【レビュー】『勇往邁進』~第35節ファジアーノ岡山VSモンテディオ山形~

試合結果

2022 J2 第35節
9/10 19:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(2-1)山形
51分 國分伸太郎
55分 チアゴ・アウベス
76分 ミッチェル・デューク

スタメン

マッチレポート

止まらない岡山が逆転勝利で今季初の4連勝

先制されてもすぐに追いつき、追い越していく。誰にも止められない岡山の勢いが開幕戦以来となる逆転勝利を引き寄せた。

10日ぶりの再戦は岡山がいきなりピンチを迎えた。3分、自陣でボールを失うと、チアゴ・アウベスがゴール前に抜け出された。しかし、シュートは堀田が冷静に防いでしのぐ。前半は山形が[4-2-3-1]から[4‐1‐2‐3]に変化してボールを動かす時間が増える。しかし、岡山はメリハリを付けたプレスで応戦してシュートを打たせない。すると、U-19代表で離脱中の佐野に代わって左WBに入った成瀬が積極的にチャンスを演出する。10分にチアゴ・アウベスにスルーパスを通したが、背番号7のシュートはわずかに枠を外れた。28分には縦に早い攻撃から決定機を作り出す。右サイドのスローインから田中が抜け出し、ゴール前でチアゴが切り返して左足を振り抜くも、シュートは後藤に止められた。

0‐0で迎えた後半は山形がセットプレーで先手を取る。51分、ゴール前に進入した川井が倒されてFKを獲得。國分のシュートが壁を越えていき、カバーに入った徳元も触れない。美しい軌道を描いたシュートが吸い込まれていった。

先制を許した岡山は4分後にセットプレーでやり返す。河野が蹴ったFKは相手にクリアされるも、バイスが折り返し、最後は落下地点を予測していたチアゴがシュートをネットに突き刺した。

試合が振り出しに戻る中で勢いが増したのは岡山の方だった。前からのプレスを強めていき、奪ったらデュークとチアゴの2トップが山形守備陣を脅かす。3バックに入る徳元も駆け上がりクロスを供給していく中で、74分に投入されたイグォンがすぐに推進力を発揮。相手と競り合いながらも前に突き進み、スローインを獲得する。そして遂に試合をひっくり返す。76分、徳元のロングスローをニアに走り込んだデュークが頭で合わせた。強烈なヘディングシュートが決まり、背番号15の雄叫びと共にCスタが揺れた。

勝点1ではなく、勝点3しか目指していない。岡山は目標のJ1昇格に向けて毎試合に一戦必勝で臨んでいる。だからこそ、勝つために2点が必要になってからギアを上げて追いつき、逆転勝利をつかんでみせた。今季初の4連勝を達成した岡山は勇往邁進のごとく上位2チームを追い掛けていく。

コラム

全員で勝つ。溢れ出す一体感

岡山は全員の力で逆転勝利を収めた。

今節は柳が欠場したCBに濱田が入った。山形に先制を許した51分のFKは濱田が相手を倒して与えてしまったもの。しかし、今節でJ通算200試合出場を達成した背番号4は気の利いたプレーでゴールを守った。印象的だったのが43分のシーン。CKのサインプレーから山形のチアゴ・アウベスがPA手前でシュート態勢に入る。すると、ゴール前で跳ね返す準備をしていた濱田は飛び出すように素早く寄せた。山形のサインプレーは全てお見通しだったのか。國分がボールを蹴った瞬間にスタートを切り、シュートコースを塞いだのだ。

代表活動で離脱中の佐野の代わりに左WBで先発した成瀬は、10分にチアゴ・アウベスに斜めのスルーパスを通し、70分には河井とのワンツーで左サイドの深い位置に進入していった。味方と連動しながらゴール前に入っていくプレーで攻撃にアクセントを付けた。

後半途中から出場した選手も躍動していた。中盤に入った仙波が正確なパスと運動量で水を運び、イグォンが重戦車のような推進力で逆転弾を生み出すスローインを獲得し、永井が献身的に前からプレスを掛ける。83分から登場した宮崎智、宮崎幾も与えられた時間で役割を全うし、全員が勝利に貢献した。

誰が出ても同じように戦えるのは、全員が日々の練習から当事者意識を持って取り組んでいる賜物に違いない。岡山はシビアな残り7試合に一体感を持って戦っていく。

読んでいただきありがとうございます。 頂いたサポート資金は遠征費や制作費、勉強費に充てさせていただきます!