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BTN vs SBの3bet potでCBを打たないシチュエーション

はじめに

Lillian先生の「全レンジCB戦略と、ポーカーでbetする理由(有料記事)」でSB vs BTNの3bet potにおける全レンジ1/3CB戦略が取り上げられています。
この記事を読んでから3bet potでは、1/3CB戦略を実践していますが、感覚的に1/3CBを打ちたくないFlopのテクスチャー(ローボード、
コネクト、モノトーンなど)に遭遇することがありました。
1/3CBを打ちたくないという感覚の妥当性を検証することと、より正確なGTOを学ぶために100BB持ちのBTN vs SBの3bet potをランダムに抽出した200のフロップを用いてGTO+で解析することにしました。なお、お互いのレンジはPreflopAdvisorを使用しています。
細かいシチュエーションや設定は一番下に載せていますので、気になる方は先にそちらをご覧ください。

この記事で明らかにすること

今回はOOP(SB)に焦点を当てて、以下の4つの点を明らかにすることをこの記事の目的とします。

0/ 全体の傾向
1/ 3bet後にOOPが x で回すべきボードの特徴
2/ 3bet後にOOPが 1/3CB を打てるボードの特徴
3/ 3bet後にOOPが 2/3CB を打てるボードの特徴

0/ 全体の傾向

OOP(SB)のEquity、EV、66% bet、33% bet、Checkの平均値は以下の通りになりました。

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(サイズに関わらず)Bet 約55%でCheck 約45%という結果になりました。
以外にCheckを選択するシチュエーションも多いことが分かります。

1/ 3bet後にOOPが x で回すべきボードの特徴

Checkの頻度が高いもの順にソートしてみます。
Checkの頻度が70%以上のものは、Checkに回す方が正しいと言えそうなので、70%以上になるボードの条件を見ていきます。

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コネクトボード
連続した数字からなるボードのことを便宜上コネクトボードと呼ぶことにします。たとえば、7c6s5hや6h4c3dなどのボードを指します。

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このボードでCBを打たない理由として考えられるのは、ストレートとなる89やツーペアになる65といったハンドはBTN側にしか存在しないことが大きな理由だと思います。

モノトーンおよびツートーンボード

KdQd3dなどの同じスーツのみで構成されるモノトーンボードおよび、7d6d5sなどのふたつのスーツから構成されるツートーンボードでは、Checkで回す頻度が高くなっています。

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※ Suitesカラムは 1 = レインボー、 2 = ツートーン、 3 = モノトーン

モノトーンボードでは、Check頻度が一番低かった Kd7d6d のボードでも 2/3 bet 2%、1/3 bet 33%、Check 66%となっていました。
AハイやKハイのモノトーンはCB頻度が上がるかと思っていましたが、特にハイカードはCBの頻度にあまり影響を与えないようです。
特に下からミドルカードのスーコネのコンボ数がSBよりBTNのレンジに多く含まれるため、モノトーンボードでCheckを選択する頻度が高くなるのかなと思います。

2/ 3bet後にOOPが 1/3CB を打てるボードの特徴

1/3 betの頻度が高いもの順にソートしてみます。
1/3 betの頻度が70%以上のものが少なかったため、頻度が50%以上のボードの条件を見ていきます。

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レインボーかつA~Kハイボード
レインボーでハイカードが多く含まれるボードの場合に1/3betの頻度が高くなることが分かります。
多くの場合、SBの3betレンジに有利なボードになるため、CBを打つことができ、BTNの弱いレンジをフロップで降ろしてエイクイティを搾取することができます。
上記の表を見ると、AsAc7hやKsKd3sなどのペアボードも含まれています。ハイカードはどちらのレンジにも存在しますが、AAやKK、AKなどナッツや良いキッカーがSBのレンジに多く存在するため、CBが打てるのだと思います。
一方でミドル~ローカードのペアボードを見てみると、bet頻度が下がっていることを考えると、ペアボードの場合は、ペアになっているカードがどちら側のレンジに有利なのかがCBを打つ、打たないを決める要因になっていることが分かります。

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3/ 3bet後にOOPが 2/3CB を打てるボードの特徴

2/3bet の頻度が高いもの順にソートしてみます。
betの頻度が高いものから見ていこうと思いましたが、bet頻度が50%を超えるものが5件しかありませんでした。

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このソート結果を見ると、基本的に1/3CB or Checkでバランスをとっていくという戦略が良さそうです。
分析の質をさらに上げていくためには、33% betは低頻度で66%とCheck頻度が高いものを個別に確認したり、120% betを含めて解析することが必要になりそうですが、学習の優先順位の都合上(※1)、今回は割愛します。
※1 細かいGTOを勉強していくよりも、BTN vs CO の3bet pot など他のよくあるシチュエーション、かつ、損益に与える影響が大きいスポットを学習する方が効率的だと考えています

さいごに

以上の簡易的な分析を通して、BTN vs SB 3bet potにおけるSB側のCBについての基本的な戦略が理解できました。
これをベースに次はSBのCheckまたはBetに対してBTN側はどういう戦略を取りうるのかを検討していきたいと思います。

Twitterでフォロー&リツイートいただき、私のTwitterに「スプレッドシート希望」とDM送って頂いた方には、今回の分析に使用したスプレッドシートを差し上げようと思いますので、ご自身の分析に役立ててください。
https://twitter.com/TKT_JA

この記事で使用したスプレッドシートのカラムおよび関数はHigashiさんの「IP vs BB SRP マージドレンジ チェックレイズ戦略」で購入したスプレッドシートを参考および改変させていただいています。
Youtubeも分かりやすく個人的に参考になったので、気になる方はHigashiさんのノートやYoutubeも見てみてください。


解析の条件

設定など前提事項に誤りがあると、結果が無意味なものになってしまいます。条件を明記しておくことで、他の方からの指摘(歓迎)や振り返りをしやすくする目的で解析の条件を記載します。

既知の設定ミス:
 ・ESが初期の100BBのままになっており、プリフロのアクションが終わった時のESになっていない

シチュエーション
 ・1/2の100BB持ちのキャッシュゲーム
 ・BTN 2.5BB open, SB 3bet 10BB(4x), BTN c

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レンジ
 ・PreflopAdvisor(画像の上からSB、BTN)

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