ピンポイント補強が加速させるサンフレッチェ広島の世代交代の流れ～2020戦力分析～

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2018シーズンの2位に比べ、6位に終わった2019シーズンは不本意なものだったかもしれない。しかし、有望な若手のさらなる台頭によって広島に明るい未来をもたらすはずだ。

戦力分析

　東京五輪まで勝負の半年になるGK大迫敬介が開幕からゴールマウスを守ることが予想される。昨シーズンJ1で出場機会を掴み、コパ・アメリカで世界を体感したことでシュートに対する反応速度に磨きがかかる。大迫不在時には、豊富な経験値と確かな実力を持つGK林卓人や武者修行から帰還したGK増田卓也らの存在が盤石の体制を整える。

　3バックは左からDF佐々木翔、DF荒木隼人、DF野上結貴の組み合わせが鉄板。枚数が不足していたため、DF櫛引一紀の獲得は的確で迅速な補強だった。

　ウイングバックの左にはチーム最多得点者のMF柏好文を、右にはスピードと突破力に優れたMFハイネルとエゼキエウが務める。MF茶島雄介は期限付き移籍先のジェフユナイテッド千葉で右ウイングバックという新境地を開拓したが、個人的には中央で決定的なパスを出す姿をもう一度見たいため、シャドーでの起用を望む。完全移籍への移行となったMF清水航平は両サイドでプレー可能なため、緊急時には重宝される。

　ボランチはベテランMF青山敏弘が怪我に泣いた昨シーズンの悔しさを晴らすのか。コパ・アメリカを経験したMF松本泰志はMF稲垣祥が退団したため、出場機会を増やすだろう。風格が出てきたMF川辺駿がボランチなのか、シャドーなのか。川辺のポジションによって組み合わせが異なる。

　シャドーの中心的な選手は今シーズンから背番号10を背負うMF森島司。クリエイティブなチャンスメイクで名前の通り広島の攻撃を司っていく。このポジションは多種多様な選手が揃っていることから、相手によって起用する選手を変えていくことができる。城福監督の手腕が試される。

　フォワードは個性的なシャドーを生かすポストプレーとゴール前で決めきる決定力が必要になるポジションだ。一番手にはFWレアンドロ・ペレイラを。190㎝の高さと強さ、リーチの長さでタメを作り、円滑な攻撃を促す。松本山雅から加入した永井龍やFWドウグラス・ヴィエイラもプレー可能であるため戦術やシャドーとの組み合わせによって臨機応変な起用がありそうだ。

　世代トップクラスのレベルを誇るユースから昇格した選手たちのポテンシャルは軒並み高い。ルヴァンカップを生かして数年後の広島を担う才能たちをうまく育てることはできるのか。城福体制3年目の2020シーズンは「積み上げてきたもの」をベースに、ACLプレーオフ圏内の3位に入りたいところ。

新加入選手

GK
増田 卓也【町田ゼルビア/期限付き移籍から復帰】
DF
櫛引 一紀【名古屋グランパス】 
MF
エゼキエウ【ボタフォゴ】
ハイネル【トンベンセ /レンタル延長】
茶島 雄介【ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍から復帰】
浅野 雄也【水戸ホーリーホック/期限付き移籍から復帰】
清水 航平 【清水エスパルス/完全移籍に移行】
土肥 航大 【サンフレッチェ広島ユース】
FW
永井 龍【松本山雅】 
レアンドロ・ペレイラ【松本山雅/レンタル延長】
工藤 壮人【レノファ山口/期限付き移籍から復帰】
鮎川 峻【サンフレッチェ広島ユース】

退団選手

GK
 中林 洋次【横浜 F・マリノス】 
DF
和田 拓也【横浜 F・マリノス】
エミル・サロモンソン【アビスパ福岡/期限付き移籍】
水本 裕貴【町田ゼルビア/期限付き移籍】
イヨハ 理 ヘンリー 【FC岐阜/期限付き移籍期間延長】
MF
吉野 恭平【ベガルタ仙台】
川井 歩【レノファ山口/期限付き移籍期間延長】
川村 拓夢【愛媛FC/期限付き移籍期間延長】
長沼 洋一【愛媛FC/期限付き移籍期間延長】
FW
 渡 大生【大分トリニータ】
パトリック【ガンバ大阪】