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#197読書から旅する(24)

2週空いた読書…気を取り直して。
こちらは15年前に読んで以降の再読であるが、読後に感じる瑞々しさは変わらない。

方法序説 デカルト著

なにかというと「デカルトの二元論が…」と書かれることが多い。
この一部の“表現”のみ引っ張り出して己の主張の『正しさ』を『証明』しようとするのか、世の人、しかも学者や作家などインテリとされる人々が。ひどい時には揶揄されることもある。

この本の本懐は、デカルトの思想や思考、哲学を知り理解することではない。この本の文章そのものの流れに身を置き、デカルトとともにこの世の理の川を泳ぐことだ。
かく言う私も、初めてこの本に接した時は前者のように「哲学本」、高尚な学問の扉を開くかのような心持ちでいた。が、実際読んでみると、心が晴れ晴れするのが分かった。全てはこの『自分』となるものに帰すると思い至る過程が、ある種の冒険譚のように思えたから。

日本語訳の素晴らしさもあり、デカルトとともに見聞きし考え意見する、そんな本である。

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