5-1:安楽死に対峙する、緩和ケアへの信頼と不信~幡野広志と会う(前編)
「幡野さんの病状は最近どうなのですか?」
今日もある人から尋ねられた。
「幡野さんはいまどうしていますか?」と聞かれることもある。知っているはずがない。だから僕は、彼の担当医じゃないんだっつーの……。と思いながらスマホのカレンダーを繰ると、最後に会ったのは2か月前。そしてさらにその2か月前にも会っている。そして今月はもう3回も会う予定が入っている。
なんだ、たしかに外来の患者さんと同じくらいのペースで会ってるんじゃないか、と独りごちて、笑った。
「まあ、元気なんじゃな