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TRPGのどんでん返しの書き方

「TRPGでどんでん返しは使うな」

そんな言説が一部のSNSで流行った。ぶっちゃけて言うとTwitterである。その理由に容易に思い至ったので、ここに書いていこうと思う。

ちなみにこれらはCoC(Call of Cthulhu)での話であるものの、創作全てに言えることだ。

そもそもTRPGでどんでん返しを使うのは難しい

どんでん返しにはいろいろな方法があるが、TRPGのようにプレイヤーという物語上の異分子がいる状態でどんでん返しを作るのは、実はかなり面倒で、失敗しやすい方法なのだ。一つ言いすぎてしまってミスったり、とかではなく「シナリオの書き方をミスっている」という事が多い。

「嘘をつき、煙に巻き、重要な情報を渋る」ことがどんでん返しの方法ではない。

「真実の側面をプレイヤーに教える」ことこそが大事なのだ。

真実の側面とは、別の角度からは真実に思えないものであったり、ただ単に事実の羅列だったりする。いわゆるコレだ。

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この画像はよくメディアのやり口として引き合いに出される有名な風刺画だが、よく観察するとカメラには「嘘」は写っていないのである。

一つの事件の側面を切り取って、全く別の事件であるかのように見せる。それこそがどんでん返しの基本的なやり方だ。

そもそもどんでん返しってなんだよ

なにか事実がひっくり返ればどんでん返しかと言われれば、厳密には違う。
どんでん返しとは「正反対の立場のものが入れ替わってしまう」ようなものだ。ハリーポッターのダンブルドア校長やセブルス・スネイプなどは、知っている人物が多いのでは?

ダンブルドア校長は「善」であったが実際は「悪」に近い人物だったし、セブルス・スネイプはその逆であった。
ひっくり返る、それがどんでん返しだ。

TRPG向けのどんでん返し1例

どんでん返しには実はそんなにパターンは存在しない。
今回は、ハッピーエンドにするどんでん返しに一番手っ取り早いものを紹介する。

「自分の過ちだと思っていたら、全く別の人物の手によるものだった」

というものである。
これははぐれ刑事純情派とかでしょっちゅう見るもので
「容疑者は『自分が殺した』思いこんでいたが、実際は別の人物の手で殺されていた」というものだ。

ここで大事なのは「容疑者は自分が殺したと思い込み、ひた隠しにしている」のだが、捜査を進めていくと不都合な真実が出てくる。自供しているのに微妙に辻褄が合わなかったり、不可解なズレが生じている。

そして主人公が謎を解き明かし、容疑者は犯人ではなかった、と明らかになる。大概の人がほっと胸を撫で下ろす、優しい物語になるわけだ。

ハッピーエンドにうってつけでしょう?

こういうどんでん返しならTRPGでも嫌う人は少ないはず。

CoCだって誰かを不幸にするためにプレイヤーは行動しないはずなのだ

それを抑えておけば、どんでん返しの失敗はグッと減るはずだ。


Call of Cthulhu(CoCシナリオ本)Boothにて販売

月刊マー 鬼熊表紙

https://trpg-gekkan-mah.booth.pm/items/2225584

このシナリオは上記の例とは違い、敵の正体を探り、裏切られ、陰惨な運命を迎える、CoCらしい胸糞悪い展開を目指したもの。

ハッピーエンドに飽き飽きして、もっとエグくて陰惨な、CoCらしいものになっている。

といっても全体的に暗い、というわけではない。
ひょうきんで胡散臭い表紙の女性に釣れられて、寒村で観光するという内容だ。詳細は商品ページで読んでほしい。

エンディングは3種類用意されているが、テストプレイではバッドエンドが一番評価が高かった。「探索者死ぬけど、これで死んでも悔いはない」と評判。

ご興味があればぜひプレイしてみてほしい。

それとこのシナリオは動画使用や3時創作や改変(二次配布は不可)自由なので、動画製作者の方にもおすすめしたい。主要キャラクターの立ち絵もついてくるので楽ちんだぞ!

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