【レビュー】『取り戻したい背後への意識』~第16節ファジアーノ岡山VSザスパクサツ群馬~

マッチレポート

岡山が今季初の連敗。取り戻したい背後への意識

『Jリーグの日』に群馬に敗れた岡山は、生みの苦しみに直面している。

岡山は前節・千葉戦から続き自陣からのビルドアップにチャレンジした。バイスと柳がパスを交換して相手を横に揺さぶってサイドから敵陣に入っていく。6分、本山が右のニアゾーンを突く形で抜け出してゴール前に折り返すも、中の味方には合わない。しかし、左サイドに流れたボールを木村が拾ってクロスを上げると、田中が頭で合わせた。ドンピシャのヘディングシュートは枠を捉えたが、GKの好守に防がれてしまう。16分にも喜山が左のニアゾーンに抜け出してゴール前に折り返したボールをデュークが左足でシュートを放ち、ゴールを狙っていった。内側と外側に立ち位置を取ってニアゾーンを突いていく。チームとして狙いを発揮して良い攻撃を繰り出したが、かつて岡山でプレーしたGK櫛引も立ちはだかり、ゴールを奪うことができない。

群馬は岡山の攻撃に慌てることなく対応していくと、42分に決定機を作った。右サイドの深い位置にロングボールを蹴り込み、平松が相手のミスを突いてマイボールにすると、小島の折り返しを山根が右足で合わせる。ゴール右隅を狙ったシュートだったが、惜しくも枠を逸れた。

後半は試合のテンポが上がる中で群馬のボール保持が長くなる。52分にはCBの背後を突いた加藤のラストパスに走り込んできた内田にシュートを打たれるも、柳が股を閉じてシュートをブロックした。ピンチを防いで立て直していきたかった岡山だったが、70分に痛恨のゴールを与えてしまう。岩上が蹴ったCKが直接ゴールに吸い込まれていった。ニアで待ち構えていた木村はジャンプするもボールを触ることができず、意表を突かれた金山は飛んできたボールを掻き出すことができなかった。

リードを許した岡山は失点直後に3選手を投入し、77分、82分にも選手を入れ替えて反発していった。しかし、82分に渡辺を入れて5バックにした群馬の守備を最後まで崩すことができずにタイムアップ。

岡山は意識的にビルドアップに取り組んだ2試合で今季初の連敗を喫した。パスをつないで前進することに重きを置いているため、表に立つ選手が目立つ。できることを増やすために、できていたことができなくなるのはもったいないが、これがチームという生き物なのだろう。

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