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マスメディアからの伝言

 私は、支配人という職業についてからとてもとても沢山の取材を受けている。タカラジェンヌだった時よりも沢山で、開業時は目が回りそうになりデスクに戻って倒れこみ、隣にいた総支配人(GM)に「大丈夫か?!」と聞かれた事もあった。
 開業当時は毎回毎回聞かれる事は同じで「何故支配人になったのですか?」「これからホテルでしたい事は何ですか?」大体この2つである。恐らく私が、タカラジェンヌから何故支配人になったのか、全く違う世界に何故飛び込もうと決意したのか。通常の人生ではあまり巡ってくる事のない道筋で、多くのマスメディアに取り上げて頂いた。
 マスメディアという大衆への媒体の中で、テレビ・ラジオ・雑誌・Webマガジン等、これまで多岐に渡ってご紹介頂いた。自分の話した言葉が相手の頭の中で纏められ、記事にされたり編集されたりする。最初は「もう舞台にはでないのですか?」という質問を何度も受けて、否定する事も肯定する事も出来なかった私は大変困った気持ちになった事を覚えている。今、全て答えられない事もあるのである。きっと「舞台には立ちません!」と言い切ってしまった方が面白い記事になるのかもしれない。でも嘘をつきたくはなかった。決められず、曖昧なまま取材を受けていると自身がとても定まっていない気がしてくる事もあった。
 ただそんな目まぐるしい取材の中でも、時々とても気持ちよく受けさせて頂ける事があったり、とても感動したりする事がある。それは、取材して下さる記者の方が、私自身をよく調べ、その奥の思いまで知りたいと言う熱を感じさせて下さる時。私の気持ちに共感し、言葉がその人の奥に入っていく。そんな時は気持ちよく自分の気持ちを話せる。正直になってもっと話したいと感じさせてくれるのである。

 私は、支配人という仕事をしていて、その前にタカラジェンヌであった。どんなタカラジェンヌであったのか。何故芸大に通うのか、何故「note」に文章を書いているのか、何故トークイベントを始めたのか、私の動向を調べ上げ、細かい所まで質問して下さったり、またそれを読んだり聞いたりしてご自身がどんな風に感じ、何を聴きたいと思ったのか…取材を受ける側からすると興味を持って聞いて下さっているのかという事を敏感に感じ取るのである。そして取材を受けている内に自分の考えが纏まってくる事も沢山ある。話す事はとても大切だと思う。話している内に過去と現在の共通点が見つかり、自分が求めていた事が分かった事もある。そんな引き出される瞬間はとても感動的。

そんな素敵な記事にして頂きました。
皆様どうぞご覧下さいませ。

すーさん

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