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人生100年時代を生き抜くための積立投資

昨今iDeCoやつみたてNISAなどを使った積立投資が徐々に広まってきています。今回はそんな積立投資について詳しく見ていきたいと思います。

積立投資とは?

そもそも積立投資というのは何かと言うと、毎月一定金額を投資することを意味します。具体的には毎月給与の中から10000円投資するといったイメージです。これは毎月貯金するのとは異なります。貯金はお金が寝ている、つまり今日預金口座に貯金した10000円は1年後も5年後も10000円です(金利はほぼ0なので)。一方、投資の場合はお金がアクティブに動いている、つまり今日証券口座に入金した10000円は1年後は9000円になっていたり5年後には11000円になっていたりするということです。

なぜ貯金ではなく投資をするべきなのか?

結局これはつまるところ儲けたいかどうかという話だと思います。もうお金は十分あるから金庫にしまっとけば良いのであれば預金口座に貯金しておけばいいし、少しでも多くお金が欲しいのであれば投資をした方がいいと思っています。おそらく大多数が後者のはずなので、投資をするべきということになります。

投資を失敗しないためには?

投資をするという選択をするのであれば、次はいかに正しく投資をするかという話になります。投資をする場合、冒頭の例で述べたように損をすることもあるので、怖いとか嫌だとか感じると思います。なので失敗しないように正しく投資する必要があります。正しい投資法というのは実際に投資をしながら学習するしかありませんが、投資のわからない人でも定期的に投資をするという習慣だけでうまくいく、そういう投資方法もあります。それが積立投資というやり方です。

なぜそれがうまくいくのかを説明します。
例としてS&P500(アメリカの代表的な500社の株価指数)に対して積立投資することを考えます。S&P500のチャートというは以下のような形で、下がる時もあれど長期として上昇傾向になっています。すると、上がった月も下がった月もただひたすら定期的にこの指数に投資し続けていれば、長期的には利益が生まれます。つまり、長期で上昇傾向のものに対して積立投資をすれば、長期的には必ず投資リターンが得られるということになります。これが積立投資の勝ち方です。

積立投資をするなら全世界型株式か全米株式を選ぶのが良いと言われているのも、長期の趨勢が上昇傾向であるということに立脚していると思います。何に積立投資すべきかについてはプロの方(じっちゃまなど)の意見を聞いてください。


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つみたてNISA、iDeCoとは何なのか?

昨今話題のつみたてNISA、iDeCoというのは税金を優遇(免除)することで積立投資を後押ししてくれる制度です。本来投資で儲かった分に対してかかる税金(約20%)が免除される、積立分のお金は所得控除となる(iDeCoのみ)などメリットがあります。なので積立投資をするとなったらぜひ利用したい制度となります。iDeCoは20年前からあったようですがつみたてNISAは2018年にできた比較的新しい制度です。

細かい仕組みや制限についての説明は直接公式HPなどで調べて欲しいのですが、ここで重要なのはそもそもなぜこんな制度があるのか?というところです。それは少子高齢化・長寿化に伴い現役世代が引退組を支える従来の年金制度が限界を迎えていることに由来します。端的に言えば定年退職しても年金だけでは生活していけないという話です。2019年に出た金融庁のレポート『人生100年時代における資産形成』(必読)にはそういったことを踏まえて退職後のために1世帯あたり1000万円〜3000万円くらい資産形成しておく必要性があるということが書いてあります。記事の最初の方で儲けるために投資をすると書きましたが、ここに至っては生きるために投資をするといった話になります。ここまでくると儲かりたいと思っていようがなかろうが、全員が投資をする必要が出てます。

この金融庁のレポートの本筋からは外れますが別の読み方をすると、引退間際とか引退後にしょうもない金融商品とかつまらない詐欺に引っかかって資産を失うとまずいということがわかります。若いうちに金融リテラシーを身につけていないばっかりに高齢になって足元をすくわれると目も当てられません。そういった面でも早い段階から投資を始める意味はあると思います。

現在のNISAの利用状況

最後に、今回紹介した制度が現在どれくらい利用されているのか見てみます。ここで新たに登場しますが一般NISAとは積立特化型ではないNISAで、ジュニアNISAとは子ども向けのNISAです。一般NISAと積立NISAは併用できずどちらか1口座しか作れません(つまり口座数=利用者数)。

それで現在(2020年9月末時点)のNISAの利用状況ですが、一般NISAは約1209万人つみたてNISAは約274万人ジュニアNISAは約42万人が使っているようです。(金融庁HP)

ざっくり日本人の12%がNISAを利用していることになります。つみたて
NISAに絞ると日本人の2.1%がつみたてNISAを利用していることになります。対象外の20歳未満(2072万人)を除いて考えると対象者の2.6%がつみたてNISAを利用しています。一般NISAの方がつみたてNISAよりかなり多くなっているのが気になりますが、長期の積立ではなく短期目線で考えている人が多いということかもしれません。

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年代別にみてみると以下のように分布しています。

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わかりにくいので、一般・つみたてのタイプ別かつ年齢別に図にしてみました。長期積立は定年間近に始めるものではないので、高齢になるにつみたての割合が減るのは直感通りと言えます。若者ほど数が少ないのは投資に回す余裕がないからなのかなといった印象です。高齢者も一般NISAを使ってバリバリ免税投資をしているんですね。

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現在のiDeCoの利用状況

iDeCoの利用状況(2020年10月時点)はこちら。(iDeCo公式HP)
第1号加入者が約19万人、第2号加入者が約149万人、第3号加入者が約6万人で合計約175万人が利用しています。ざっくり日本人の1.4%がiDeCoを利用しています。丁寧に比率を出すならiDeCoの対象外である60歳以上(4362万人)は分母から外すべきなので、対象者の2.1%がiDeCoを利用していると言えます。3つのタイプの違いは加入者の属性によって分かれています。自営業者・学生等が第1号、会社員等・公務員等共済加入者が第2号、専業主婦(夫)等が第3号です。(分類表)

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iDeCo公式HP資料を元に作成した年齢別タイプ別加入者のグラフが以下になります(2020年3月末時点)。学生(≒20歳未満と20際代の緑部分)と専業主婦(夫)(紫部分)はほぼおらず、大部分は働く人(オレンジ部分+緑部分の自営業)ということがみて取れます。こちらも若者ほど加入者が少ないですね。

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