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高価な貴重品が強引に買い取られる!「押し買い」トラブルを防ぐには?

不要な商品を強引なセールスで売りつける「押し売り」。しつこく商品の説明をされたり、玄関先に長居されたりして、必要ないものを売り込まれるのは迷惑ですよね。ところが、近年は逆パターンの「押し買い」という悪質な行為も増えてきています。

押し買いとは、消費者が売る意思のない高価な物品を、無理やり買い取っていく行為です。押し買いでは、具体的にどのようなトラブルが起きているのでしょうか。

強引な押し買いは違法行為

押し買いとは、リサイクルショップなどの業者を名乗る者が消費者の自宅に訪れて強引に中古品を購入する迷惑行為です。法律上では「訪問購入」といわれていますが、強引な買い取り被害などの消費者トラブル増加をきっかけに、2013年2月に特定商取引法の規制対象になりました。

押し買いでは、貴金属や着物などの価値の高い品物を、不当に安い金額で強引に買い取られてしまう部分に問題があります。実際に、次のような被害が発生しています。

1.予告なく高額品を買い取る

訪問購入の場合、事業者はあらかじめ消費者に同意を得た上で自宅を訪れるのがルールです。また、事業者は訪問購入を行う際には勧誘に先立ち、事業者名、購入しようとしている物品の種類、契約の締結について勧誘をする目的であることを消費者に告知しなければなりません。そのため事前の連絡なく、「不要品はありませんか?」と自宅に訪問する、いわゆる飛び込み勧誘は禁止されています。消費者から査定の依頼があった場合も、査定を超えて勧誘することはできません。

こうした法律に従わず、予告なしに訪問し、無理やり物品を買い取っていくケースは違法行為にあたります。例えば、このようなトラブルが発生しています。

・電話では「査定だけ」と言っていたのに、訪問時に強引に買い取られた
・あらかじめ買い取りの物品を指定していたのに、「ほかに不要品はないか」と言って別の高額品まで買い取られた

事業者から事前連絡があったとしても、「最初の話と違う」「売る予定のなかったものまで買い取られた」というパターンの押し買いは違法です。

2.しつこく買い取りを迫る

断っているのに何度も買い取りを要求したり、承諾が得られるまで居座ったりする押し買いも、法律上で禁止されている違法行為です。例えばこのようなケースがあります。

・中古品の査定で来てもらったが、金額に不満があったので断ったところ、「ほかの物品も見せてほしい」と食い下がってくる
・「社内で鑑定しているから」と言って待機させられ、何時間も待たされる間に別の物品の買い取り交渉をされる

消費者が売るまで粘られ、仕方なく売ってしまうパターンの押し買いです。

3.威圧的な態度で強引に買い取る

相手を脅したり嘘をついたりして、無理やり買い取る行為も法律で禁止されています。実際に次のようなトラブルが発生しています。

・買い取りを断ったら罵声を浴びせてきた
・悩んでいる間に勝手にお金だけ置いて品物を持ち帰られてしまった

大声で怒鳴られたり、強い口調で迫られたりした消費者が恐怖を覚え、押し切られてしまうことがあります。

高齢者をターゲットに被害が多発中

国民生活センターのデータによると、近年は年間約五〜六千件もの押し買いの相談が寄せられています。中でも60歳以上の高齢者層からの相談件数が多く、特に女性が高い割合を占めているというデータも出ています。

「終活」で自宅の荷物を整理する場合に狙われることもあり、特に高齢者の被害が多発しているのが現状です。まとめて不用品を処分したり、大がかりな片付けをしたりする時には、押し買いトラブルに注意が必要です。家族や知人に不用品の処分を検討している人がいたら、このような被害にあわないよう注意喚起をするのもよいでしょう。

押し買いのトラブルは電話から始まるケースが多数

押し買いなどの悪質な訪問営業や勧誘は、電話が入り口となるケースが多く見られています。押し買いの場合、「何でも高額で買い取ります!」などと言って、電話で勧誘する事例があります。トビラシステム社調べでは、固定電話での着信のうち、5件に1件が迷惑電話というデータも出ています。迷惑電話の中でも、約6割が悪質なセールスであることも判明しました。怪しい営業電話に出ないために日頃から対策をしておきましょう。

押し買いのトラブルを避けるための基本の対策4選

もし実際に押し買いのトラブルに巻き込まれそうになった時には、次のような対策で防ぎましょう。

1.不審な業者は自宅に入れない

勧誘の電話が来たとしても、特に売りたいものがなければ、この時点できっぱりと断ります。また先ほども出てきたように、訪問購入では飛び込みの勧誘は禁止です。突然訪問してきた業者は、自宅に招き入れないようにしましょう。さらに、事業者は事前連絡で、事業者名契約の締結について勧誘をする目的であること購入しようとする物品を相手に明示するルールがあります。いずれも明らかにしようとしない時には、悪徳な業者の可能性もあるので、査定や契約は避けましょう。

2.強引に買い取られた時にはクーリング・オフを

売却の際は必ず契約書面の交付を求めましょう。また、訪問購入の場合もクーリング・オフの適用があり、契約書面の交付から8日間以内であれば、契約解除が可能です。押し切られて買い取られた時には、早めに返品を依頼しましょう。またクーリング・オフが認められる8日間は、売買契約が成立していても、買い取りの対象品を渡さなくても良い権利(引き渡し拒絶権)があります。もし何かのはずみで「売ります」と言ってしまっても、すぐに業者へ渡す必要はありません。自分で持っておき、クーリング・オフ期間内に契約を解除すれば、買い取られずに済みます。ただし自動車(2輪のものを除く)・家電(携行が容易なものを除く)・家具・本やCD・有価証券など、一部規制の対象にならないものもあるので注意しましょう。

3.不安な時には専用窓口に相談

どうしたら良いのか悩んでしまったり、脅される危険があったりと、自分で解決するのが難しい時には専用窓口まで相談しましょう。消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)などで、押し買いのトラブルの相談も受け付けています。少しでも怪しいと感じたら、すぐに連絡するようにしましょう。

4. 迷惑電話対策サービスを活用

毎日の安心・安全を守るためにおすすめなのが、スマホの防犯アプリです。迷惑電話対策アプリ「トビラフォンモバイル」は、迷惑な営業電話や勧誘を自動で検知・警告します。さらに電話帳未登録であっても、店舗や会社といった事業者であれば、発信元の名称の表示もできるため、安心して電話に出ることができます。

昨今はスマホに届くSMSから偽サイトに誘導され、個人情報を盗まれる「スミッシング」の危険もあります。「トビラフォンモバイル」はフィッシング詐欺などの不審なSMSのフィルタリングもでき、より万全の対策が可能です!犯罪やトラブルに巻き込まれないために、スマホの迷惑電話・SMS対策を活用しましょう。

また、トビラシステムズの迷惑情報データベースは、携帯キャリア各社から出ている迷惑電話対策アプリでも活用されています。携帯キャリアの各種オプションパックへの加入により、「トビラフォンモバイル」と同様に迷惑電話をブロックできる防犯アプリが無料で利用可能。もしオプションパックに入っているなら、ぜひ確認してみてくださいね。

自宅の固定電話に迷惑電話対策サービスを導入するのも有効な対策です。外付け型迷惑電話防止機器「トビラフォン」や、専用機器なしで迷惑電話を自動で遮断できるKDDI社のネットワークサービス「迷惑電話自動ブロック」などもあります。お使いの電話環境に応じて活用してみてくださいね。

<参考文献>
訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには(身近な消費者トラブルQ&A)|国民生活センター
訪問購入(各種相談の件数や傾向)|国民生活センター
不用品を買い取ると言ったのに貴金属を買い取られた!!-終活の一環!?高齢者を中心に訪問購入のトラブルが発生しています-(発表情報)|国民生活センター
訪問購入|特定商取引法ガイド

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