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俺のCD棚 第28回

今回は、D'Angelo 【Brown Sugar】

D'Angeloは、1995年に突如現れ、ブラックミュージックの新しい派生として、「ネオ・ソウル」と呼ばれるブームを起こした張本人。芸術性と商業性の両方でゆるぎないポジションを確立する一方、寡作である側面から度々その動向が注目される、色んな意味でセンセーショナルなシンガー。

このCDは、彼の1stアルバムにあたり、ブラックミュージックで何を聴くのか迷っているなら、まずはコレってくらいの名盤。

また、音楽好きの間ではアナログレコード盤の方が出回っている印象で、それこそ「アナログでD'Angelo聴いてる」なんて発言したら、十中八九、その場での音楽談義で終始マウントが取れますwww(失礼)。

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楽曲についてだが、全体を通して言えるのは、比較的ゆっくりなテンポでモッタリとしたベースを軸に展開されていく、それまでのソウルとは一味違う自由な演奏で、ライブではほぼ即興音楽の様相となるのが最大の特徴。ボーカルもなかなかにクセがあり、時に感情的に、時に話すように歌うスタイルは、それまでのソウルシンガーだけでなく、HIPHOPの影響を感じさせるものとなっている。

こういった音楽は、あまり肩肘張らずに、呑みながら聴き流すくらいが個人的には合っている。ある程度時間が経って、酔いが回った辺りから、不思議なもので、急にこのリズムが心地よく聴こえてくる。これこそが真骨頂。

一曲挙げるなら、勿論、1曲目「Brown Sugar」。アルバムのタイトル曲であり、自身の代表曲にもなっているこの曲は、数々のアーティストにカバーされる程に人気が高い。歌詞はドラッグカルチャーが満載となっているが、たまに今でもFMで流れてくるあたり、ギリギリセーフな表現のようだ。   ※ちなみにタイトルの意味は日本では禁止である、アレの隠語。

ジャケットは、ブレイズヘアーが決まっている自身のポートレート。色あせたトーンや、物憂げな表情が既に名盤の雰囲気を纏っているから不思議。デビュー当初からベテランのような佇まいなのは流石である。

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以上、第28回でした。話すように歌うのがD'Angeloならば、次回は歌うようにラップする男、NELLYのアルバムを紹介します。

それでは、また。

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