数学を勉強すると何の役に立つのか。
数学なんて勉強してもいったい何の役に立つのか。これは中学生になると多くの人がぶち当たる勉強の謎の一つだろう。
そこでは大雑把に言ってふたつの派に分かれる。大人になって何の役に立つかわからないが試験に出るからやっておこう派と、やってられるかこんなもん派に。
数学が決して得意ではなかった私は、やってられるかと思いつつ、当時はまだ自分というものにまるで自信が無かったので、取り敢えずやっておこうということになっていた。
それから時が経ち、すっかり大人それもいい年になった訳だが、ここに来て閃いた。数学ってむっちゃ役に立つ、というか必須じゃないかと。
だが時すでに遅し。今頃になって数学を頭に入れるのは不可能(言い訳じゃなくて)。
もっとちゃんとやっておけば良かったなぁと後悔しているのである。
簡単に言うと、数学は抽象概念を扱うための論理的で確立された知恵(技法)だ。数学で扱う内容は未だに謎だらけだが、抽象的論理的に考える方法論が世界共通の言語として体系化されているのは数学だけだ。
この説明、全然簡単に言えていないじゃないかと言われそうだが、私は数学が得意ではない事を思い出して欲しい。詳しい人に聞けばもっと明快な説明がされるだろう。
小学校までに習う算数(算術)と中学校以降に習う数学は全く別物で、算数の延長線上に数学があると思うのが最初の間違いだ。
例えて言うなら、休み時間に小学校の校庭で興じられているドッヂボールとプロサッカーのプレミアリーグくらい違う(我ながら悪い例えだ)。
学校で習う数学を語学(英会話)に置き換えて考えてみよう。
中学校の数学はアルファベットと少しの単語やフレーズを覚えること、高校の数学はもう少しの単語と少しの文法を覚えること、そして理系高校生の段階でようやく会話の事例を覚えたりや簡単な長文読解にチャレンジするレベル。
つまり、高校迄で習う数学は、基本的な道具やお作法を見て覚える段階。このレベルでは英会話が出来ないのと同様に数学は出来ない。ただし、数学的概念の一端に触れる事が出来る。
つまり、物事を抽象的にとらえて論理的に段階を追って考えるという、解決するための方法論を身に付けることが出来る。これはどんな局面でも一生使えるメソッドだ。
これが数学を学ぶ理由だと思っている。
つまり数学を知っていればあなたの生活はもっとスムーズだったはずだ。
さらには、現実の物事を数学的な概念で捉え直すことが出来ると、なお有効だ。
人工知能はそうやって作られたのだ。
こうしてスマホが使えるのも、ネットで買い物ができるのもコーヒーが飲めるのも、食事をしながら配信映画を見られるのも、数学があったからだ。
そうした仕組みを作った人は大儲けした。
つまり数学は金儲けにもなる(数学だけじゃないが)。
数学好きな中高校生に理由を聞いた時、答えが決まっているからと答える人がいる。これを聞く度に少し残念な気持ちになる。答えが分かっていない事柄へのアプローチ方法を学べるのが数学の良いところなのに、と思うのだ。
おわり
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