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里帰り

 訳あって、ここのところ頻繁に実家に帰っています。里帰りといっても1時間くらいの距離なので、「里帰り」と言えるかどうか…。


 故郷は、瀬戸内海に浮かぶ周囲30㎞あまりの島です。その中でも更に一部の地域にしか人は住んでいなくて、私がいたころには、人口が3,000人程度でした。小中学校は1校ずつで、私には約30人の同級生がいます。当然、一クラスです。そこに通った9年間クラス替えなどないままに過ごしたせいか、島の慣習のせいか、他地域と比べて同級生のつながりは強く、現在でも親御さんの訃報などの連絡が入るほどです。

 今では人口が2,000人を切った過疎の島ですが、昨年は460万人が島を訪れたとか。観光が主な産業の故郷には紅葉のスポットもあり、実家での緒用を済ませた後に、紅葉狩りを楽しみました。

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 こんな写真を撮っていた時です。島在住の同級生から、学校を出てから就職で愛知県に行っていた同級生が帰ってくるという連絡が入りました。彼はおとなしく無口でしたが、だれからも愛される人でした。盆正月には帰省をしていたようですが、今回はえらい中途半端な時期です。


「お帰り」
「……」
「何しよるんや。こんなことでクラス1番にならんでもえかろうが!」

 同級生本人の最初の訃報で、無言の、悲しい里帰りでした。

 彼のご冥福をお祈りいたします。 合掌


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