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歯科における定期検診の意義=健康な歯を維持するために=

 歯がどこも痛くないのに、歯科医院に行くなんて・・・とお考えのあなた。本当にあなたの口腔は全部健康ですか?歯石はたまっていませんか?歯肉からの出血や口臭はありませんか?咬み合わせは正常ですか?顎関節のずれはありませんか?

 検診はむし歯の有無をチェックするだけでなく、口腔機能のいろいろな検査を行います。例えば、歯周病(歯槽膿漏)の検査のために、歯と歯をとりまく歯肉の間にできる溝(歯肉溝、歯周ポケット)に専用の器具を入れて①ポケットの深さや歯石の状態をみる。②炎症(出血)の存在を確認する。また、レントゲンや模型を採って③歯の根の状態や顎骨の病気の有無をみる。④歯列不正や上下の咬み合わせの不調和に原因する顎関節のずれを検査する。最近は検査機器も進化し、口腔癌の検査もします。以上の他にも必要に応じていろいろな検査をします。

 もし異常が何も見つからなかったときには今の健康を維持するために必要な口腔管理の仕方を専門的な立場から教えてくれるはずです。口腔の中は常に少しずつ変化するものですから、半年に一度は歯科の定期検診を受けたいものです(米国では年2回が常識)。正しい歯の磨き方や、歯間ブラシ、デンタルフロスの使い方の指導を受けるためだけでも価値があります。

 今から60年以上前に咬合と全身との関係が解明され、以来咬合の大切さが重視されるようになりました。一見どこも悪くないような咬合に見えても、よく診査すると咬み合わせのずれが意外に多く存在するものです。このような状態を長く放置すると顎関節のずれにつながり、いずれは全身にいろいろな、悪影響をもたらすことがあります。歯科医院は歯が痛くなる前に定期的に行くところであると考えてください。

 歯科は新型コロナウイルスの流行以前から感染対策への意識が高い医療分野と言えます。院内感染予防対策としてユニバーサルプリコーションからスタンダードプリコーションに推移し、日本歯科医師会が総力をあげて取り組んでおり、安心して受診してください。

 

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