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安定して9割取れるようになりたい人のための共テ英R対策(実践篇)

「準備篇」未読の方は,まずはそちらから読んでください。

今回は「実践篇」です。

前回の「準備篇」では日本語で書かれた本を読む習慣と基本的な英語力を身につけるようお願いしました。これらは一朝一夕には自分のものにならないでしょうから,今から紹介する取り組みと並行して進めていくことになるでしょう。


1.文章理解力を鍛える

〈主語・述語〉や〈修飾語・被修飾語〉の関係を把握する「文」の理解の次に目指すべきは「文章」の理解です。目の前にあるひとまりの文章で筆者が言わんとすることをとらえる力を鍛える必要があります。

文章理解力を鍛えるには現代文の勉強が有効です。私は予備校で生徒から「長文問題の内容理解が苦手で……」のような相談を受けた場合は「現代文の授業で習ったことをそのまま使えばいいよ」と答えています。例えば松本孝子先生の授業を受けている生徒であればそれだけでほぼ解決します。

この機会に本格的に読解力を鍛えたい人は松本先生と古川先生の共著『東大現代文プレミアム』に挑むのもいいでしょう。これまで文章をなんとなく読んできた人は,21~22ページにある「筆者が重要な内容を述べる際の表現法」5項目を暗記するだけでも文章理解力が飛躍的に高まります。

ネットで無料公開されていて,私も大いに学ばせてもらっている優れた教材が2つあります。これらを活用しない手はありません。

まずは中野芳樹先生による「客観的速読法一覧」です。

次に土井諭先生による「読解スキルの総まとめ」。

「筆者が重要な内容を述べる際の表現法」「客観的速読法一覧」「読解スキルの総まとめ」の3つを熟知した上で多くの文章に触れ,自分独自の文章理解法を開発していくのが理想です。


文章理解に軸足を置いた英語教材もいくつかあります。

まずは宮下卓也先生の『速読トレーニング問題集』。

次に山添玉基先生の『ぐんぐん読める英語長文』シリーズ。

そして野村武士先生の『パラグラフ・リーディングナビ』。

これらのうちのどれか(もちろん全部でも構いませんが)に取り組むことで文章理解力を高めていきましょう。

2.やっぱり多読も重要だ

この記事で紹介した竹岡広信先生の動画でも言われていたように,やっぱり多読は重要です。日々英語で書かれた文章を読んでいる人と読んでいない人とでは勝負になりません。

では,何を読むべきなのかというと,拙著『世界が広がる英文読解』でも主張しているように「読みたい英語」を読めばいいのです。

「読みたい英語と言われても急には思い浮かばない……」という人にはぜひ拙著を読んでもらいたいのですが(楽しみながら基本的な英文読解法を身につける章もあります),ひとつおすすめするとしたら次のサイトになります。

外国語として英語を学んでいる人たち(つまり私たち)のために作られたニュースサイトです。ここに掲載される記事で使われている語彙レベルは共通テストに近いので単語力の確認にもなりますし,すべての記事に音声が付いているのでリスニング対策にもなります。

こちらのサイトはnoteメンバーシップ「世界が広がる教養予備校」でも教材として活用しています。


「準備篇」「実践篇」と2回に分けて「安定して9割取れるようになりたい人のための共テ英R対策」を解説してきました。これまでの内容をひとことで言ってしまうと

読める人は強い

となります。リーディングのテストなので当たり前ではありますが。それでは「読める人」になるにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは「読む人」になること

これに尽きます。もしあなたが「読まない人」であれば,まずは「読む人」になってください。「読める人」になれるのはそれからです。

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大手予備校英語科講師であり『世界が広がる英文読解』や『英文法基礎10題ドリル』などの著者でもある田中…

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