ブラック・ファラオ VS リトル・ブラック・サンボ

横倒しになった軽トラが水平に飛ぶ！

ナイスサンドイッチ！

暴徒が壁と軽トラに挟まれ圧搾死！

先程迄の渋谷ピープルの浮かれ具合が水を打った様に静まり返る。

視線の先には不夜城の灯りの下でも尚黒き闇…黒い無貌のスフィンクスの化粧廻しの黒人力士！

相撲通の絶叫が響く！

「“黒きファラオ”…！九龍坊(くろんぼ)だ！」

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弥助は信長気に入りの力士である。

土俵を這う様な低姿勢からのかち上げは“這い寄る黒”と呼ばれた。

本能寺の変の後、弥助は捕縛されたが“スキル：真名看破”により知り過ぎた光秀は発狂、山崎の合戦に敗れた。

その後、浣熊めいて野生化した弥助はその個体数を増やしていった…緩かに。

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時同じくして品川、新宿、池袋、日暮里、上野、秋葉原、東京、新橋にもまるでクローンめいた九龍坊が現れ、山手線を外回りに摺り足し始めた。

このままでは山手線内側全てがバターとなってしまう！

この危機を救えるのか！

歴代最小横綱・三宝(さんぼ)！

【次回「虎殺し／母のパンケーキ」へ、続く】