地方に"イノベーション"が起こらない理由

このシリーズも、たまには愚痴じゃないやつを。

さて、のっけから批判を浴びそうなタイトルなのだが、新潟にUターンして3年とちょい、新潟でのStartup Weekendをはじめとするハッカソン、アイデアソンにいくつか参加し、本日東京にて開催された防災ハッカソンに審査員として参加して思ったこと。

理由はこれしかない。

地方にはイノベーションを起こす理由がない

ということ。
ま、地方ったって千差万別だろうから、とりあえず私の居住地新潟限定で考えてみると...

問題は本当に問題なのか?

経済におけるイノベーション、つまりスタートアップ(起業)を考える際、外せないのが"顧客の課題解決"ということ。

顕在化していない"問題"を、解決すべき"課題"として設定し、そのソリューションを考えていく、これが現代的なマーケティングのアプローチだし、スタートアップを少しでもかじったことのある人なら誰もが通る道だと思う。

が...課題あるところにソリューションあり。

極論を言えば、新潟には解決すべき課題がないから、イノベーションが起こらないのかもしれない、と、今日改めて感じたところ。

ウソやろ地方なんて課題だらけじゃ!と思う方はちょっと待っていただき、東京に行ってみてほしい。

田舎暮らし(と言っても私は政令指定都市暮らしだが)に慣れた身としては、とにかく人は多いし変な人(まあ私もだいぶそうだが)も多いし、それが電車にすし詰めだし、コンビニにトイレもないし、渋谷の駅はなんか変な匂いするし、いろんなところがカードキーで管理されてるし、イライラすること甚だしい。
新潟なら暑くても車に乗ればドアツードア。高い金出さずともそれなりに広い家もある。
もっと田舎へ行けばもっと色々大変なこともあるけど、まあ朝起きてうまいメシ食って夜寝るという生活はできると思う。これだけでもだいぶ幸せ。

じゃあ、田舎の問題ってなんじゃいなって考えると、とにかく人が少なくなっていること。だから、"将来的に"マーケットが縮小し、税収も減り、行政や福祉サービスが立ち行かなくなる。かなりヤバい。

でも、それって"あー、めっちゃ暑いし混んでてイライラするわ"よりも強烈かって言ったら、全然そんなことはない。将来的な話だからね。

つまるところ、なんだかんだ地方の問題って課題になってソリューション考えなきゃいけないほど、まだまだ身近になってないのですよ。それも、年取れば取るほどね。役人であればなおさら。

翻って考えると、私がなぜスタートアップやイノベーションに注目してるかをメタな目で見ると、"自分がやってておもしろいから"に尽きる。これ以外にはないと思う。

事実、東京でのハッカソンは楽しかったし、思いもよらないトガったアイデアが、スキルフルなメンバーによりどんどん形になっていく、このダイナミズムこそがイノベーションだと思う。

だけど、生まれたアイデアをどう新潟に落とすか、と考えると、トガっていてアウトプットのおもしろいアイデアであればあるほどなかなか新潟のニーズとマッチしそうにない。
それは、マーケティング的な視点で言えば、新潟にはイノベーションのニーズがないと言うことだからだと思う。
理由はただひとつ、まだ問題が顕在化しきっていないから。

そして、災害時には本当のイノベーションが起きると思う。全ての価値観を変えるほどのインパクト。
だけど、それを願うのはちと違うしなー。ほんとはほら、平時からの備えってやつ?個人的には全然ピンとこないやつ。

とはいえ、今日集まっていた方々で新潟から参加されていた方や、私が普段接している方々は、新潟県の未来を考えてイノベーションが必要だ、と思って活動している方ばかりだし、もういろんなところで問題は顕在化してきて、役所的にも"喫緊の課題"になってきている(役所がそういうことを言う時はその成分の90%がアリバイであることも付け加えておく)

踏まえて、エンタメ業界純粋培養からの役人である私にできそうなことは、地方におけるイノベーションをいかにおもしろがることができるか、そして、それに周りを巻き込めるか、ということなのかな、と改めて思ったところ。
だって、今回の参加者の8割が新潟とは関係ない方々で、それでもおもしろければ(この場合はイノベーティブな意味で)、新潟のことを自分ごとで考えてくれる。

なんかさー、人が減りまくっていったら楽しくないじゃん。おもろいやつに囲まれて余生を過ごしたいじゃん。その舞台が生まれ育った新潟であった方がなんかいいじゃん。

ま、それくらいのノリで、引き続きエンターテイナーへの道...じゃなかった、役人としてなのか、違う形としてなのか、新潟に残れる道を模索してみたいと思う。

とりあえず今日はそんなところで。

#新潟県 #地域活性化 #働き方改革 #行政 #スタートアップ #イノベーション

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?