【レビュー】『アグレッシブに躍動して開幕戦以来のホームでの勝利』~第13節ファジアーノ岡山VS東京ヴェルディ~
スタメン
マッチレポート
6位の岡山が5位の東京Ⅴをホームで下し、4位に浮上
5連戦の2試合目、岡山は前節から先発2人、東京Vは4人を入れ替えて臨んだ。立ち上がりは岡山が積極的にボールを奪いに行き、主導権を握る。岡山の2トップが縦関係になりアンカーを消したことで、東京Ⅴに縦パスを通させない。デュークのパワーを生かしたロングボールとサイドからのクロスでゴールを目指す。14分に左サイドから上がったクロスにデュークが頭で合わせる。41分にはPA左でデュークが折り返したボールにムークがフリーで飛び込む。しかし、ヘディングシュートは枠を逸れた。東京Ⅴは岡山の圧力を受けて敵陣にボールを運べなかった。しかし、守備陣がデュークと激しくやり合ってタイトに守りスコアレスで終了した。
後半から東京Ⅴは左右のウイングを入れ替えて攻めるも、岡山の守備が上回った。後半は奪いに行く守備とブロックを作ってサイドに押し出す守備を使い分けて対応していく。そして木村と徳元の推進力で左サイドから敵陣に攻め入ると、54分に先制に成功する。左サイド深い位置で木村が相手と縺れ合いながらボールを突くと、PA左でムークが収めてゴール前に流し、そこに田中がタイミングよく飛び込んできた。木村の粘りと田中の嗅覚でゴールを奪いリードした岡山は、その4分後に追加点を決める。左から右にボールを展開し、タイミングよく駆け上がった河野からのクロスをデュークが頭で合わせて、リードを2点に広げた。
4試合勝ちなしの東京Vはドリブラーのバスケス・バイロンを右に、杉本竜士を左に配置。1対1の場面を多く作ってゴールをこじ開ける攻撃に舵を切ると、バスケス・バイロンと杉本が積極的にクロスを入れていき、攻勢を強めた。
岡山は65分に阿部を入れて[5-3-1-1]のブロックを作って応戦する。79分には左サイドからの杉本のクロスをバスケスが押し込まれて1点を返された。両チーム合わせて4人の負傷者が出たことでアディショナルタイムは9分になり、自陣で守る時間が増えるも、キャプテンマークを巻いたバイスを中心に最後まで跳ね返し続けた。
笑顔でスタジアムを一周する選手たちをサポーターは温かい拍手で迎え、岡山が開幕戦以来のホームでの勝利を喜び合った。
コラム
悔しさをバネに躍動した河野諒祐
喜ぶ選手の輪の中心にいたのは河野諒祐だった。
58分、右サイドを駆け上がってパスを受けた背番号16はボールを前にコントロールし、迷うことなくドリブルで縦に運んでいく。相手が寄せてくると抜き切らずに右足を振った。クロスはきれいな放物線を描いて、ゴール前で待つデュークにピンポイントで届く。背番号15がヘディングシュートを決めて、河野が持ち味である攻撃参加からのクロスで決勝弾をアシストした。
今節右SBに入った河野は久しぶりの先発だった。第4節・町田戦、第6節・大宮戦で失点を招くミスをしてしまい、U-23日本代表候補の成瀬峻平の加入もあって、先発だけでなくベンチを外れることもあった。
それでも今節4試合ぶりに先発のチャンスを得ると、背番号16は攻守に躍動する。攻撃では積極的に高い位置を取り、果敢にクロスを上げていく。守備では粘り強い対応で東京Ⅴにサイドからの突破を許さない。また、ビルドアップも冷静で、味方とのワンツーで相手のプレスを剥がしたり、楔のパスを打ち込んだりと前へのプレーを選択していき、ボールを前進させた。
昨季42試合に出場した右SBは先発から外れ、ベンチ外も経験した。それでも指揮官の期待に応えて攻守に躍動し今季初アシストを記録。河野がピッチ上で満面の笑みを浮かべたのはいつ以来だろうか。笑顔の背番号16のもとに次々とにこやかな選手が集まり喜び合う姿は涙腺を刺激した。
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