子の刻参上! 一.あけがらす(十四)
瓦版だの芝居だので日本駄右衛門がもてはやされているが、衆を頼むのが大の苦手な次郎吉は、あの盗賊集団があまり好きではなかった。
大名屋敷を仕事場にする、という部分は同じだ。
お武家屋敷は、お上にはばかって、さほどの武力を持てない。謀反を疑われないよう、非常に手薄なのだ。しかも、盗みに入られたとあっては「不行届(ふゆきとどき)」のお叱りを受け、取り潰しや国替えの候補として目をつけられてしまう。したがって、やられても、表に出せない。
その意味で、お武家屋敷から金品をくすねる、