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時短営業が解けたら従業員は辞めちゃうかも!?

 
 時短営業で大きく売り上げが下がっているお店は、時短が解けた際にお客さんが戻ってくるかということが心配のタネだと、先日の記事で書いた。

 この記事では一旦酒場から足が遠のいた呑み客が、それに慣れてしまって遠のいたままになる怖れを書いた。客が戻るのかどうかというのは、飲み屋の店主すべてが心配することだろうが、それとは別にもう一つ、「従業員が以前と同じ働きをしてくれるか?」ということも飲み屋の店主に降りかかる心配となるかもしれない。
 
 これまで従業員は、昼、あるいは夕方の仕込みから深夜まで働いていた。これは世の中の飲み屋すべてがそうだったので、特段疑問を持たなかっただろう。自ら選んで水商売に勤めたのであれば、夜中まで働かせやがって、と腹を立てる人もいなかったはずだ。
 
 しかしこの時短営業で、上りが早まってしまった。片づけの時間を入れても、まぁ21時には上がれるだろう。そこから自由時間。今までより数時間、好きなように時間を使える。また身体もラクだ。雇用調整助成金を利用する店主の店なら、給料も減らされていないだろう。
 
 単純に言えば、給料が変わらずに仕事がラクになったということだ。ぼくの以前の顧客だった店の従業員は(そこは、その従業員に任せっきりで店主は店に来ない)、「営業時間が元に戻ったら体がもつか分からない。辞めちゃうかも」とマスクによってちょっと聞き取りづらい小声で言っていた。その従業員さんはとてもまじめで、キチンと店を取り仕切っていたのだ。また、店もそれに見合った待遇をしていた。言葉は悪いが、この時短営業で、サボり癖が引っ張り出されてしまった感じだ。
 
 たとえば、部屋を充分暖めてから風呂に入っても、出ると寒く感じることはよくあることだ。部屋をとても暖めて30度に設定しても寒い。風呂場の方が断然温かいから、その対比で寒く感じてしまうのだ。上記の従業員の言葉は、これのようなものだ。
 
 これまで待遇のよかった勤め先(30度の部屋)でも、それまで考えられなかったラクな待遇(風呂場)を味わってしまったあとでは、とてもつらく(寒く)感じる。
 
 もっとも、みんながみんな、時短時の生活にどっぷり浸かるわけではない。時短が解ければ世の中全体が戻るわけなので、ラクな場所を求めたって見つかるはずがない。だから多くの従業員は元どおりになるはずだ。
 
 しかし、不満は生じやすくなるだろう。そのちょっとした変化は、微妙に影響するかもしれない。
 
 こうした軋轢を緩和させる一つの方法としては、段階的に時短を解いていくのがある程度有効だと思う。夏休みや冬休みがあけてすぐ6時間授業では、キツいというものだ。徐々に身体を慣れさせる必要がある。
 
 もちろんその間も、店への時短保障は続けてもらうことが肝心だ。

駄文ですが、奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。