見出し画像

『Wordle』初手 "xxxST" の考察

 当記事は、ゲーム『Wordle』に関する記事です。
 『Wordle』は下記リンク先から遊ぶことができるブラウザゲームです。

 当記事で扱うデータはすべて「2022/01/07 #202 から 2022/05/15 #330 までに出題されたお題」を対象に集計したものです。

1. 前提

1.1. "S" の重要性

 先日公開した「"S" を軸に解く『Wordle』」という記事で、『Wordle』における "S" の重要性を書きました。
 その記事の結論は、以下の通りです。

 "S" を軸に『Wordle』を解く場合、初手は "SHxxx" "SxxxT" が理想で、 "xHxSx" "xxxST" も考えられます。
 また、 "STxxx" "xTxSx" "TxxSx" も他の作戦との併用の仕方次第では採用できるでしょう。

"S" を軸に解く『Wordle』 | note
https://note.com/tog15_duvet/n/n6ea0635ba9ad

1.2. 何故 4文字目 "S" か

 先日公開した「『Wordle』位置ごとの文字出題率」という記事で、 "S" を何文字目で確認すべきかについて間接的に触れています。
 この記事の結論は以下です。

 子音に関しては、1文字目 で確認したい文字は "S" "C" "F" "P" "M" "W" "B" で、 5文字目 で確認したい文字は "T" "Y" "R" "K" "D" です。
 しかし、いずれも確認したい文字が多いため、すべてをそれらの位置でしていたら、おそらく 平均5手クリアくらい になってしまいます。
 そのため、 1文字目・5文字目 で確認したい文字の一部を、役割の少ない 4文字目 や、母音確認後の 3文字目 で行うことが現実的だと思います。

『Wordle』位置ごとの文字出題率 | note
https://note.com/tog15_duvet/n/na560a1f2e678

 本来は "S" は 1文字目 で確認したい文字のうちの 1つ です。
 しかし、1文字目 で確認したい文字が多いため、 4文字目 で確認しても良い……ということです。

1.3. 前提まとめ

 以上より、 "S" の確認の仕方は、基本的には以下の 2択 がオススメです。

  • 初手に 1文字目 で確認する

    • "SHxxx" "SxxxT" "STxxx" "TxxSx" 等

    • "S" から得られるリターンだけを考えれば、これが最善

  • 初手に 4文字目 で確認する

    • "xHxSx" "xxxST" "xTxSx" 等

    • "C" "F" "P" "M" "W" "B" を 1文字目 で確認するために譲る

 当記事では、この中の "xxxST" を考察していきます。
 さらに、以下の理由から 2~3文字目 が母音であるものに限定して考えます。

 母音は 2~3文字目 で登場することが多く、 "O" は 2文字目 で、 "I" "U" は 3文字目 で確認するのが理想的です。
 "A" はどちらでも良く、 "E" だけは 5文字目 で確認した方が良いです。

『Wordle』位置ごとの文字出題率
https://note.com/tog15_duvet/n/na560a1f2e678

2. 考察

2.1. "xxxST" の一覧

 下表は "xxxST" の単語の一覧です。

"xxxST" 単語一覧

 「x緑」の列は、初手で 🟩 が出る個数の期待値です。
 「x黄」の列は、初手で 🟨 が出る個数の期待値です。
 例えば "COAST" なら、 🟩 が 平均0.66個、 🟨 は 平均1.05個 出ます。

 「ポイント」は以下の関数で計算した数値です。
 🟩 の価値を 🟨 の価値の何倍と捉えているかは人それぞれだと思いますが、今回は「x黄」を 5 で割って「x緑」に加算しています。

=[@x緑]+[@x黄]/5

 「対応」に「×」がついている単語は、記事更新時点で確認した限り『Wordle』で入力できません。
 また、"BOOST" のような文字の重複を含む単語は載っていません。
 それから、『Wordle』の内部情報の閲覧をせずに遊んでいるため、私が把握していない単語も載せていません。

2.2. 頭文字の選別

 そもそも "S" を 4文字目 で確認する理由は「"C" "F" "P" "M" "W" "B" を 1文字目 で確認するため」でした。
 そのため、 "ROAST" や "HOAST" の「ポイント」が高くても、それらの単語では本来の目的を叶えられません。(当記事の意図には合致しませんが、 "ROAST" は採用する価値のある初手だと思ってます。)

 以上の点を踏まえて、頭文字が "C" "F" "P" "M" "W" "B" のものを強調したものが下表です。

"xxxST" 単語一覧 頭文字注目版

 「対応」を考えると、 "FAUST" は使えません。
 それから、「ポイント」を考えると "BUIST" も採用に値しないでしょう。

2.3. 頭文字の詳細

 下表は位置ごとの文字別出題率をまとめた表です。
 1文字目 で確認することが最適な文字に、横縞を入れています。

文字別出題率テーブル 1文字目出題数順

 "S" "C" "M" は 4文字目 の出題率も比較的高く、 4文字目 で確認しても良い文字であることが分かります。
 また、 "W" "B" は全体の出題率が低いため、初手で確認する必要のない文字だと言えそうです。

 それから、 "P" は 3文字目 の出題率も高めで、 3文字目 で確認しても良いと捉えられます。
 しかし、 3文字目 は母音の確認を優先した方がいいため、もし "P" を序盤で確認したい場合は、 1文字目 で行った方がいいでしょう。

 最後に、 "F" は 1文字目 での確認に拘りたい単語だと考えられますが、全体の出題率はそこまで高くはないです。

2.4. まとめ

 以上より、 "xxxST" の候補は以下の通りです。

  • 頭文字 "C"

    • "COAST"

      • リターンの期待値は一番高い

      • "C" が 4文字目 で確認しても良い点はマイナス

  • 頭文字 "F"

    • "FOIST"

      • ”COAST" に次いで期待値の高い単語の一つ

      • "F" は絶対に 1文字目 で確認したい

    • "FEAST"

      • "F" は絶対に 1文字目 で確認したい

      • "E" は 5文字目 で確認したいから微妙

  • 頭文字 "P"

    • 該当する単語はないが、母音を減らせば "PROST" 等がある

  • 頭文字 "M"

    • "MOIST"

      • ”COAST" に次いで期待値の高い単語の一つ

      • "M" が 4文字目 で確認しても良い点はマイナス

    • "MAIST"

      • "M" が 4文字目 で確認しても良い点はマイナス

  • 頭文字 "W"

    • "WAIST"

      • "W" の全体出題率が低い点はマイナス

  • 頭文字 "B"

    • "BOAST"

      • ”COAST" に次いで期待値の高い単語の一つ

      • "B" の全体出題率が低い点はマイナス

    • "BEAST"

      • "B" の全体出題率が低い点はマイナス

      • "E" は 5文字目 で確認したいから微妙

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?