【レビュー】『緊急事態で示した総合力』~第32節横浜FC VS ファジアーノ岡山~

試合結果

2022 J2 第32節
8/21 18:00K.O. @ニッパツ三ツ沢球技場
横浜FC(1-0)岡山
71分 山下諒也

スタメン

マッチレポート

総力戦で挑んだ岡山。肉薄するも首位に敗れる

岡山は堂々と戦った。“打倒首位”を掲げたチームはアクシデントに屈することなく、全員で横浜と互角の戦いを演じた。しかし、勝利を掴むことができずに痛い敗戦となった。

1位・横浜を倒して自動昇格圏との差を縮めたい4位・岡山だったが、試合当日に6選手がコロナウイルスの陽性者になったため、これまで出番の少なかった選手たちが緊急出場する総力戦で挑んだ。

[3-4-2-1]を採用した岡山は劣勢を強いられる。[3-5-2]でボールを保持した横浜が主導権を握った。田部井が中盤の底に下りて、和田が右サイドに顔を出すことでプレスをいなしていく。そして、プロ初先発となった近藤が裏に抜け出して、右サイドからチャンスを作る。5分に近藤のクロスを左足で合わせた伊藤のシュートはポストを直撃し、31分には小川のヘディングシュートは左に逸れた。

岡山は河井が後方に下りて数的優位を作りながらパスを回し、相手WBの背後を狙うも横浜のプレスを掻い潜れない。それでも連動したプレスから敵陣で奪うシーンを作り出したが、シュートにつなげることができない。前半に放ったシュートは1本のみ。バイスを中心に何とか無失点で折り返した。

後半、ペースを握ったのは岡山だった。河井と輪笠が縦関係になり、テンポよくパスを回していく。また、右サイドに流れたデュークが亀川との空中戦を制することで起点を作り、敵陣でのプレーを増やしていく。サイド攻撃を仕掛けて獲得したセットプレーからゴールに向かう。63分、バイスが直接狙ったFKは枠を捉えたが、GKに防がれた。65分にはイグォンを投入して推進力が増すも、一瞬のスキを突かれる。71分、CKを合わせた濱田のヘディングシュートがブロックされると、横浜のカウンターが発動。こぼれ球を拾った山根がゴール前まで運び、山下がGKの手を弾くシュートでネットを揺らした。

リードを許した岡山は74分と80分に選手交代を行い、システムを[3-5-2]に変更して反発する。86分にゴール前で反転したデュークが左足を振り抜き、終了間際にも濱田がCKを頭で合わせた。しかし、最後まで1点が遠かった。

今節に敗れたショックは大きい。しかし、緊急登板となった選手たちは奮闘し、横浜に肉薄したことからチームの地力を感じた。残り11試合、昇格に向けて全員で戦っていく。


コラム

示した総合力の高さ。残り試合は内容を結果に

悔しくて、悔しくて仕方がない。

勝点差を『6』に縮める勝利ではなく、勝点差が『12』に広がってしまった。

2年以上の付き合いになるコロナウイルスをこれほど憎んだことは無いだろう。試合当日に6選手が陽性者になったニュースを知ったとき、不安に陥った。2連勝を達成したチームの雰囲気はとても良くて、指揮官が発破をかける必要がないくらいに“打倒首位”に燃えていたから。最高の状態で横浜を叩ける。そう感じていた。だから、不安を抱えながらキックオフを迎えたけれど、心配は杞憂に終わった。

これまで出番の少なかった選手たちは緊急出場にも全く動揺することなく、堂々とプレーした。普段の練習で入念に準備してきたことを余すことなく発揮した。濱田や智彦は高い集中力を発揮して相手FWを抑え、成瀬は味方と連係して攻守に奮闘。幾笑とムークは前線から献身的にボールを追いかけ、回数こそ少なかったものの力強くゴールに向かう姿勢を出した。移籍後初出場となった輪笠はこぼれ球を拾う力強さと確実に味方にパスをつなげる堅実なプレーを発揮した。

欠場した選手の分まで戦う。横浜にあと一歩まで迫る姿からは頼もしさを感じた。しかし、昇格争いを制するためには勝利しなければならない。追いかける立場だからこそ、なおさら勝点3の必要性は大きい。内容に満足するフェーズはもう終わっている。チームが示した高い総合力を勝利という結果につなげる作業に取り組んでいく。

ハイライト

コメント

https://yokohamafc.com/g/220820_okayama/#report



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