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かわいすぎて尊い...1人でも飼える、レオパの飼い方

前回はヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー:通称レオパ)の魅力について紹介したが、いざ飼育となるとどのように世話が必要になるのか。

結論からお話しすると、レオパは家族ではもちろんだが1人暮らしでも飼育しやすく、おすすめだ。
今回はその理由も含めて、レオパの飼育について具体的に紹介していく。

前回記事はこちら▼


1人暮らしにおすすめの理由

まずは私自身が1人暮らしで飼育していて助かったことをズバリ紹介。

・世話が毎日必要ではないので外泊もできる!
    ※様子を見たり温度管理は必要

・飼育費用が安く負担が少ない!

・飼育スペースをとらないので狭い賃貸でも飼える!

加えて個人的には15年ほど生きるというのも、すぐにお別れにならないのでいいなと思ったポイント。

レオパはどんな生き物?

アフガニスタン、パキスタン、インドに生息。砂漠地帯だが、比較的湿度の高い場所で生活する。寿命は15年ほど。餌は主にコオロギなどの虫。(人工餌もあるのでご心配なく)

小さく鋭い歯があるが、基本は穏やかな性格のため、攻撃されることはあまりない。私は餌と間違われて1回だけ指を咬まれたことはある。

生まれてからベビー、ヤング、アダルトの順に1年くらいかけて成体に育つ。成熟後も定期的に脱皮をする。体が徐々に白くなり、自分で皮を食べながら剥ぎ取る。

モルフと呼ばれる種類があり、それによって体の色や目の色など、特徴が異なる。交配などにより、かなりたくさんのモルフが存在する。

日常の世話

餌やり

レオパは尾に栄養を蓄える動物だ。食餌の頻度も低い。ベビーの間は毎日の給餌が必要になるが、徐々に間隔は伸びて、アダルトになると数日に1回しか食べない。
餌やりをするために早く家に帰らなくては、と切迫感に包まれる心配はない

レオパは前述のとおり一般的にはコオロギなどの虫を食べる。
レオパと一緒に生きたコオロギを飼育する飼い主も多い。もしくは冷凍コオロギというのも販売されているのでそちらを使用することもある。
コオロギを与える場合にはカルシウム不足によるクル病を避けるため、カルシウムやビタミンの粉末をコオロギにかけて食べさせることも必要だ。

でも、虫はちょっと……。
すごくわかる。私もそう。

だがご安心を。「レオパゲル」というゲル状の人工餌があり、それを食べていれば虫を与えなくても大丈夫なのだ。カルシウム等もそれに含まれているので基本的にはパウダーをかける必要もなし。

ただし「その子がゲルを受け入れてくれれば」という条件はある。ペットショップによっては生まれた時からレオパゲルで飼育している子であるという表記がされていることもあるので、そういった子を選ぶのもおすすめだ。

掃除

レオパは体臭自体はほぼないので、掃除をしなければ臭くてたまらないということはない。糞をすればその都度片付ける。
湿度管理のために霧吹きをして水の跡が気になるなどの理由でときどき丸洗いをする。それくらいのラフさ。

温湿度管理

レオパを飼育する上で唯一気を遣うのがこの温湿度管理だ。

レオパは変温動物なので、ケージ内でも暖かい場所に移ったり涼しいシェルターの中で寝たりして、自分で快適に過ごせるよう調節する。そのためケージ内の一部分を下からパネルヒーターで暖め、涼しいところと暖かいところの温度勾配を作ってあげる必要がある。

基本的にはケージ内温度を26〜32℃、湿度を40〜60%でキープすることが望ましい。季節によりキープするために留守中の冷暖房の利用や断熱などの工夫が必要になることもある。

飼育の際の必要スペースは?

ケージサイズは幅30cm以上。30cm×20cmほどの小さなものもあるので、狭いスペースでも飼育は可能。
ラックを購入し、設置するというのもよく聞くが、私は1人暮らし時には低いタンスの上に置いていた。

ケージにヒーターを取り付けるので、近くにコンセントがある場所が好ましい。

どこで買えるの?

レオパが販売されているのは、爬虫類専門ショップ、爬虫類も扱っているペットショップ、爬虫類のイベントが主になるかと思う。

爬虫類専門のショップは店舗数が少ないが、爬虫類に詳しいスタッフがいるので飼育について話を聞きやすい。行ける範囲にあるようなら見に行ってみるのがおすすめだ。

レオパは爬虫類の中では人気があり、販売している店も比較的多い。爬虫類専門店ではなくても、意外と近くのペットショップで扱っていたりもする。遠くだと連れ帰るのが大変だったりもするので、まずは近場で探してみるのもいいかと思う。

各地で定期的に開催される爬虫類のイベントでは、たくさんの種類の中から選ぶことができたり、ブリーダーから直接購入することができるのでショップよりも安く販売されたりする。場所や時期の都合がよければ、そちらに足を運ぶのもいいだろう。

費用はどのくらいかかるの?

初期費用

飼育に必要なものはこちら▼

・ケージ
・ウェットシェルター
 (上部に水を入れ湿度を維持することができる、ねぐらのようなもの)
・ヒーター
   (上部:暖突など 下部:パネルヒーター)
・餌やり用ピンセット
・温湿度計
・水飲み容器
・餌

ケージの材質や大きさなど、それぞれにこだわると金額は上がるが、これら全てで2万円弱見ておけば購入することはできる。

それから冬であると、ヒーターを使ってもケージ内の温度が上がりきらないことがある。そのときはケージに毛布をかけたり、発泡スチロールなどの断熱材で覆うなどの対策が必要だ。

これらにプラスで生体価格ということになる。
レオパはモルフによって見た目の価値の基準があり(より柄がないほうが価値が高い、など)価値が高いとそれに応じて値段もはね上がる。
数千円〜数万円まで、その価格の幅は広い。

安いからといって健康に問題があるというわけではないので、繁殖目的でなければ自分が気に入った子を選ぶのをおすすめする。

飼育費用

上記の初期費用には入れなかったが、ケージ内に敷く床材にはいくつか種類がある。ソイルという砂を敷いたりサンド系の床材もあるが、キッチンペーパーもよく使用される。それぞれ個体の好みや一長一短あるようだが、我が家ではキッチンペーパーを使用していて問題はない。もとより常備しているので購入の手間もなく経済的で助かる。

飼育費用で主にかかるのは、床材、餌、電気代だ。

餌は何を食べるかにもよるが、レオパゲルである場合1袋1000円程度。開封後は1ヶ月使用できるし、うちの子は1ヶ月で食べきれないので、実質餌代は月1000円程度ということになる。コオロギも食べる量によるが、レオパゲルと比べて大きな差はない。

電気代は他の電気使用料に含まれているので細かな算出はできないのと、地域によるところもあるが、レオパの飼育による影響はさほどない。
夏場はレオパのためにエアコンをつけて出勤していたが、レオパの適温が高く、30℃前後の設定でも問題ないため、目玉が飛び出るような値段にはならなかった。

その他疑問

なつくの?

ひと言で言ってしまえばなつかない。手のひらに乗せたりすることはできるが、なついているわけではなく触られることに慣れるといった感覚だ。

名前も覚えなければ、呼べばこちらへ来るということもない。
こちらへ来るのは餌めあてのときのみ。

そんなので満たされるのかと言われれば、案外満たされる。
意外にも表情や意思はあり、お腹がすいていればらんらんとした目で見てくるし、のぞいて話しかけても細目でうっとおしそうな顔のときもある。
床材の敷き具合が気に食わないと、直すまでずっと掘りまくってビリビリにする。小姑のようだ。

飼っていて困ったことは?

すばらしいところばかり書いていても信用できないかもしれない。
飼っていて困ったことにも触れておく。

①正解がないこと

これはどの生物にも共通することだ。
犬や猫の飼育については学んでいる私だったが、爬虫類の飼育は完全な素人。インターネットで検索して疑問を解決しようと試みるも、そもそも明確な答えがなかったり、言っていることがバラバラだったり。

爬虫類では特に自分で工夫することが多い。
たとえば天井がないケージに、天井から吊り下げるヒーターをどうやってつけるのか、寒い部屋でどうやってケージを温めるのか、じっとしていて餌を毎日食べないのは異常なのか、など。

そのたびに、揚げ物用の網がサイズが合うので天井にしてヒーターを取り付けてみよう、人間用の部屋の断熱材をケージのサイズに切って使用しよう、体重を測って増えているなら様子をみよう、と、試行錯誤を繰り返してうちの子が健康に暮らせる方法を模索してきた。

今では毎年恒例のルーティンがあったり体調も感覚で分かるようになったが、特に最初の1年は混乱が多かった。

②病院が少ない

レオパをはじめ爬虫類(エキゾチックアニマル)を診てくれる病院は少ない。しかし、予防接種などがある生物ではないので、定期的な受診は基本的にはあまり必要ない。

とはいえ何か症状が出てしまうと不安なので、受診できる病院が行動範囲にあるかというのは、一度調べてみるといいだろう。

最後に

これほどに一生懸命推すレオパだが、正直なところ飼い始めたときはどれほど愛情を持てるものかと半信半疑だった。
もちろんショップで自分が選び、本当に1人で責任を持って飼えるのかと脳内会議を続けた結果の念願のペットだったわけだが、今まで飼ってきた動物よりもあまりにも小さい。そしてなつかないことがわかっている。おまけにほとんど寝てる!

だがそんな心配をよそに、共同生活4年目を迎えた今では、夫婦してかわるがわる声をかけ、ほとんど寝ていても何度もケージをのぞいている。
お迎えして1年ごとにはお祝いのケーキを買う親バカっぷり。

幸せな寝顔を見ているとこちらまで幸せになり、生きているだけありがとうという気持ちになる。そうか、これが尊いってやつか。

そんな私の愛するレオパ。
実際に飼うまではいかなくとも、少しでもこの生き物を知ってもらい、その素敵さがこの記事で伝われば嬉しく思う。

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