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きっかけは、いつも映画が与えてくれた。

「名作」という言葉をきいて、どんな作品を思い浮かべるだろうか。 

名作の意味を調べると、「優れた作品。名高い作品」とある。

では、"優れた作品"とはどのような作品なのだろうか。 

定義は人によって変わるだろうし、”優れている”と感じるポイントも人それぞれだろう。 

ミーハーな僕は具体的に何が優れているのかを言語化して説明することが難しい。 

特に洋画は監督の名前も俳優さんの名前も覚えることがあまりできない。

どちらかと言えば、「あ、なんかいいな」「面白かったな」と直感で感じることの方が多い。 

そんな僕にとっての「名作」の定義は、人生の転機となった作品のことだと思っている。

なぜそう思うかというと、きっかけはいつも映画が与えてくれたからだ。 

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初めて映画を面白いと思った作品は、『ただ、君を愛してる』だった。  


中学生の時、(今もだけど)女優の宮崎あおいさんが大好きでこの作品に出会った。

夏休みにTSUTAYAで借りたこの作品を見て、「想いは言わなければ伝わらない」ということを学んだ。

宮崎あおいさん演じる静流はいつでも、ストレートに想いを伝え続けていて、その目に吸い込まれそうになるほどだった。

(訳: かわいい。綺麗。要するに大好き。)

静流が開いた個展に飾られた写真があまりにも綺麗で、なぜか涙が出たのを覚えている。 

この作品がきっかけで、当時好きだった同級生に告白した。

 結果としては振られてしまったが、彼女は今、僕の親友となっている。 

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「教育」という分野に強く興味を惹かれたきっかけになった作品は、『コーラス』だ。

高校生の頃に習い始めたドイツ語の授業で、なぜかフランス映画を鑑賞するという不思議な授業だったが、

今となってはこの作品が大きく自分の人生を変えてくれた。

漠然と「先生になりたい」という夢を持っていた高校1年生の時、失礼ながら担当の先生はドイツ語の 教え方が正直上手くなかった。


文法を教えてくれるわけでもなく、正しい発音を教えてくれるわけでもなく、教科書を音読するような授業。

ほとんど授業の内容は覚えていない。


ただ、授業の最後に必ず15分間、「映画鑑賞」の時間を取ってくれる先生だった。

僕はその時間が好きだった。


作中で、音楽の授業を通じて生徒と関わっていき、才能を見抜き、時に厳しく人として関わり続けて信頼を得ていく先生の存在に憧れを抱き、

「こんな人になれたらいいな」と思った。

結局先生にはならなかったが、学生さんのいいところを探す仕事は、今思えば向いているのかもしれない。

この映画を見て、フランス語に興味が出なかったのが今でも不思議。 なぜドイツ語やったんだ。

それはさておき、後に、就職活動で、一般企業に進むか、教育業界に進むか悩んだ時に『くちびるに歌を』をたまたま鑑賞した。

これがきっかけで教育の道を歩むきっかけとなる。 

これもまた、偶然音楽の先生の話なのが不思議な縁を感じる。 


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「映画」を通じて文化を学ぶ面白さに気づかせてくれたきっかけになった作品が、『善き人のためのソナタ』だ。

この作品で映画のストーリーはもちろんだが、「画面の背景に移る景色やセットで歴史や文化の移り変わりを伝えられる」という視点を学んだ。

恥ずかしながら、そういう細やかなところも気づかず、ストーリーだけを見て「へえ」とか「そうなんだ」 とか感じ取っていた僕からすれば、

この視点がとても面白かった。

大学で「文化政策」を専攻しようと心に決めたきっかけとなり、様々な映画を鑑賞するきっかけにもなった。

「映画」というものをよく見始めたことで、洋画好きの友人から色々と教えてもらうようになった。

彼はMarvel作品が大好きで魅力をあれこれと解説してくれたし、俳優さんや監督さんの名前をよく知っていた。

残念ながら僕はMarvelにはハマらなかったが、映画を通じて親友が出来た。

「豊かな人生を送る」とはどういうことかを考えるきっかけになった作品が、『マイ・インターン』と『最強のふたり』だ。



大学3年生~4年生にかけて「ワークライフバランス」という言葉がやけに流行ってきて、

やれディスカッションやらレポートやらを書いた記憶がある。


そのことも関連して、就職活動の準備をしながら「自分は将来どんな仕事に就いて、どんな生活を送 るんだろう」とよく考えるようになった。

当時は仕事に行く時間の方が長いから、必然的にプライベートはなくなるんだろうなあ、

なんて勝手にイメージして仕事をすることにネガティブな印象を持っていた。

それがマイ・インターンでのジュールズとベンの関係性や、最強のふたりでのフィリップとドリスの関係性を見て、

「仕事も一生懸命に頑張りつつ、余暇の時間と友人を大切にすることで人生を豊かにしたい」と思うようになった。

人生100年時代と叫ばれている中で、学生の時にこのテーマについて考えられたことは、かなり大きかったと思う。

余暇の時間を充実させることは少しずつ出来ているし、

こうやって発信活動をすることで、この2作品で描かれているような

『これまで全く違う世界で生きてきたのに、ふとしたきっかけで出会って意気投合』

みたいな同級生の友達もnoteを通じて出来た。

(勝手にこっちが思っているだけだったらどうしよう (笑))

これからも、歳上とか歳下とか関係なく、なんでもふらっと話せて、思いっきり楽しめる友人ができるだろうか。

 これまで自分が見てきた世界と全く違う世界で生きてきた人と仲良くなりたい。 

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 「家族」について考えるきっかけをくれた作品が『かそけきサンカヨウ』だ。

思春期の陽が家族を通じて葛藤し、大人になっていくプロセスと、陽の家族が少しずつまとまってい く様子を見て、

自分がどんな家族でありたいかを考えるきっかけとなった。 

とくに思春期の多感な時期は、親との距離感が難しい。

僕自身は一人っ子であることに加え、両親同士の関係も冷え切っていたので、両者に対して気を使って生きてきた。

そのことがストレスにもなっていたし、いつも仲の良い、温かい雰囲気の他の家族がうらやましく思えた。 

実家が嫌いで足が遠のいていたが、それでも家族であることは変わらない。

この映画を見てから少しずつ帰る回数を増やしてみたり、ばあちゃんに会いに行ったりするきっかけ にもなった。

もし、自分に家族ができたらどうするのか、井浦新さん演じる父親ののように、誠実に、丁寧に、1つ 1つと向き合えるだろうか。

そんなことも考えるようになった。 

ちなみのこの映画の映像がなんか大好きだ。

画質っていうのか、なんというのか…

言葉にするのが難しいけど…

そして陽を演じる志田彩良さん。

陽の感情が複雑に絡まり合って進んでいく作品なのに、表情を通して感情が伝わってくる感じがしてとにかく素敵。

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こうして振り返ると、僕は「映画」に背中を押してもらって、転機を迎えることが出来ている。

忙しい日々を過ごしていると、ついつい家と職場の往復となって、ただ寝て起きることの繰り返しに なってしまいがちだ。


だから時にはコーヒーとお菓子を用意して、ゆっくりと映画を楽しむ時間を作ろうと思えた。


映画、小説、漫画、音楽、絵画、、、等々、色んな人が、色んな「名作」と出会っているに違いない。

あなたにとって「名作」とはどのようなものだろうか? 

また、その作品はどんなものだろうか? 

気が向いたら、ぜひ教えてもらって鑑賞をしてみたい。

おしまい

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