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#333 『プロとは考えずして正しい答えが出る人』

本日は、船井総合研究所社長の船井幸雄さんの「プロとは考えずして正しい答えが出る人」についてのお話です。船井さんコンサルティング企業で世界で初めて、株式上場を果たした船井総合研究所の創業者であります。著書が400冊を超えており、コンサルティング業界や多くの経営者にその考え方が広まっています。

"依頼の多くは、業績の悪化を向上させたいということです。それには、''つきの原理''を利用することなんですね。業績が悪いというのは、つきが堕ちているときです。考えること、なすことみな悪くなっています。そんな時に、意思決定をしてはいけないし、ものを考えてもいけない。みな無駄になる。だから、まずつきをよくしなさいと、つきをよくするまでは、何をアドバイスしてもいけないと、うちのコンサルタントにも言っています。"
"そのつきをよくするために考え出したのが、船井流の「即事業績向上法」です。つきが悪いのに、誰がやってもポーンとつきを上げるところまで持っていく方法です。私は、この方法を考え出したので、コンサルティング業という商売が成り立っていると理解しています。つきを変えてから、先方さんと一緒に考えてアドバイスしますから当たる、非常に簡単な理屈です。"
"自分の会社の中でつきのいいものを見つけよ、そして、そのつきのよいものに力を入れなさいというだけなんです。例えば、全体の売上が、前年比で70%しかなかったとしても、企業ってのはいろんな商品を扱っていますから、物によっては伸びているものがあるはずです。また、お得意先、あるいは仕入れ先でも、去年より伸びているところが必ずありますでしょう。それはついているということです。"
"伸びている商品、伸びている得意先に力を入れると、ピョコと上向きますよ。すると、つきも上向く、そこがポイントなんです。自分のところが伸びていくと、今度は周いのついている人が付き合ってくれますからね。つきの悪いときは、他人は付き合ってくれませんでしょう。ついている他人と付き合いはじめ、つきの管理をしていけばいいわけです。"
"私は30年近くこの仕事をやってきて、経営に関してはプロだと思っています。このプロというのは、考えずして正しい答えが出る人をいうんですよ。特に、流通に関しては精通している一人だと自負していますが、百貨店でも小さな小売店でも、店内を一度、ぐるっと回れば、だいたいの売上高と利益率が分かります。ですから、どうすれば売上が上がるかも分かるんです、考えずしてね。相談を受けたら、考えずして正しい答えが出ないと駄目です。考えておきますというのは、それだけでプロとして失格です。これは、正しい直感力が働くということです。これを、お釈迦さんは別の言葉で、''悟り''といっています。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/11/29 『プロとは考えずして正しい答えが出る人』
船井幸雄 船井総合研究所社長
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※Photo by Saketh Garuda on Unsplash