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知財関係の法律(特許法以外)

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#民法

【民法】危険負担は債務者主義に統一

【民法】危険負担は債務者主義に統一

民法に、危険負担というのがあります(民536条)。

売主側が不責事由によって契約を実行できなくなったとき、買主側がお金を払う必要があるのか、という話です。払う必要はない、となっています(民536条1項)。

実務では、委託契約等に関係。

払う必要はないということは、債務者がリスクを負う、つまり危険を負担する、ということになります。債務者主義(債務者負担)。

例えば、セミナー公演を頼んだが、講

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【民法】請負、委任、準委任

【民法】請負、委任、準委任

外部に業務委託をするケースについて、民法で
請負、委任、準委任
として区別されています。

民法の条文は、請負(民632〜642)、委任(民643〜655)、準委任(民656で民643〜655準用)です。

うち、委任は法律行為を扱うものなので、作業に近い委託は請負か、準委任になりそうです。

大きな違いとしては、
・請負は、仕事の完成責任を負う
・委任・準委任は、仕事の完成責任を負わない

請負

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【民法】民709条 不法行為に対する損害賠償 ~「ナマクラ振り回すのは不法行為」

【民法】民709条 不法行為に対する損害賠償 ~「ナマクラ振り回すのは不法行為」

 今回は、番外編になります。民法のうち、特許法と関係の深いと思う条文を取り上げたいと思います。特許権侵害を主張しての損害賠償請求は、民法に従うこととなっており、その条文がこちらになっています。

■語呂合わせ

民法第709条 不法行為に対する損害賠償

ナマクラ振り回すのは不法行為

(解説)
ナマクラ刀=切れ味の鈍い刀ですが、これは危ないですね。捕まります。
なお、消滅時効については民724で

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【民法】民703条 不当利得返還請求権 〜「生サンタ捕まえて不当利得ゲット」

【民法】民703条 不当利得返還請求権 〜「生サンタ捕まえて不当利得ゲット」

 久しぶりの番外編です。侵害訴訟で民709条に次いで、関係深いと思われる条項です。

■語呂合わせ

民法第703条 不当利得返還請求権

 生サンタ捕まえて不当利得ゲット

(解説)
 生サンタさんを捕まえて、プレゼントを奪ってはいけません。クリスマスに届けに来てくれるのを待ちましょう。

 ここで、のび太くんの名言を思い出しました。サンタをやってみる、のび太くん。
「なんでサンタクロースってい

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【民法】侵害関係等の民法まとめ

【民法】侵害関係等の民法まとめ

 今回は、知財と関係が深いと思われる、侵害関係等の民法をまとめてみたいと思います。

■全体感

 関係が深いと思うのは、以下の3つです。

       条項    消滅時効
①不法行為  民709   民724、3年/20年
②不当利得  民703,704 民166、5年/10年
③債務不履行 民415   民166、5年/10年

 時効がそれそれ2つあるのは、
①は損害と加害者を知ってから

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【民法】民415条 債務不履行 〜「良い子は踏み倒さない、債務不履行」

【民法】民415条 債務不履行 〜「良い子は踏み倒さない、債務不履行」

 今回は、特許法に関係の深い民法について
取り上げて見たいと思います。

■語呂合わせ

民法第415条 債務不履行

 良い子は踏み倒さない、債務不履行

(解説)
 良い子は踏み倒しません(笑) なぜか、「貸したカネ返せよ♪」が頭に流れてきます。

■内容 

 契約関係で出てくると思われます。ライセンス料を支払ってもらえない…みたいな話ですね。民709(不法行為)、民703/704(不当利得

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