なラクドスミッドレンジ、ゴルガリアドベンチャー、緑単フードといった相手は、現在のメタゲーム上で勝つのは難しいでしょう。
 ただし、どのリストを選んだとしても、今のメタゲーム上、そこまで悪い立ち位置にはならないでしょう。

 今日のところは以上です! このコンテンツを気に入ってくれたり、もっと見たい、というような声があるなら、ぜひ私のTwitchチャンネル(http://twitch.tv/DoggertQBones)も見てくださいね。それでは、良い一日を!


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