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#331 『現場主義こそがすべて』

本日は、広島市信用組合理事長の山本明弘さんの「現場主義こそがすべて」についてのお話です。

"近年、多くの金融機関がこの足で稼ぐ仕事を非効率だといって切り捨ててしまいました。だからといって動かなくては預貸金は伸びない。代わりに出てきたのが早く目先の数字が上がる投資信託やデリバティブです。自分も取り残されまいと地方の小さな金融機関までもがこぞってそれに参入した。その結果、いろいろなところでトラブルや多大な損失を生んでいるのはご存じのとおりです。"
"その点、私どもは一見、非効率のように思える現場主義こそがすべてだと思って今日まで歩んできたわけです。私自身のことで恐縮ですが、1月7日の新年挨拶は、その日だけで55軒のお取引先を訪問しました。"
"私どもの経営はとにかく機敏なフットワークとフェイス・トゥ・フェイスなんです。いまどの企業も現場主義、現場主義と言っていますが、問題は実際にそれをやるかどうかです。それには口だけじゃ駄目です。トップ自ら範を示さなくてはいけません。"
"自分の足で現場に行ってみると、いろんなことが分かりますし、行ってみなくては分からないことがたくさんあります。優良企業でも何気ないところを見て「ああ、ちょっとおかしいな」と気づくことがある。従業員さんの職場規律ができていなかったり、勢いがなかった李、半年前の行事が黒板に消されずに残されたままだったり。"
"直接訪問することで新規事業や設備投資に関することなど、貴重な情報も山ほどいただくことができます。中小零細企業はお金が要らないんじゃない。なくて困っているんです。歩くことでいくらでも資金需要が出てくる。これが現場主義の一番の強みです。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/11/27 『現場主義こそがすべて』
山本明弘 広島市信用組合理事長
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※Photo by Timon Studler on Unsplash