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ものがたりを書いてみた(4) 史帆と香苗 第二章~10年ぶりに再会したおさななじみの女の子二人が恋をして、やがて別々の進路を歩みはじめ、もう一度出会うまでの物語。
0 プロローグ 再開し、気持ちを伝え合った二人の女の子が、再び別々の道を歩みはじめるはなし わたしは佐野史帆(さのしほ)。今年の四月から国立茗荷谷女子大学附属高校に通っている16歳。うちの高校は、まあ、女子の中では最高峰などと言われている。しかし、世間でイメージされがちな、受験以外目もくれないという校風ではない。先輩たちを見ていると、行事に命をかけているし、先生方はむしろ受験対策など愚の骨頂とばかり自分の専門領域の話をする。それでも進学実績がすごいのは、ぶっちゃけポテ
ものがたりを書いてみた(3)ライト百合 『史帆と香苗 ~幼なじみが再び出会い、お互いの気持ちを確かめ、再び別の道を歩みはじめる物語~
0 プロローグ お姫様と王子様 「こらあ、おまえたち、弱い子泣かせて恥ずかしくないのか!」 「泣くなよ。またいじめられるぞ!」 「う、うん。わたし、しほ。さのしほ。あなたは?」 「あたしはかなえ。あいだかなえ」 「かなえちゃん、たすけてくれて、ありがとう。」 私は佐野史帆。小学校に入ったばかりの頃、体が小さくていじめられていた私を、いつもかなえちゃんが助けてくれた。わたしのヒーロー。あこがれの存在。 でも、半年後、母の仕事の都合で私は東京から青森県に引っ越した。