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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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#海外生活

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

先週行われたJICA関西主催の協力隊トークライブでぼくが話したことを例によって、noteで文字起こし的に置いておきます。(思い出しながらなので当日とは多少違ったことを書いてます)

Microsoft Teamsを使ってやったのですが、画面にカメラオンの人が見えず、反応が探れなくて自分の話がウケてるのか、スベってるのかわからないのがしんどかったですが、その前に行われたリハーサルで、JICAの推進員

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最後の晩餐シリーズ。この街で最後に何を食べたい?

最後の晩餐シリーズ。この街で最後に何を食べたい?

着々と日本に近づいている。ちゃんと飛行機が飛んでくれればあと1日で日本。現在地がどこかいつ日本に着くのか、もう着いているのかは安全管理上教えることができない。しかし、町中でコーンロウに派手なシャツを着た小太りのマスク姿の男を見かけたら、ぼくかプロレスラーだ。

そんなわけで、伏線の回収。あのとき、あの場所で、あの人たちと最後に何食べたシリーズ。

職場の人たちと。これが定番のランチパック。ぼくの職

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経由地でコーンロウにして気合い入れて帰る

経由地でコーンロウにして気合い入れて帰る

派遣されてから両サイドと後ろを刈り上げるだけで、上の髪の毛はずっと伸ばし続けてきた。理由は差別化。その一点。もう1年以上切ってない。

それで、日本に帰国途上の経由地で思いのほか時間を持て余した。

どういうわけか、気合い入れて日本に帰らないといけない、カリブから来た男たちを気取らないといけないという話になり、よし、じゃあ美容院に行こうじゃないかとカリブっぽい髪型にしに行ってきた。

ぼくは肩ぐら

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土日の夜中まで働いていたってのはウソじゃなかったんだ

土日の夜中まで働いていたってのはウソじゃなかったんだ

アルマジロハントに失敗してから数日後、ファン(台湾人)が「そういえば、A氏の話はウソじゃなかったんだ」と言い始めた。

A氏の話とはなんのことだろう。実はハンターの里で待っていたとかそういう話だったのかと思ったけれどそうではないらしい。

あの時、やっとのことでぼくたちの電話にでたA氏は「昨日遅くまで仕事だった(≒昼夜逆転してる)。夜中までドライバーの仕事をしていたんだ。だから今起きた」と言った。

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ブローカーと連絡が取れない…どうなるアルマジロハント!?

ブローカーと連絡が取れない…どうなるアルマジロハント!?

午後6時過ぎ、仮眠明けにスマホを見ると「ダメだ、中止かもしれない。どういうわけかブローカーと連絡が取れない」とメッセージが入っていた。

なんでこうもうまく物事が進まないんだ、仕事じゃないんだぞと苛立ちを隠せないでいた。

セントビンセントに派遣されてからずっと狙っていた、アルマジロを食すということを2週間前に達成以来、次の狙いはアルマジロのハンティング。可能であれば生け捕り。ぼくはその機会を逃す

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祝日は働かないんだよ、たとえ自分の朝食のためであってもね

祝日は働かないんだよ、たとえ自分の朝食のためであってもね

ー 週末の祭りにデュカナがでると思うから食べに行かないかい?

そんな誘いを大家のマルコムから受けた。デュカナは味のない「ういろう」のようなもの。大して好きでもないのだけど、それを食べるとマルコムがとても喜ぶので食べてる。すっかり彼はそれがぼくの好物だと思ってしまっている。

この嘘はつき通して付き合ってあげないといけない。昼から行くというので午前中に買い物を済ませてしまおうと、ダウンタウンに下り

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こいつはセントビンセントがほんとに好きなんだよ!

こいつはセントビンセントがほんとに好きなんだよ!

セントビンセント国内で初の感染者がでてから3日目。

ちょうど金曜日発売の新聞にも「ついにビンセントにもコロナがやってきた!」的な一面記事がでたこともあって、町中でマスクをしてる人をちらほら見るようになったり、レストランや雑貨屋の店員さんさんも薄手のゴム手袋をするようになったりと警戒感が伝わってくる。

セントビンセント初の感染者はイギリスからの帰国者で30代女性。余談かもしれないけれど、ここ数日

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現場を知らない人の善意の意見ってろくなことがないよね

現場を知らない人の善意の意見ってろくなことがないよね

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている、のは坊ちゃんだけど、そういう世間知らずのお坊ちゃんって全てを水の泡にしかねないパワーを秘めているんだなと思った話。

*****

兵役のある某国の友人から最近聞いた話。

兵役のあるSK国では一定の年齢になると健康な男子は兵役がある。

けれど、大学での成績優秀者は代替措置として援助機関で海外プロジェクトのサポート業務に従事することができる。

ぼく

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なぜかセントビンセントにはコロナ差別がないんだが、明日はどうなるかわからんね

なぜかセントビンセントにはコロナ差別がないんだが、明日はどうなるかわからんね

ない。ほんとにない。どういうわけかない。探してもない。探しに行ってもないけれど。Twitterで各国の隊員がコロナコロナ言われるだの、ヘイトを投げかけられるだのの報告を目にするのだけど、ここカリブのセントビンセントにはない。すくなくともぼくにいたってはない。

他の隊員もないらしい。理由はわからない。テレビはあっても常に放送してるわけじゃないし、新聞を読んでる人もそんなに多くないとかもあるのかもし

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おい、アルマジロの肉が手に入ったんだが食べないか?

おい、アルマジロの肉が手に入ったんだが食べないか?

帰宅途中のことだった。後ろからポンっと軽くはたかれた。ファン(台湾人)だった。ミニストリーの2階の窓からぼくが歩いていくのを見つけて走っておいかけてきたらしい。

― やーやーやー、調子はどうだい?あのー、ほら、例の肉が手に入ったんだよ。ペギー(台湾人ボランティア)の同僚がね、獲ってきたらしい。食べるだろ?

例の肉とはアルマジロのことだ。台湾人はどういうわけかアルマジロの発音ができない。彼らの言

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カリブにお家を建ててみよう!メインアイランド基本編

カリブにお家を建ててみよう!メインアイランド基本編

ぼくの隣の土地にダレンとエミリーのカナダ人夫婦が家を建て始めたころ、うちの大家のマルコムが「カナダ人はワシらの10倍の収入があるからね」と嫌味たっぷりにボソッと言った。

この国の平均所得は月5万円くらいだと言われている。言われているというのはそういうデータがないからだ。そして、これは平均と言われているだけで中央値かどうかはわからない。というか、中央値が存在するのかどうかもわからない。格差社会だか

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殺人事件発生率が高い国に住むとはどういうことか

殺人事件発生率が高い国に住むとはどういうことか

ぼくは気楽に暮らしているから時々忘れそうになるけれど、セントビンセントは殺人事件発生率が世界トップ10にランクインしている。

殺人事件発生率というのは人口10万人あたりの年間の殺人事件数。セントビンセントは36件ほど。日本は0.2件とか。ざっと180倍ほど高い確率で殺人事件が発生している。ちなみに治安が悪い印象があるイラクは10件ほど、アフガニスタンは7件ほど。

数字でみるとほんとにクソほど治

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あれ、検便の容器デカくね?

あれ、検便の容器デカくね?

11月の報告会の時、調整員さんから「年末か年始あたりに健康診断受けてもらうことになると思うのでよろしくお願いしますね」というお知らせがあった。

協力隊の人は個性的な人が多くて「検便は容器に目一杯詰め込んで日本男児が何たるかを見せつけてやりますよぉ!」というアツく過激な人がいたりしたけど、「日本人がみんなそうだと思われたらあれだから、それはほんとにやめてね」と返されていた。

ぼくは健康診断で検便

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理屈の問題なのか感情の問題なのか

理屈の問題なのか感情の問題なのか

派遣された当初、目が見えない人とのコミュニケーションはやっぱり音というか声なんだろうから、目が見える人のときよりいっぱい喋らないと仲良くなれないんだろうなあと漠然と思っていた。

数日で、訛りが強すぎて6割くらい何を言ってるかさっぱりわからない(イメージとしては標準語しか習ってないのに純度100%の方言で話されてる感じ)のと、そもそもぼくはおしゃべりじゃなかったし、内向的で人見知りだし、ツールが日

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