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急速に少子高齢化するベトナムはこれからも人材供給源たり得るのか

 平均年齢46歳の日本からベトナムを訪れた人々はベトナムの人口の若さに驚く。ベトナムの平均年齢は30歳。若くて当たり前なのだが、しかし、ベトナムも急速に高齢化している。

 ベトナムはすでに65歳以上の高齢者が人口の7%に達しており、国連機関が採用している基準によると「高齢化社会」に分類される。その高齢者人口が14%に達すると「高齢社会」とされる。

 フランスは65歳以上人口が全体の7%から14%に達するまでに1世紀ほどかかっているが、日本は四半世紀、ベトナムほかタイなどの多くのアセアン諸国では15〜18年しかかからないとされ、急速に人口の高齢化を迎えることが予想されている。国が豊かになるまえに人口が高齢化し、人口増がストップ、ボーナス期が終わって経済発展が減速することが懸念されているのだ。

 実際、1981年生まれの妻の兄弟は7人兄弟姉妹だが、その子供たちは一人か多くて二人である。少子化は「子供は一人ないしは二人」としたベトナムの人口政策の「成果」であり、医療の進歩によって子どもたちの死亡率が低いこと、学費の高騰も影響しているだろう。いまやベトナムの合計特殊出生率は1.9だ。

 日本は介護、建設などをはじめ、3K職場にベトナム人をはじめ外国人労働者を迎えようと目論んでいるが、ベトナムといえども労働者を供給し続けることは難しいことを日本は知るべきだろう。逆に超高齢社会として先進する日本のことを世界は注目してもいるのだ。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2019年2月号掲載


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