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黒猫と金貸し 01

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2019年7月の記事一覧

case01-11 :交渉

case01-11 :交渉

こういった交渉事の中での沈黙は独特の雰囲気がある。電話口の男が「ちょっとまて」と言ってから随分待たされているようにも感じるが、実際は1分も経ってはいないだろう。内容的にも上への判断が入るのは当然ともいえた。

まだしばらくかかるのかと思い、タバコに手を伸ばした瞬間だった。
「あー旦那さん?」
「え、あ、はい」
突然声をかけられ思わずタバコの箱を落とす。

「15万でいいよ、ただ今日中に振り込んで」

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case01-12 :交錯

case01-12 :交錯

西船橋駅

立地としては総武線や東西線、更に武蔵野線や京葉線と、かなりの路線が交差する路線としては要所といえる土地だ。その割には周囲は古い高さのないビルが多く、そこまで栄えた印象がない。ただその交差する路線の特徴からか、風俗店はそこそこあり、ラブホテル等も不自然に多い場所である。

一括返済をするという名目でホテル近くなら必ず来ると見込んで、狩尾に上川を呼び出すように伝えていた。

<西船橋駅北口

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case01-13 :包囲

case01-13 :包囲

「誰?」

これから裏にあるホテルに女と行く気満々だったところに、見たこともない男が突然現れたのだ。当然の質問だった。

ちゃんとした(?)闇金であればそういった行為も脅す材料にするか、撮影したものを裏に売り払うくらいで、良くも悪くも金銭以外には興味はない。裏を返せばこんなことになっている時点で素人とも言える。

「この状況で現れる男なら誰だと思うんだ?」

身体を相手に向け、覗き込むように様子を

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