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マーケティング戦略|データ・マイニングについて

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|データ・マイニングについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

データの有効活用による法則性の発見

企業経営においてデータの有効活用は不可欠のことです。大量に収集されたデータを仮説を立て、分析・検証することによって現象間のさまざまな相関関係を発見する方法をデータ・マイニングといいます。

データ・マイニング

マイニング(mining)とは採掘という意味です。データ・マイニングとは、金を発見するように、大規模なデータ・ウェアハウスの山の中から企業経営に有効なデータ間の相関関係を導き出すための手法やソフトのことを指します。
★ウォルマートの事例が代表的で、しばしば引用されます。同社では紙オムツと缶ビールの売り上げに相関があることを発見しました。赤ちゃんが生まれたばかりの家庭では、夫が買い物に来ている場合が多く、オムツとビールの併買現象があったのです。
POSデータの充実と活用により、今日ではどのような時間にはどのようなタイプの消費者がどのような商品を購買するかということを詳細に分析できるようになりました。これは大量なデータの入手、高性能のコンピュータ、多変量解析を行うためのアルゴリズムやソフトの開発のおかげです。
★しかし、企業が戦略に生かせる相関性を発見するためには、まず実務に相当明るく、実際に起こりうる仮説の構築ができなければなりません。また、アウトプットとして出てきた分析結果をきちんと読んで、それを戦略へと翻訳できなければなりません。そのために、データ・マイニングの活用にはかなりのスキルの習熟が必要となるでしょう。

事例

製造業

製造業では、工場の生産ラインにセンサーを設置してデータを収集し、データマイニングを行います。
まず、製品の質や、生産性を向上するために、歩留りやサイクルタイムを分析したり、品質低下の原因を突き止めて改善するといった活用法があります。
また、生産ラインの機器が故障するタイミングや箇所、原因を特定することで、メンテナンスを最適化することができます。メンテナンスでも故障でも生産ラインを止める必要があるため、必要最小限に抑えられれば大きなメリットです。

小売業

小売業では、過去の販売データから、季節や曜日・天候・時間帯などによって販売予測を立て、在庫の最適化に活用されています。
また、顧客の過去の購入データからおすすめ商品をリコメンドしたり、顧客の属性や特徴ごとに最適なコミュニケーションを行うことで、顧客満足度を向上させ、リピーターやロイヤルカスタマーを醸成することにも活用できます。
サブスクリプションモデルの販売方式を採用しているケースでは、過去の解約データから、これから解約されそうな顧客を洗い出して、クーポンを送付するなどリテンションを行い、解約を未然に防ぐこともできます。

金融・保険業

金融業では、顧客が普段、利用している支店やATMの場所、決済金額といった行動パターンを元に、キャッシュカードの盗難やクレジットカードのスキミングなどを検知し、不正利用を最小限に抑えるのに役立ちます。
保険業においては、過去の加入者への保険金の支払い状況と、加入者の属性データなどから、加入希望者への支払い額の予測を立て、保険料を決めるのに役立ちます。
また、小売業と同様に、解約防止にも活用できます。

医療・健康

医療分野では、過去のカルテから、データマイニングにより、患者の特性ごとに効果の高い治療法を導き出すことができます。医療におけるデータマイニングは特に「医療データマイニング」とよばれます。
健康分野では、保健師が指導した記録をデータマイニングして、どのような特徴の人にどのような指導をするのが効果的であるかを把握するのに役立てることができます。

教育

教育分野では、大学が学生の卒業見込みを測るのにデータマイニングを活用できます。各学生の卒業や単位取得、編入、継続、在籍の見込みを数値で把握し、たとえば、卒業できない確率の高い生徒には、個別にアドバイスを行ってサポートするといった対応が可能になります。

公共

データマイニングは、公共にも役立てられています。たとえば、天気予報もデータマイニングの一例です。過去の気象データを解析することで予報を行っています。市町村レベルの局所的な天気についても、スマホアプリからユーザーの位置情報とともに天気データを送信してもらうことで、ゲリラ豪雨のように局所的・突発的な天気も予測できるようになりました。
また、公共交通機関のピーク時の利用者とオフピーク時の利用者の属性をデータマイニングによって分析し、混雑緩和策を立てるためにも活用できます。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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