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お父さんが白血病になりました。〜ある家族看護の記録

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13歳と10歳の子どもたちを残して、お父さんが急性骨髄性白血病で入院しました。親族の僕が、家族看護に入っての記録集。
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2019年8月の記事一覧

風が巻く日

風が巻く日

台風の前に病院の洗濯物を引き取りたくて、お盆休日ダイヤの電車とバスを乗り継いだ。
30分に1本のバスを目前で逃がし、時折強くなる雨足を受けるバス停の屋根の下に待つ。
不規則な風が時折止まり、時折巻く。大きな台風が沖で居座っている日。

面会時間の10分前に、面会受付の待ち行列に並ぶ。
休憩テーブル群の隅っこでツナマヨのおにぎりのセロハンをあけていると、隣では亡くなった方の家族が話していた。
警官が

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ああ、夏休み

ああ、夏休み

毎日毎日毎日毎日、親戚の子ども2人にメシを提供し臨時の見舞いに対応している間に、父親が死にまして。

通夜も葬儀も母に任せきりの、死に目にも合わずじまいの、散々な事態になりました。

入院中のパパさんの家から僕の実家は遠いので、戻ってるうちにこっちが急変したら子供2人ではなすすべがない。

軒先を貸して母屋を取られる、ということわざはありますが、他人を助けてる間に自分がドツボる、というのは、どうい

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