①そもそも「考える / ロジカルシンキング」ってなんだろう

第1回の投稿(自己紹介)で書いたように、しばらくは自分なりの「ロジカルシンキングの全体像」について書き連ねていきたいと思います。

自分なりとは言っても、大量の思考本や講義+少しの実務経験の集合知なのでオリジナル要素はそこまで多くないです。ただ、5年以上悩み続けてようやく一定の汎用性をもって業務で使えるレベルになってきたので、タイトルのような疑問を持つ方に少しでも気づきがあればうれしいです。

1.はじめにする質問

・ロジカルシンキングは何をするためのものか?

自分のレクチャーではじめにする質問がこれ。

みんなロジカルシンキングに関連する本は読んだことがあったり、ワンデー講座に参加したことはあるけど、この質問の言語化は難しいようです。「課題を解決するために~」と回答する人もいるけど、実務で使えているかというとそうでもないようで。

この質問から派生して、「本は読むけどなんだか雲をつかむような話で…」「言葉が先行しているイメージ」という会話がはじまるのがよくあるパターン。

戦略やマーケティングの定義と同様に、この質問にも正解はないのですが、自分は「受け手(仕事の依頼者や説明を聴く人)に"なるほど”と思ってもらう成果物を創るためのもの」と解釈しています。

この言葉は赤羽雄二さんの著書「マッキンゼー式ロジカルシンキング」のフレーズで、最も本質を突いた言葉だと確信しています。この「なるほど」は今後のロジカルシンキングの全体像の核になる部分です。


2.ロジカルシンキングは誰のためのものか

・誰もがはじめに理解すべきスキル

ロジカルシンキング自体は戦略コンサルだからとか、役職者だからとか全く関係なく誰もが最初に学ぶべきスキルだと考えています。(戦略や財務やフレームワークの各論を理解する前に)

なぜなら、各論を理解してなんとなく使うだけでは受け手に"なるほど”と思ってもらえないからです。

役職者(とりあえず課長以上)は3Cや4Pなんて当然知っていますし、財務諸表も理解しています。重要なのは「なぜ3Cや4Pを使って分解したのか」を言語化すること。

「フレームワークに使われるな」というのはよく言われることですが、フレームワークなどの知識を使いこなすにはロジカルシンキングの理解が不可欠というのが、長年に渡って使われてきた自分なりの見解です。

・どこの部署でも使えるスキル

前述のようにロジカルシンキングは「"なるほど"と思ってもらう」ための考え方であることから、業種や職種に関係なく汎用的に使えるスキルである可能性が高いと想定できます。

なぜなら、営業は提案先に、コンサルタントはクライアントに、バックオフィスは上司や他部署に、誰もが誰かに”なるほど”と思ってもらうこと=仕事といえるからです。

・若手社員にとって最大の差別優位性を築けるスキル

業種・職種・役職に関わらない重要なスキルであると書きましたが、特に20代の若手社員には成果や評価を飛躍的に高めるスキルであることは声を大にして伝えたいです(実際の社内レクチャーでも「もっと早く知りたかった」という声を結構聞きます)。

理由はシンプルで、各論を使うための土台となる最重要スキルであることを理解している人が少ない=ライバルが少ないから。

多くの人は「土台となるロジカルシンキング⇒戦略や財務の各論」ではなくて戦略や財務の各論からスタートします。結果として、知識先行の頭でっかちパターンに陥りがちです(自戒も込めて)。


3.まとめ / 今後の流れ

・ロジカルシンキングは「受け手(仕事の依頼者や説明を聴く人)に"なるほど”と思ってもらう成果物を創るためのもの」

・業種、職種、役職に関わらず誰にでもかなり役に立つスキル

・戦略や財務といった経営学の各論を学ぶ前に理解してもらいたい、土台となるスキル

の3点を中心に書きました。上記を前提に、次回はロジカルシンキングの全体像に触れていきたいと思います。自己紹介で書いたように「若手社員の"考える"を手助けする」という視点で言語化してみますので、引き続きよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?