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最後を考える

前回「思い通りには」というタイトルでしたが、一番思い通りにいかないのは自分の体調です。
周囲の人を動かすこと以上に、自分の体内の疾病を操作することはできません。
「風邪治って」「腰痛消えて」と思っても消えてくれませんしね。

準備は万端に

自分は内臓疾患がいくつかあります。
6年前に胃痛が原因で受診した内科で、胃カメラと一緒に受けた超音波検査で偶然、別の臓器にがんが疑われる大きさの物体が見つかりました。
「今でも手術の対象だけどまだ大丈夫で、増大傾向があれば大学病院を紹介します」とのことでした。

いつ手術になってもいいように、この日から手術貯金を始めました。
働けるうちに目一杯貯めておこうと。
その後は例のアレが蔓延して動物園にも行けなくなりましたし、音楽活動もリアルなものはできなくなりましたし、もともと物欲がないので働けば貯まる状態でした。

その後毎年超音波と胃カメラを受けて、物体の増大と血流が見つかった(=血液から栄養が供給される=成長する可能性)ことで、いよいよ大学病院を紹介されました。
当時は週5フルタイムの仕事もしていて、手術貯金は十分貯まっていたので、次の休みに大学病院へ行きました。
手術を打診され、手術の1ヶ月前から複数の検査を受けてもらうという話でした。
フルタイムに加えて本業(音楽など)の仕事がいくつか決まっていたためすぐには無理なので、先延ばしできるぎりぎりを聞いたら「半年以内には受けてください」と。
5ヶ月目にいろいろ検査して、手術できることが確認されたら半年後に手術ということで話を進めて、その前の4ヶ月目に改めて予約を入れることになりました。

フルタイムの仕事は5ヶ月目の月末で一旦退職して、有休消化で5ヶ月目の平日はすべて休み。
大学病院はただでさえ検査が予約でいっぱいで、複数の検査があると空いているところに予約を勝手に入れられてしまうため、平日をあけておいて「どこでもどうぞ」という感じにしました。(有給追加されたばかりだったのでできたことでもありますが)
6ヶ月目は入院手術で1ヶ月休んで、7ヶ月目に経過を見て復職するという流れでした。

ここまでは準備万端でした。

邪魔が入る

で…その後紆余曲折を経て、手術を受けられないまま今に至ります。

邪魔が入りました。
家庭内のことなので詳細は伏せさせていただきますが、確定診断前とはいえ、大学病院でもがんの可能性が高いと言われた家族が自ら貯めたお金で手術を受けようとするのを邪魔するのはいかがなものでしょうか…。

それでも負けじと、働けるうちにまたお金を貯めようと思っていました。
フルタイムの仕事にも復職したものの、在宅生活を余儀なくされ継続困難になり正式に退職。
1年間無職を経験したこともあり、その後細々と働けど自分が自由にできるお金はないので病院にも行けない日々が続きました。

そんな中でも祖母だけは応援してくれていましたが、その祖母も数年前に亡くなりました。
子どもの頃からおばあちゃん子で、今でも仏壇のお花やお菓子を絶やしたことはありませんが、家庭内で最後の味方を失った瞬間でもありました。

現状

Mastodonでつぶやいておりますが、昨年11月くらいから体調の悪化が著しく、自覚できるほどの下り坂を日々描いています。
週数回という外出の仕事ができる状況はすでに終わり、先週からは寄りかかれる壁が横にないと座ってもいられない状態です。
大学病院を紹介されてから4年、一切治療せずに放置してここまでもったのは頑張ったとは思います。

今は3箇所痛む場所があります。
6年前に見つかった物体はその周囲の臓器が痛むのですが、その辺り一帯の痛みが一番大きいです。
残りの2か所のうちのひとつは、体表面を押し上げているほどかなり増大しているので見るだけでわかります。
触ると掌の大きさくらいあり、そこも痛いには痛いんですけど、上の浸潤しているほうが痛いので…。

お仕事を請け負いたくても、仕事としての責務を全うできる状況ではないため、対価をいただくお仕事はお受けできない状態にあります。
なにかあったらできなくなってしまいますから…。
仕事は達成することが前提ですので、それが確約できない今は安請け合いできないのです。

終止線の迎え方

せっかく音楽を再開できたのに…と悔しい気持ちはぬぐえませんが、音楽家は総じて短命です。
自分に限ったことではありませんから、たとえ太く短くでも最期まで音楽をやり続けます。
自分がいなくなった後も音楽や楽譜は残りますから、それらに後悔を残さないように今は精一杯やるだけです。
ひとまずバンドアレンジがあと12曲あるのでそれをやり遂げることを目標に…。

といっても、いつ終止線を迎えるかは誰にもわかりませんからね。
この体のまま30年経っても生きてるかもしれませんし…。
手術貯金の時もそうですが、いつどうなってもいいように備えるのは良いことだとは思いますので、明日終止線を迎えても良いように今日も精一杯やります。

オリジナル曲をもっと作りたかったし、やりたかったことは数えきれないほど残っていますが、それは輪廻転生の末に良き人生を歩む来世の自分に期待します。


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