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信仰の力

全世界にある大聖堂、寺院

これらが信仰によって
建てられたことを
知らない人はいないだろう。

しかし、よく考えてみてほしい。

そんな寺院や大聖堂を
建てたからといって
金が儲かるわけではない。

もちろん建設業者等、
一部の人間には賄賂も含め
既得権益があるかもしれない。

問題はそこではなく
一般民にとってのいわゆる

Give and Takeの法則を
逸脱しているのだ。

もっとわかりやすく言えば
神のご加護、現世利益と

将来の天国行きを信じて
建設費用を捻出しいるのだ。

なんの保証もないのに。
ただ”信じる”という行為だけで。

これって、すごくない!?

建設労賃の支払いがなくても
自ら進んで巨大な偶像を掘ったりも
しちゃうわけでしょ。

他人の仕事を仰せつかった時は
「安い給料でこき使いやがって」だの

「あの仕事はイヤだ。この仕事がいい」だのと
文句ばっかり言う人も、

どういうわけか
信仰の対象物を作る時は
タダ働きでも喜んで一所懸命だ。

何が彼らをそうさせるのか。

どう合理的に考えても
神の国なんてないし、

現世利益もないということを
本当は薄々わかっているのに。

宗教心という情熱のみで
巨大建造物を作り上げてしまう。
しかもタダ(無料奉仕)で。

これってホントすごくない!?

ここで言いたいことは
宗教を持ちなさい
ということではない。

もっとも小生は仏教徒であるので
仏教はオススメではあるが。

そしてオススメすることで
最大の功徳が得られると

お釈迦様が言われたので
それを信じているのではあるが、

それはさておき、
ここで申し述べたいことは

「この人のためなら死ねる」とか
「この人のために〇〇する」などの
ような信仰心を基盤にした

組織作りがなされると
巨大なモニュメントが
誕生するということである。

Oxford Languagesの定義によれば、
モニュメントとは比喩的に、
後世に残る不朽の功績・作品などを指す。

さて偉業を成し遂げるため、
成功するための要諦は何か。

その答えは組織作りである。

その要諦の組織作りで最強のものが
教祖を信仰する教団、信者というわけだ。

何しろタダで働いちゃうんだから
手のつけようがない。

この記事は宗教へのお誘いではなく
組織論であり、組織に加入したならば、
どうすべきかを示すということが狙いだ。

その理由をこれから記す。

まず人間(ヒト)は
一人では生きてはいけない動物
という大前提がある。

そこで本来なら類人猿の群れの話から
ホモ・サピエンスの社会性のある集団の話が
展開されるのであるが割愛する。

とにかく2人以上で
組織を作る必要がある。

一人は理念、理想を掲げる指導者
宗教で言えば教祖であり、

もう一人はその支援者、従者
宗教では信者に当たる。

これが最小単位の組織である。

だから、3人、4人と
構成メンバーが増えてくれば、

自ずと一人の指導者の下に集う
臣民という構造体が出来上がり
忠義という血液が流れ始める。

このような例は
世界中にいくつもあるが、

日本の例として参考になるが
NHK BS ザ・プロファイラーで紹介された
「ソニー創業者・井深大 愉快ナル理想工場」 である。

盛田昭夫を筆頭にまさに
「井深さんの創造したもの、
考えたもの、理想を実現する。
井深さんのために」
という思いで働いていたようだ。

もうほとんど
信仰に近いものがあるから
井深さんは神のようなものだ。

はて、日本には
そうして神になった人が
何人もいる。

経営の神様といえば
松下電器、松下産業を
作り上げた松下幸之助。

世界のホンダの本田宗一郎は
神とは呼ばれていたなかったようだが、

ホンダ(本田技研工業)では、
本田社長を「オヤジ」
藤沢武夫副社長を「オジキ」
と呼んでいたようだ。

ヤクザかって!
ツッコミたくなる
エピソードである。

任侠の世界は鉄の掟で
支配されているだろうから

組織がいかに強固なものか
想像に難くない。

そんな中での組長は
ある意味、神に相当するだろう。

世界に目を向ければ
ヨーロッパの方にも
成功事例はあるだろうが、

やっぱり何と言っても
派手なものはアメリカンドリームだ。

アップルの
スティーブ・ジョブズなんて
すぐに思い当たる。

アップル信者などという
言葉を生み出すほどのカリスマだ。
こちらも、ほぼ神でしょ。

さて、ここまで天才的な
カリスマリーダーと

その組織の成り立ちについて
議論してきたが、

あなたは、こう思うのではないだろうか。

「彼らは天才。自分には関係ない」

自分はとても神になど
なれないと思うだろう。

実のところ、はっきり言って
神になる必要もないのだ。

あなたが、今どのような
ポジションにいようと関係ない。

新入社員であろうと、
平社員であろうと、

あるいは部課長などの管理職、
さらには役員でも関係なく、

あなたは直属の上司または部や課、
プロジェクトチームなどの上長に
忠誠を尽くせばいいのである。

役員であっても
序列や派閥があるであろうから、
そこでのボスに忠誠を尽くせばいい。

あなたが忠誠を尽くすことは、
あなたへの後続からの忠誠も得られる。

忠誠の連鎖だ。

歴史家の加来耕三さんは、
豊臣秀吉が明智光秀を討つための行軍を
奇跡の中国大返しと呼ばれているが、
その奇跡を可能にしたものは人間の欲だという。

足軽など一兵卒も含めて
「まてよ、もし秀吉様が光秀を倒して
天下人になったら自分も出世するんじゃないか。

足軽というフリーター状態から脱し
侍になれるじゃないか。
侍(正社員)は侍大将(部長)に、

侍大将は・・・
大名(役員)に、

城持ち大名(支社長)に
なれるかもしれないと思ったら、
そりゃモチベーションかかるでしょ」。

で結局、秀吉は神になったわけだが、
この時の従者の何人かは出世したでしょう。

この話からわかることは
上司が出世するば
自分も引きずられて出世できる。

だから上司に忠誠を尽くせというわけ。
自動的、エスカレーター式だけではない。

忠誠を尽くす部下、子飼いの家臣を
カワイイと思わない上司はいないはず。
だから、彼の力で引き上げてもくれる。

上司の人脈も財力もノウハウ、
そして権力もシェアできるようになる。

これは七光効果と同等で、
いずれ上司が引退すれば
そのまま世襲、権力移譲となる。

当然あなたの部下も
権力の甘い蜜が落ちてくるのを
口を開けて待っている。

同様に忠誠を尽くす部下は
カワイイだろう。

巨万の富を築いた鉄鋼王
アンドリュー・カーネギーも
上司に好かれ、引き上げられた。

すぐれた上司のもと経営のノウハウ、
資金集めの方法を学び、人的資源、援助を
得て少しずつ成長していった。

そして、満を持して
「これからは鉄の時代が来る」という
直感を信じて全てを投資して大成功した。

失敗したら全財産失い
大借金を抱えるリスクがあった。

本人にしかわからない
恐怖もあっただろう。

しかし、最後は決断即実行だ。
迷っている暇はない。

迷っている間に
仕事(マーケット)は
他の人に取られてしまう。

カーネギーが
「これから鉄の時代だ。今だ!」
という決断を先延ばししていたら
他の誰かが鉄鋼王になっていたことだろう。

「迷ったら、すぐやる」
すぐに行動に移す。

決断即実行!
これを肝に命ずるべきだ。

その後カーネギーは
タコ足組織を作り
巨万の富を得ることになる。

そうして組織作りの
重要性を説くようになるのだが、

そのまず初めの第一歩は
上司への忠誠であり、
可愛がられる部下としての自分であった。

以上のことから
「この人のためなら死ねる」
「この人のために〇〇する」
と同じ構造が読み取れる。

しかるに
忠誠≒信仰
という結論が得られる。

忠誠の連鎖反応が起き
世界企業ソニーが成立した。

社員各員が自らの持ち場に
使命感を持って一所懸命に働いた結果、
巨大な組織が出来上がったのだ。

あなたは誰に忠誠を尽くすのか。
もし忠誠を尽くす相手がいない、

信仰の対象となる人がいないなら、
今すぐ信仰の対象となる人を作るべきだ。

それがこの世での
あなたにとっての
現世利益なのだから。

最後の質問
あなたの使命は?

追伸:
岡田准一主演「海賊と呼ばれた男」は
信仰の力をドラマティックに表現している。

信仰の力で起こる奇跡、
世の理不尽に抗する大逆転を
映像で見ることができ実感できる。


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