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【勝因】『ラスベガスでのエル・クラシコは前半のクオリティで勝負あり』~2022-2023 プレシーズンマッチ レアル・マドリーVSバルセロナ~

2022-2023 プレシーズンマッチ
7/24 12:00K.O.(日本時間) @アレジアント・スタジアム(アメリカ/ラスベガス)
レアル・マドリー(0-1)バルセロナ
27分 ハフィーニャ

スタメン



この試合を選んだ理由

プレシーズンマッチでのクラシコ、アメリカでのクラシコに興味を持ちました。また、両チームの新戦力、レアル・マドリーはリュディガーとチュアメニ、バルセロナはレヴァンドフスキとハフィーニャがスタメンを飾るということで彼らのプレーも見たいと思って選びました。

前半のクオリティで勝負あり

レアル・マドリーはチームの心臓を担う中盤の3選手(カゼミーロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチ)がベンチスタートし、代わりにチュアメニ、カマヴィンガ、バルベルデの3人が出場しました。また、左SBにはチェルシーから加入したアントニオ・リュディガーが入っています。対するバルセロナは右SBに本職がCBのロナルド・アラウホが入っていたものの、主力として期待されている新加入の選手が先発に名を連ねます。中盤もガビ、ペドリ、ブスケツが起用されてフルメンバーをそろえてきた印象でした。

先発メンバーの差、特に中盤の人選の差が如実に結果に現れました。

レアル・マドリーの中盤は球際の強度やプレーの勢いはありました。しかし、ボールを握る力は鉄板の3人に比べるとかなり劣ります。ゴールキックからパスをつなぎ、チームとしてボールを保持する狙いはありましたが中盤でイニシアティブを握れません。エデル・ミリトンからのロングフィードにロドリゴが抜け出したり、ダビド・アラバの縦パスで攻撃のスイッチを入れることはできていましたが、中盤の選手がゲームを作ることはできなかったです。

バルセロナは中盤の3選手で試合を支配していきます。セルヒオ・ブスケツ、ガビ、ペドリが三角形を作ってショートパスを回していき、幅を取る両WGがドリブルを仕掛けてゴールを目指しました。特に右サイドのハフィーニャは細かなステップワークでスピードを持って仕掛けていき、リュディガーを突破してチャンスを作りました。

バルセロナの中盤が上回ったのはボールをつないで試合を作る構成力だけではありません。ボール非保持にはペドリ、ガビのインテリオールが飛び出していき、レヴァンドフスキと連携してCBにプレスを仕掛けていきます。そして、そこにWGとSBも連動していき、敵陣でもボールを回収していきました。20分にはペドリがPA左でカマヴィンガからボールを奪ってアンス・ファティが左足でシュートを放ちましたが、これは枠の右に逸れていきます。しかし、インテリオールが中心となった連動した守備から決勝点が生まれました。

27分、左サイドの敵陣深い位置からペドリ、ジョルディ・アルバ、アンス・ファティでプレスをかけていきミリトンの横パスがミスになると、これを拾ったハフィーニャがPA手前から左足を振り抜く。ティボー・クルトワの手から逃げていくようにコントロールされたシュートはゴールマウスの右上に決まりました。

この得点は確かにバルセロナのプレスの連動性と連続性、強度がレアル・マドリーを上回ったと言えます。しかし、レアル・マドリーの中盤の選手がパスコースを作ることができませんでした。カマヴィンガはボールサイドに寄るも、ミリトンとルーカス・バスケスのパス回しに参加することができず、瞬間的に2対3の状況を作らせてしまったんです。ミリトンのパスミスが相手へのプレゼントパスになったことで失点してしまいましたが、カマヴィンガの動きや判断で防げたかもしれません。

後半に入ると、レアル・マドリーは6選手を投入します。中盤はカゼミーロ、クロース、モドリッチの鉄板の3枚に変わりました。バルセロナも5選手を交代していく中で、レアル・マドリーが後半の主導権を掌握します。

中盤の3選手の連携、連動はレベルが非常に高くて、前半にハイパフォーマンスを見せていたバルセロナの中盤を圧倒しました。特にクロースの配球力、ゲームメイクが絶大な効果を発揮します。ビルドアップの中心となり、SBが上がったスペースに斜めに下りてショートパスを散らし、正確なサイドチェンジをどんどん通して、バルセロナを揺さぶっていきました。モドリッチも相手の中盤の間に立ち、パスワークの潤滑油になりチャンスを作ります。59分、モドリッチがバイタルエリアに縦パスを差し込み、ロドリゴ、マルコ・アセンシオとつなぎバスケスの折り返しにアセンシオが右足で合わせました。しかし、このシュートは枠の左に外れていきました。

62分にも5選手を投入したバルセロナは72分にセルジ・ロベルトのパスからフランク・ケシエがPA内でシュートを打ちましたが、クルトワの牙城を崩すことができません。レアル・マドリーにボール保持されてチャンスを作れない状況でした。

ボールを握って試合を進めるレアル・マドリーは90分、決定機を迎えました。左サイドでアセンシオ、モドリッチ、セバージョスがパスをつないで崩していき、アセンシオの鋭いクロスにマリアーノ・ディアスが頭で合わせましたが枠を捉えることができず、試合はバルセロナが1‐0で勝利を収めました。

前半から中盤の3選手がカゼミーロ、クロース、モドリッチの3人だったら試合結果は違ったものになるかもしれません。そう思うくらいに前半は両チームの中盤の実力差がありました。しかし、レアル・マドリーはプレシーズンマッチの初戦ということもあり、コンディションを踏まえて若い選手を起用したんだと思います。それでもエル・クラシコだったので、前半から100%同士の対決が見たかったのが本音です。


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