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足元の揺らぎを超えて、 覚悟新たに紡いだ 「TSUKURUBA 3 VALUES」

2020/08に発行した新・社内報「BA MAG 2020」。そのコンテンツをnoteでもご紹介していきます。

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先日プレスリリースでもお伝えしたように、ツクルバは、2020年8月に10期目を迎えたことを機に、新コーポレートアイデンティティを策定。MISSIONおよびVISION 2025を実現するための行動規範として、『TSUKURUBA3VALUES』を制定し、MISSIONとVISION 2025と合わせた「新理念体系」を構築しました。


新しく制定された『TSUKURUBA 3 VALUES』は、「VALUE DRIVEN(価値からはじめる)」「CHAMPION OWNERSHIP(自分ごとでやりぬく)」「IMPACT FOCUSED(チームは成果のために)」の3つ。

これまで大切にしてきた5つのクレドから、『TSUKURUBA 3 VALUES』へ。なぜこのタイミングで変えることにしたのでしょう。どんな意味が込められているのでしょう。

この『TSUKURUBA 3 VALUES』が生まれるまでのプロセスや葛藤を、プロジェクトに携わった北原、藤田、山口の3人に聞いてみました。

北原寛司 / Hiroshi Kitahara
取締役COO 兼 cowcamoプラットフォーム事業部長。Rebuildingプロジェクト(経営変革プロジェクト)における、事業パートの責任者。2016年11月入社。(過去のインタビュー記事はこちら

藤田大洋 / Taiyo Fujita
執行役員CHRO 兼 人事本部長。Rebuildingプロジェクト(経営変革プロジェクト)における、組織パートの責任者。2017年4月入社。

山口摂 / Setsu Yamaguchi
管理本部 経営推進担当シニアマネージャー。全社コミュニケーション設計を主に担当。上場後の2019年11月入社。

VISON2025の実現のために、日々の実践の中で共有する価値観

ー理念体系、特にバリューを再定義することになったきっかけはなんですか?

北原 やはり上場ですね。パブリックになったツクルバという会社を主語に、理念体系を再定義したいと思ったんです。上場を機に、「場には人生を肯定する力がある」というFounders’ Statementを掲げて、「やがて文化になる事業をつくり続けるリーディングカンパニー」という2025年を見据えたビジョンを作ったんですが、その一方で組織を見てみると、上場という短期的なゴールを目指し外圧的に動いた結果、「この先どうしていけばいいのか」という声が上がり始めていました。

創業者のふたりも経営メンバーも、外圧的な「○○すべきだ」で駆動していたところから、改めてツクルバとして「××を実現したいから△△しよう」という話をするようになったところで。足元をしっかり固め一丸となって社会の一部になることを目指すには、皆が目線を合わせることができる、日々の実践の中で共有する価値観=バリューが必要だとわかったんです。

▼こちらが新理念体系

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■『TSUKURUBA 3 VALUES』(VISIONの実現のために全社で心がける行動指針)
「VALUE DRIVEN」「CHAMPION OWNERSHIP」「IMPACT FOCUSED」

■『VISION2025』(経由地として目指す企業の方向性)
「やがて文化になる事業をつくり続けるリーディングカンパニー」

■『MISSION』(普遍的に目指していく企業の使命)
「『場の発明』を通じて欲しい未来をつくる」

■『WHY』(根源的な想い(Founders’ Statement))
「場には人生を肯定する力がある」


藤田 上場にあたり、事業の数字や管理面の強制的なアップデートがされたのに対して、内面的な“ツクルバは社会に対してどんな価値を届ける存在なのか”ということを見直すことなく上場フェーズに入った結果、ズレや違和感を生んでいたと思います。経営チームでその話に向き合うようになって、課題として上がったのが理念体系の部分でした。

北原 最初はこれまでのミッション・ビジョン・クレドのすべてを見直そうという話も出ていたんですが、ロゴワークショップを行う中で、すでにミッションは皆の中で共通の認識があり、各々自分ごとにできていると感じました。ミッションはツクルバが持つ使命であり、普遍的で変える必要がないと。また、前期末に、2025年に向けた目標として、「やがて文化になる事業をつくり続けるリーディングカンパニー」というビジョンを設定しましたが、これを各人が自分で日々の仕事と接続するのが結構難しい。だから、ビジョン実現に向けた日々の行動指針として、これまでのクレドに代わって新たにバリューを定義することにしました。

山口 クレドにあったPhilosophy&Businessなど、これまで大切にしてきた言葉がなくなってしまうように感じるかもしれませんが、そうではないんです。

藤田 Philosophy&Businessはツクルバの大切な価値観になりました。ビジョンの『やがて文化になる事業』はまさにP&Bですし、ツクルバが築き上げてきた文脈は変わらないんです。今回の「TSUKURUBA 3 VALUES」は、むしろそのビジョンを目指すために、足元の行動規範を具体化したもの。高次元の信条を表す言葉ではなく、日々の実践の中で共有する価値観にしたくて、クレドではなくバリューとして定義しました。

葛藤や期待をぶつけた先にあった“原点”

ーでは、バリューはどのようなプロセスで決まったんですか?

藤田 2025年までは少し距離があります。なので、2022年を中間目標とし、その時点での会社の規模感をイメージしながら、事業・組織の両側面で必要なものは何か、経営メンバーや部室長メンバーとワークショップを行い決めていきました。バリューは日々の仕事の中で使われることを想定しているので、部室長が腹落ちしていないとうまく機能しないんです。部室長レベルの人たちが上にも下にも、“ミドルアップダウン”的に浸透させていくことが重要になります。

ープロセスのなかで印象に残っていることはありますか?

北原 ワークショップよりも前に行った、経営合宿ですね。その段階で、経営メンバーと理念体系を作り直したいという話はしていたのですが、この合宿に参加していただいた外部の方に「このメンバー、オーナーシップないですね」と言われてしまったんです。ハッとさせられましたね。理念体系を作り直す以前に、自分たち自身がそれを体現できていなかったんだと。その時にバリューのあるべき姿がやっとわかって、以降のワークショップでも『自分たちが体現できるのか』と問うようになりましたし、この体験を皆にして欲しいなと思うようになりました。

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藤田 外部の方からのご意見で、経営メンバー自身が乗り切れていなければ皆に伝わらないんだと改めて気付かされました。それからは、全員が素直に腹落ちしているのか、覚悟はあるのか、と問いながら進めることができたと思います。

北原 一方で、皆と日々向き合っている部室長メンバーとのワークショップは、とても想いにあふれていたのが印象的でした。比較的新しく入社したマネジメントメンバーが、前の会社での経験とツクルバに期待していることを、昔からいるメンバーの想いと織り交ぜながらディスカッションしていて、とてもよかったなと。

山口 部室長メンバーは半分がツクルバに入社して1年未満、残りの半分は創業期からという極端な面々でした。最初は昔からいるメンバーが、変えたくないこだわりや“ツクルバらしさ”に固執してしまうのでは……と思っていたのですが、むしろ危機感を持っていて。皆若くて経験もあまりない中、マネージャーとしてお手本でいなきゃいけなかったりという状況が続いていたことで、もっとこうしたい!みたいな熱い想いがあったのだなと。逆に、新しいメンバーが慎重な意見を言う時もあったり。それでいて課題や方向性、あるべき姿がしっかりと一致していたのがとても印象に残っていますね。

ーワークショップではどんなワードが上がりましたか?

山口 昔からいるメンバーから『プロフェッショナル』とか『オーナーシップ』など、当事者意識系のワードが多く出ていましたね。

藤田 創業期からいる部室長メンバーは、各々が独立したポジションで仕事をしてきている人が多い。でも、組織が変わる中でプレイングからマネジメントの側面が強くなっていって、本来持っていたプロ意識を出しづらいと感じている人もいたんです。だから、昔からいるメンバーの方がイケイケな発言をしている印象でしたね(笑)

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北原 確かにそうですね。組織が拡大していく過程で、調整とか気遣いが急激に増えていった。これは絶対必要なことなんだけど、マネジメントに関しては初心者だったから『コトに向っているのに、調整ばっかやってるな』『クリエイション、チャレンジしてないな』みたいな葛藤や違和感があったんだと思います。逆に新しいメンバーはツクルバのいいところを見て、期待して入社している。その意見がぶつかりあって、共通認識を持つことができたのだと思います。

藤田 そういう議論の末に、『価値』という言葉が出てきたんですよね。

北原 そう、『当事者意識』とか『やり抜く』といったマネジメント課題的なワードを吐き出し切った後は、「でも、それはなんのためにやるんだっけ?」ってなって。『社会に価値を生むため』という原点の話に戻ったんです。以降『価値』という言葉が軸になりました。

また、チーム・組織のあり方についても議論が盛り上がりました。特に、「なんでチーム戦でやってるんだっけ?」「個人だけじゃできない成果をチームで出せるからだよね」。だから、チームありきじゃなくて、『成果を生むためにチームを選択しているんだ』って認識を揃えたいね、と。

というわけで、「VALUE DRIVEN」(価値からはじめる)、「CHAMPION O WNERSHIP」(自分ごとでやりぬく)、そして「IMPACT FOCUSED」(チームは成果のために)という3つの言葉で「TSUKURUBA 3 VALUES」になったんです。結構、議論経過を反映した感じになりました。

VALUE DRIVEN(価値からはじめる)
「誰のどんな価値につながるか?」を全てのアクションの起点にしよう。仲間にとっての価値、ユーザーにとっての価値、業界や社会にとっての価値。アクションの先にいる人へ、本質的な価値を届けよう。

CHAMPION OWNERSHIP(自分ごとでやりぬく)

どんな仕事も自分ごとで向き合い、最後までやりぬこう。自分の仕事に誇りを持ち、周囲の期待を超えていく。オーナーシップを究め、心を揺さぶる仕事をしよう。

IMPACT FOCUSED(チームは成果のために)

ひとりでは成し得ない大きな成果を生み出すためにチームがある。仲間へのリスペクトを持ち、衝突を恐れず、成果にこだわろう。それができるチームで、社会を変えていく。

藤田 これまでは『らしさ』を目的化してしまう傾向があったと思いますが、これからは2025年の目標の実現にフォーカスしていこうと。なんというか、“BACK TO BASIC”な感じはありますね。

行動の軸であり、立ち返る場所

ー「TSUKURUBA 3 VALUES」にどのような期待を込めていますか?

北原 ツクルバで自分の人生を共有している以上、社会において存在感ある価値を生み出したいと思っています。それを実現するためには、一人ひとりの日々の行動が大事になってくる。その行動の軸になってくれればうれしいですね。

藤田 ツクルバらしい楽しさを感じつつ、皆が自律してオーナーシップを持っている状態を目指したいので、「TSUKURUBA 3 VALUES」がその起点になってくれればうれしいです。まずは我々がその存在意義を伝えて、メンバーにも内在化していくことが大事だと思っています。現場での活用段階になってきたら、徐々に制度や仕組みに落とし込んでいくつもりです。

山口 トップダウン的に会社から落とし込んでいくことも大事ですが、日常的に「TSUKURUBA 3 VALUES」を活用できるようになるには、内側から浸透させていくことが必要です。そのために、皆で活用方法を考える場を設けていきたいと思っています。不確実なことが多い時代の中で、これからは1を100にしていくフェーズ。今までとは種類の違う大変さが待っていると思いますが、そんなときに組織や個人が立ち返る場所であり、行動の起点として自分自身を鼓舞できるものになるといいですね。

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