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なくしたクリスタル

大事な大事な石をなくした。わざわざ友人に頼んで譲ってもらった水晶石だ。
届いたその日から、たいそうオレは気に入って、いつでもどこでも持ち歩き、いろんな背景で写真を撮った。
どんな景色にも合うキレイな容姿をしていた。
どんなコーデでも着こなしてくれるモデルのような彼女なのだ。

  

ご覧の通りの美しさの彼女の姿が見えない。

あまりに好きすぎて、いろんな所で出してながめてるから、どこで無くしたのか候補が多すぎてわからないのだ。
ざっくりと探したが、あまりにガッツリ探してモシなければ〈紛失決定〉だから、そうも出来ない。

そこで友人が勧める方法で見つける事にした。
いわく
〈見つかった時のシチュエーションを想像して「見つかって良かったー」と感じる。そして…うんにゃら。〉

どうせ見つかるなら、なんだか〈チャーミングな見つかり方〉がいいと思った。

さて、クリスタルは無事見つかってくれるのか

オレの〈持ってる度合い〉が試されている。


…そして半年後のつい最近、一度しか着ていないレインウェアのポケットから、そのクリスタルが見つかった。

すっかり忘れていたのだが、確かに戻ってきてくれた。
雨で面倒がらずに外出を決めた瞬間に見つかった。
どうやらカギは[行動]にあるらしい。
面倒にワクワクが押し勝った瞬間でもあった。

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