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今年も年末がやってきた

 そろそろ年末ですね。
「気が付けば今年も年の瀬が迫って、いやぁ時間が経つのは早いですね〜」なんていうセリフが意識せずに口をついて出るようになったらあなたも立派な社会人です。
 というか若くはないということです。
 あなたはどうでしょうか。

 若い頃は一年があっという間という感覚はあまりないでしょう。仮にあったとしたら、物凄く充実した一年間だったということではないでしょうか。楽しい時間ほど早く過ぎ去るものです。
 ということは、一年間があっという間だとのたまう年寄りたちは、とてつもなく楽しい時を過ごしているのでしょうか。そうは見えませんよね。

 では、もう年の瀬ですね、というのは時候の挨拶程度で、本当のところはやっと一年が終わるという感覚なのでしょうか。そんな風にも見えませんね。
 ぶっちゃけ、言っている本人達も何故そんな会話をするのか良く分かっていないというのが本当のところでしょう。ただ、今年も終わりですねと言っているときに、しみじみとした淋しさに似た感情を抱いている事は間違いありません。

 年末や年度末は忙しくなる事が多いので、忙しさに立ち向かわなければという気持ちを共有するための合言葉なのかも知れません。
 一年間を振り返ると大したことを達成できなかった、という反省の気持ちの現れなのかも知れません。
 あるいは、年末年始という季節に日本人が抱く特別な想いの表れでしょうか。

 世の中全体の雰囲気というのは、知らず知らずのうちに人々の考え方・感じ方や行動を操る側面があります。誰かが不景気だよねと呟けば何となくそんな感じがしてくるし、この先物価が上がりそうと聞けば、不景気だから物価が上がるのか、なんていう風にこのふたつの話を結びつけて考えてしまうこともあります。
 一人で考えている分には何ら大勢に影響はありませんが、多くの人に伝播していった場合には何となくそういった雰囲気が広がることがあります。
 もちろん、マスコミの報道というのも雰囲気をつくる大きな要因の一つです。

 戦争や地球環境問題、エネルギー問題、人口構成問題、民主主義や資本主義経済が抱える問題など、社会には様々な問題が溢れていて、この先、生きていても楽しいことは無さそうだなと悲観してしまう人もいるでしょう。
 でも本当に重要で早く解決しなければならないのは、社会の問題よりもあなたという個人が直面している問題です。個人にとって社会などどうでも良くて、あなたが明日も生きられるのかという方が大切なのは当たり前でしょう。
 だからと言って、誰かが助けてくれるということはありません。助けてもらえたらラッキーといった程度のことです。

 現代の社会の問題の多くは、あなたやあなたの周りにいる人達が幸せになるために取る行動が招いているという難しい時代になりました。
 私達が視野を広く保つことが出来て、お互いが周囲の人々の幸せを願った行動が取れれば理想的 なのですが、私達の視野はどんどん狭まっています。何なら自分さえ良ければと思ってしまいがちで、そこまで追い込まれているとも言えるでしょう。

 そんな私達でも、年末年始と聞くとまだまだ特別な想いを抱く人が多いとしたら、みんな一緒で横並びを良しとすることや、お天道様が見ているという視点や、お年寄りを敬いなさいという教えをもう一度思い出してみても良いかも知れません。 
 皆の幸せを願ってお賽銭を投げ、皆の幸せを想って手を合わせるようになれば、日本にはワンチャン復活が見えてくるのかもしれません。

おわり

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