「短を捨てて長を取る」~第24節水戸ホーリーホックVSファジアーノ岡山/プレビュー~


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深夜の衝撃、本プレビューを書いたきっかけ


夜中に、Twitterでファジアーノ岡山の次節の実況が安井成行さんだと知り、嬉しくなって引用RTをして喜びを表現した。



すると、なんと安井さん本人から返信が…



自分が書いた記事を安井さんが読んでくださっていたという衝撃的な事実を知る。いつもDAZNの中継でお世話になっている好きな実況の方に届いたことが嬉しいあまり、さらに返信してしまう。



次の日午前中に授業があるにもかかわらず、眠れなくなるほどの衝撃。



このような経緯で本プレビューを書きました。


お時間の許す限り、楽しんでいってください。



試合日程

2020年10月4日 14:00キックオフ

明治安田生命J2リーグ第24節

水戸ホーリーホックVSファジアーノ岡山

at ケーズデンキスタジアム水戸

実況 安井成行
解説 下村東美


過去の対戦成績


 通算対戦成績は24戦で水戸ホーリーホックが13勝ファジアーノ岡山が6勝、5引き分け。

 直近5試合を見ると、水戸が4勝、岡山が1勝。J2の先輩である水戸は岡山のことを得意としている。

 しかし、岡山が水戸を特別苦手としているわけではなさそうだ。8月に水戸をホームに迎えた前回対戦では3-1と完勝。今シーズン、1試合での最多得点で勝利を飾った。

 水戸には分が悪い歴史を持つ岡山だが、むしろ実際にピッチでプレーする選手たちは自信を持っていてもおかしくはない。




水戸ホーリーホックの前節のスタメンを振り返る


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 第22節ザスパクサツ群馬戦からの変更は9人。中2日で迎えた大宮アルディージャとの第23節はターンオーバーで挑んだ。

 水戸の基本フォーメーションは4-4-2だが、この日は3-5-2を採用。大宮とのミラーゲーム(同じフォーメーション同士の対戦)となった。

 3バックに高さのある選手を配置。空中戦や前への守備で強さを見せた。一方で、パス&ムーブで釣られた3バックの脇をうまく使われて失点してしまった。対人守備は強いが、スペースを突いた攻撃が刺さりそうだ。付け入る隙は十分にある。

 両ワイドは上下動をこなす典型的なサイドプレーヤー。ただ、攻撃的なポジションからコンバートされた選手であるため、背後を突かれて危ないシーンも。

 中盤のMF平塚悠知は良いボール奪取があったが、プレス耐性はあまり高くない印象。この試合ではMF奥田晃也とMF森勇人らに目立った活躍は無かった。

 FW中山仁斗とFW山口一真の2トップはJ2屈指の得点力を誇る。前線で身体を張れる中山とポジションを変えながらスピードと精度の高いシュートでゴールに迫るFW山口は危険な存在だった。



セットプレーからの失点を許すな



 開始早々、大宮アルディージャのハイプレスに苦しんだ水戸ホーリーホック。試合の主導権は大宮が握りそうな序盤だったが、コーナーキックをニアで触り、軌道を変えて、DF住吉ジェラニレショーンが押し込んだ。セットプレーのワンチャンスで水戸が先制に成功した。

 意表を突いたニアへのランニング、目先を変えた反らし、相手チームを分析した上で効果的な素晴らしい得点だった。

 迎え撃つファジアーノ岡山が注意したいのは高さを使ったシンプルな攻撃だ。大宮戦ではDF住吉(181㎝)、DFンドカ・ボニフェイス(183㎝)、DF乾貴哉(187㎝)、FW中山仁斗(180㎝)の高さのある選手がゴール前で待ち構える。ターゲットになれる選手が多い水戸のセットプレーでの攻撃は要注意だ。

 岡山としては不要なファウルは避けたいところ。オープンプレー(セットプレー以外)では高さのあるディフェンダ―が上がってくることは滅多にない。ターゲットになる選手はFW中山やFWアレフ・ピットブル(群馬戦ではスタメン・大宮戦では途中出場/180㎝)。岡山からすると的を絞りやすくなる。スタメン出場が濃厚なDF後藤圭太(183㎝)、DF濱田水輝(186㎝)には90分間を通して跳ね返し続ける強さと集中した連携を期待したい。


山口一真を自由にするな


 鹿島アントラーズから期限付き移籍先で加入しているFW山口一真はファジアーノ岡山の脅威になるだろう。速さとキック精度が優れた背番号10は第23節終了時点で9得点をマーク。チームトップスコアラーは迷いなく岡山ゴールに向かってくる。

 バイタルエリア付近でフリーの状態でシュートを撃たせないことが岡山のディフェンダーに課される最重要ミッション。しっかりと距離を詰めてシュートブロック、シュートコースの限定は必須だ。

 しかし、FW山口は得点力だけではなくアシスト能力も兼ね備える。衛星のように動き回り、ポジションを変えて、マークするCBのプレーエリア外から正確なクロスを供給する。FW山口のクロスボールを合わせるのはFW中山とFWピットブルはボックス内で仕事ができる選手。集中した組織的な守備で対応しなければならない。マークを受け渡しする際の的確なコーチング、1対1でのバトルで負けないことが求められるセンターバックは忙しくなりそうだ。



自分たちの土俵に持ち込め



 水戸のセンターバックDFンドカ、DF住吉は空中戦など前に出ていく守備で強さを誇る。そのため水戸のCBに向かってロングボールを蹴って、競り合いを挑むのはナンセンスだ。サイドに流れることでCBを1枚釣り出した状態で、PA内で勝負をかける。水戸のハイボールへの強さを半減させる攻撃がメインになってくるだろう。

 ハイボールや背負った相手に強い水戸のCBだが、ボールウォッチャーになりやすく、背中に対する危機意識が比較的弱い。ボックス内で立ち止まったまま失点した試合もある。そんな弱点を突くために得意なセットプレーでは、シンプルに放り込むのではなく、ニアサイドで反らすなど目先を変える攻撃が効果的になってくる。ボールウォッチャーになりやすい水戸に対してセカンドボールへの反応が速い岡山という構図でゴールネット揺らしたい。

 ゴールを決めた第21節山形戦を境にハイパフォーマンスを続けているFW齊藤和樹がカギを握る。FW齊藤がサイドに流れてCBを釣り出すだけでなく、ゴリゴリっと身体をぶつけながらドリブルでボールをゴール前に運ぶことでチャンスを作る。サイドに流れると同時にサイドハーフが入れ替わるようにゴール前へ入っていく連携も増えてきている。パスのズレを修正さえされば、MF上門知樹が強烈なシュートを撃つシーンを増やせるはずだ。



スタメン予想


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 水戸ホーリーホックは基本フォーメーションの4-4-2に戻してくるだろう。大宮戦同様にファジアーノ岡山に対してもミラーゲームになりそうだ。
ハイプレスからFWアレフ・ピットブルをターゲットにしたクロスやFW山口一真の個人技でゴールに迫る。5試合連続得点中と攻撃には確かな自信を持っており、連勝を止めてしまって迎える第24節は自慢の攻撃を全面に押し出してくるだろう。

 ファジアーノ岡山はいつもの4-4-2で予想。前節「使い、使われる」良い縦関係を築いた右サイドのDF松木駿之介とMF関戸健二のコンビで攻守において右サイドを支配したい。
また、FW齊藤和樹の相棒にはFW赤嶺真吾をチョイス。離脱している選手を除くと空中戦が最も強いベテランは、水戸のCBと競り合いで十分に渡り合えるだろう。抜群のキープ力で水戸のCBを前に引き出す役割にも期待できる。
2回目の古巣対戦となるMF白井永地はいつにも増して気合十だ。攻守において豊富な運動量でチームの勝利に向かって走りまくる。







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