ニンジャスレイヤーTRPG用自作ソウル「ドク・ニンジャクラン」

・はじめに

この記事はニンジャスレイヤーTRPGのプラグイン環境下で使用できる、自作のニンジャソウルアイディアである。

ニンジャスレイヤーTRPG プラグイン環境プレイヤーズブック｜ダイハードテイルズ

　当然のことだが、拙作の自作データを使用する場合は、ゲームマスター(以下、NWと表記)による許可を取った上で、奥ゆかしさを重点して使用しよう。「この記事にはこう書いてあるんだからNMの判断より尊重しろ！」みたいなことは言ってはいけない。いいね？　ゲームでいちばん大事なのはタノシイで、このプラグインを導入したことでゲームのアトモスフィアを損ないそうであれば、NMはこれらのデータを自由に差し替えたり使用を中止しても良い。

　また、このプラグインは公開時点ではテストプレイをあまり行っていないため、ゲームプレイにおいて支障をきたす場面があるかもしれない。その場合、作者にコメント欄などでフィードバックしていただければ嬉しい。

フレーバー

　ドク・ニンジャクランは毒というものを探求したニンジャたちが作り上げたクランであり、自然の毒物から人工の毒物までありとあらゆる毒素の扱いに長けている。彼らは武器やスリケン、矢などに毒物を塗り込め、また毒性の息を吐き付けるジツや広範囲に毒性の雨を降り注がせる恐るべきジツを編み出した。彼らのジツはコブラ・ニンジャクランやセベク・ニンジャクランといった他のクランにも受け継がれ、これらのニンジャの使う毒は平安時代の権謀術数渦巻くイクサにおいても恐怖の的となった。

データ

☆ベノム・スピット・ジツ

　自身の体液の一部を猛毒へと変化し、敵対者に吹き付けるジツ。毒液は含みタタミ針や隠しスリケンのような恐るべき暗器であるが、毒物への耐性がなければ己の肉体すら毒に冒される。
　【精神力】1点を消費するとともに【ジツ】+【ニューロン】で「難易度: Normal」のジツ発動判定に成功することで射撃の代わりに発動可能。使用した場合、術者の口内などには毒液が溜まり、射程5マスの射撃として毒液を敵1体に吹きかけることができる。【回避】難易度は「難易度: Hard」であり、命中した場合「毒ダメージ1d3」を対象は受ける。
　ただし、ジツ発動判定に成功した場合、攻撃の命中に関わらず使用者は「毒ダメージ1」を受けてしまう。
　ジツ値2であれば、「フェイント攻撃」のように相手は回避ダイスを1つ減らした上で【回避】を行わなければならなくなる。さらに、命中した際のダメージは「毒ダメージ1d3+1」となる。
　ジツ値3であれば、射程が10マスとなることに加えて、カトンLv1と同じ範囲に対して毒液を吹き付けることを選ぶことが可能となる。この場合、中心にいるキャラクター以外に与える「毒ダメージ」は1点となる。また、味方を巻き込む。

★ベノム・マスタリー1

　このニンジャは肉体をより激しく変容させ、さらに強力な毒物を射撃することが可能となった。「☆ベノム・スピット・ジツ」は「毒ダメージ2d3」を与え、範囲攻撃を選択した場合、周囲のキャラクターにも「毒ダメージ2」を与えるようになる。

★ベノム・マスタリー2(前提：ベノム・マスタリー1)

　このニンジャの毒液によるアンブッシュはもはや芸術の域に達しており、避けることそれそのものが隙となる。「☆ベノム・スピット・ジツ」による攻撃は回避ダイスを2個減らした上で【回避】を行わなければならない。

★★ポイズンブレス・ジツ(前提: ベノム・マスタリー2)

　このニンジャはベノム・スピット・ジツを極め、致死的な毒の吐息を吐き出すヒサツ・ワザにまで昇華した。このニンジャの「☆ベノム・スピット・ジツ」の効果は「毒ダメージ1d3+1」を時間差で2回与えるものとなる(また、範囲攻撃を選んだ場合毒ダメージ1を周囲に2回与える)。各毒液攻撃の度に「★ベノム・マスタリー2」による回避ダイス2個の減少も起こる。

★ベノム・カラテ

　このニンジャは触れたものを毒に冒す恐るべきワザを身に付けた。手番開始時に【精神力】を１消費し、「難易度：NORMAL」で判定する（『バイオサイバネ』に対して使用する場合は【精神力】2消費）。使用者が『素手』および『バイオサイバネ』で繰り出したダメージ全てに「毒ダメージ1」が追加され、さらに『近接攻撃』時のダイスが+1個される。この効果は、術者がこのマップにいる間だけ持続するが、装備スロット切替を行った場合は直ちに終了する。他のエンハンスメントとの同時使用はできない。

★ドク・ウェポン

　このニンジャは自身の武器に毒液を塗り込め、攻撃した相手を毒で冒す。手番開始時に【精神力】を1消費し、「難易度：NORMAL」で判定することで自動的に発動する。使用者の左スロットに装備されている『近接武器（二刀流含む）』または『大型武器』は、追加で「毒ダメージ1」を与えるようになる（『特殊近接武器』には使用できない）。この効果は、術者がこのマップにいる間だけ持続するが、装備スロット切替を行った場合は直ちに終了する。他のエンハンスメントとの同時使用はできない。

★毒物無効

★ドク・スリケン

★モウドク・ダート

★チドク・ジツ

　以上の4種のジツはカナシバリ・ジツの同名★/★★スキルと同一の効果を持つ。ドク・ニンジャクランはチドク・ジツを★で習得可能である。

★★麻痺毒分泌

　このニンジャが持つ毒液は命ある者を石のように硬直させて殺す麻痺毒だ。このニンジャが「毒ダメージ」を相手に与えた時、攻撃の終了後に、与えた「毒ダメージ」の1/2(端数切り上げ)点の「回避ダイスダメージ」を追加で相手に与える。ただし、「●連射X」や「●連続攻撃N」を持っているキャラクターが「毒ダメージ1」を3回与えたとしても、減らす回避ダイスは1つである(1ターンの合計値ではなく、そのターンに与えた毒ダメージの最大値を参照する)。
　また、その攻撃が「サツバツ！」が出るものである場合、通常の「サツバツ！」効果の代わりに「麻痺毒注入」を宣言しても良い。その場合、その攻撃が命中した敵は「カナシバリ状態」と同一の効果を受ける。

★★ベノムサメ・ジツ

　広範囲に降り注ぐ猛毒の雨や拡散する強酸性の霧などを作りだし、敵味方かまわず汚染する恐るべき殺戮のジツ。【精神力】2を消費し、ジツ発動判定に成功することで、自分を中心とした「11x11」マスの範囲内すべてのキャラクター(使用者も含む)に回避不能の「毒ダメージ3」を与える。

★★連鎖感染

　毒殺した者の死体にすら残る致命毒によって、死体に触れた者を連鎖的に殺す恐るべきジツ。使用者が「毒ダメージ」を含む攻撃で敵を殺す度、連続攻撃などが全て終了した後に【精神力】1を消費すると共に、通常のジツ発動判定を行っても良い。
　そうした場合、その周囲8マスに存在する使用者を除くキャラクター全ては【回避】難易度が「難易度: Normal」である「毒ダメージ2」を受ける。これによってキャラクターが死亡した場合、死亡したキャラクターの周囲8マスの使用者を除くキャラクターは【回避】難易度が「難易度: Normal」である「毒ダメージ2」を受ける。これによってキャラクターが死亡した場合、死亡したキャラクターの周囲8マスの使用者を除くキャラクターは【回避】難易度が「難易度: Normal」である「毒ダメージ2」を受ける(要するに、キャラクターが死亡する度にその周囲8マスに最大3回まで『回避難易度: Normal』の『毒ダメージ』が連鎖する)。

★★★ハカバ・ハンド

　このニンジャは触れた者に恐るべき病毒を感染させることや、あるいはあらゆる物を溶解させる超自然の毒をカラテに乗せることが可能となった。このニンジャが「素手」による攻撃を行う場合、基礎ダメージに「毒ダメージ2」が追加される(カウンターカラテ含む)。このダメージ増加はほかのいかなるサイバネやジツ、スキルとも重複しない(例えば『●●鉄拳』を持っているキャラクターでも、素手のダメージ2+毒ダメージ2で4点ダメージを出すことはできない)。
　また、液体などに手を漬けることで、それを毒で汚染し、液体に触れた生物に「毒ダメージ1」を与えることが出来る。

サンプルニンジャ

サーペンタイン(種別: ニンジャ)
　カラテ: 7	体力: 8
　ニューロン: 9	精神力: 9
　ワザマエ: 7	脚力: 4
　ジツ: 5	万札: 15
◇装備と特記事項
　中華風ニンジャスーツ(タクティカルニンジャスーツ)
◇ジツとスキル
　☆ベノム・スピット・ジツLv3、★モウドク・ダート、★チドク・ジツ
　●連続攻撃2、●連射2、◉翻弄、◉特殊近接ステップ、『◉タツジン/ヘビ・ケン』
『◉タツジン/ヘビ・ケン』: 毒蛇を思わせる極めてリーチが長く変幻自在の攻撃を行うカンフー・カラテ。
素手装備時のみ使用可能。このスキルを持つキャラクターは「攻撃集中」時に「リーチ+1」を得る。
更に、「攻撃集中」時に出目6を1個以上含んで成功した「近接攻撃」が相手に命中した場合、その相手は追加で「回避ダイスダメージ1」を受ける。

　解説: サーペンタインはアマクダリ・セクトのニンジャ組織「スネイクピット」に所属する油断ならぬニンジャであり、カンフー・カラテの一派であるヘビ・ケンの達人である。彼は冷酷で知略に優れており、組織の交渉役かつ参謀として振る舞っているが、残忍さにおいてはスネイクピットの三幹部のいずれに勝るとも劣らない。
　サーペンタインをシナリオで使用する場合、彼はアマクダリ側の企みを成功させるため、ジアゲやヤクザ事務所の襲撃、敵対ニンジャの暗殺などを自身の手駒に行わせる。彼は最初は表舞台に立たず、下級ニンジャを送り込んでくるが、敵が思ったより厄介であると悟れば義兄弟であるディスポイラー・ホワイトパイソンと共に敵対者を抹殺しようと動き始めるだろう。
　そのようなシナリオは小規模なキャンペイグンを行うのに向いているはずだ。

ナックラヴィー(種別: ニンジャ、ゾンビー)
　カラテ: 13	体力: 48
　ニューロン: 9	精神力: 22
　ワザマエ: 7	脚力: 5
　ジツ: 8	万札: 50
◇装備と特記事項
生成パーソナルメンポ、ギリシア哲人めいた長布(生成伝統的ニンジャ装束)
◇スキル
●連続攻撃3、●連射2、◉タツジン/ジュージュツ、『ゾンビーニンジャ』
☆ベノムスピット・ジツ、★ドク・スリケン、★ベノム・マスタリー1、★ベノム・マスタリー2、★★連鎖感染、
★★★ハカバ・ハンド、★★★半神的存在、★★★共振装束生成、★★★アーチ級ニンジャ第六感

解説: ナックラヴィーはイモータル・ニンジャ・ワークショップの作り上げた傑作ゾンビーニンジャであり、アーチ級ニンジャであるビョウキ・ニンジャの憑依者である。
　ナックラヴィーはゾンビーニンジャでありながら高い知性を保ち続けており、そのカラテは力任せの知性なきアンデッドとは一線を画している。加えて、その手に触れた者は病毒によって冒され、たちまち死に至る。
　原作ではニンジャスレイヤーすらも死の手前まで追いつめてみせた恐るべきニンジャであり、成長限界に達したPCすらまともに戦えば苦戦は必至だろう。
　シナリオでナックラヴィーを扱う場合は、原作のようにケンワ・タイのような病気をどうにかし、相手を弱体化させる手段を用意しておくか、あるいはPC側に病毒への耐性を持たせる必要があるだろう。あるいは、戦ってはならぬ相手としてナックラヴィーを出すのもいいかもしれない。ナックラヴィーは余り強力な遠隔攻撃手段を持たないため、壁越え直後程度のPCであっても逃走そのものはけして不可能ではないだろう。

・最後に

　このプラグインは非営利かつ悪意のない使い方であるなら、好きなように転載/改変をしてもらって良い。ただし、その場合はこの記事へのリンクを示してもらえれば嬉しい(万が一公式のプラグインと混同するようなことがあっては困るので、それを防ぐためだ)。

　この記事を書く上で、古矢沢さん・ふるあかりさん・避雷針さん・クランディスティンさん・カツカツさん・ほのぽっぽさんなど、複数名の方から助言を頂いた。これらの方からの助言がなければ、プラグインを作ることはできなかったように思う。皆さん、ありがとうございました。

・更新履歴

20/01/17 作成
20/02/01 「チドク・ジツ」を★★から★へとコスト減少