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世界一高い?6本$100のビールと、森林破壊で価格が変動するビール(気候変動・環境)

これから先の歴史において、「Before Corona」と「After Corona」に分けられるくらいの大転換期にありますが、この先の世界はユートピアなのかディストピアなのか、どちらに向かうのでしょうか。

「そんな世界には生きていけない」、「僕は嫌だ」と、ビール好きが思わず叫びたくなるディストピアな世界を、あるビールメーカーが示しました。

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それはアメリカのコロラド州にあるNew Belgium社が発売をした、人気アンバーエール「Fat Tire」の6本パック。価格は何と100ドルです!!!

なぜそんなに高いのか、どんなディストピアな世界が待っているのか、この後ご紹介します。

まずNew Belgiumについてですが、紛らわしいのですがベルギーの会社ではありません。
創業者が自転車でベルギーのビール醸造所を回り、その後立ち上げた醸造所なので、New Belgiumという社名、Fat Tireという商品名の由来になっています。

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今やアメリカNO.1クラフトビールと言われているFat Tireが、2020年8月7日の「International Beer Day」(国際ビールデイ)に販売したのが、6本100ドルのビールです。

このビール、何か特別なプレミアムなものでもなんでもなく、普通の商品です。通常価格の約10倍で、コロラド州とミネソタ州の一部の店舗で販売されました。

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いよいよ本題ですが、なぜこのような事をFat Tireは行ったのでしょうか?

これは売り上げを伸ばすためのキャンペーンではなく、地球環境・サステナブルの重要性を訴えるためのものでした。

このまま環境破壊が進むと、「50年後にはビールがこのくらい高くなる」というメッセージで、言葉だけでなく実際に100ドルで商品を販売することで、大きなインパクトを与えました。実際に売っているとリアリティが出ますよね。
※NYタイムズで広告も掲載しています

ビールを持つ手が震えるほど、恐ろしいディストピアな未来です、、、

ビールは天然資源に依存しているので、このまま気候変動が納まることなく継続した場合、資源のコストが上がってこの価格になるという事です。

こんな最悪な世界にさせないために、自社での取り組みなどをウェブサイトで公開しています。

New BelgiumはB Corporation認定を受けていて、全米初のカーボンニュートラルなビールブランドであるなど、以前から環境への取り組みに積極的な会社でした。

「Drink Sustainably」(サステナブルに飲もう)のサイトでは、6本入りビールが100ドルになる理由、環境破壊がコミュニティに与える影響、自社のカーボンニュートラルの取り組みなどを、自社のPR目的というよりも、オープンソースなプラットフォームとして公開しています。

興味のある方はぜひウェブサイトをよく見てください。

ここまではコロラドのビールの「Fat Tire」についてでしたが、続いてはブラジルのコロラドのお話を。

ブラジルにコロラドなんてあるの?と思ったかもしれませんが、あるんです!それがこちら!!

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ブラジルのクラフトビールメーカーのCervejaria Colorado社がこの9月に販売を開始した「COLORADO AMAZÔNICA」。

こちらの商品は何と、アマゾンの森林破壊の状況に応じて価格が変動するビールです。
森林破壊が進むと価格が上昇し、森林破壊が減少すると価格が下がります。

アマゾンの環境保全のために生まれたビールで、売り上げは地域のコミュニティに寄付されるということです。フレーバーはアマゾンを意識したものになっているそうで、どんな味なのか飲んでみたいですね。

本日の価格ですが、RS8.01という事なので、日本円で160円程度です。
これ以上価格が上がらない=アマゾンの森林が破壊されないで欲しいです。

今回はうわべのエコロジーとは一線を画す、環境課題解決型のビールを取り上げました。
いつまでも美味しいビールを楽しめますように🍺


写真出典元:
https://bit.ly/35ouULG
https://bit.ly/33jN5iZ
https://bit.ly/33i19cV
https://www.cervejariacolorado.com.br/amazonica


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